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コウノトリ兵庫から越前市に移送 繁殖目指し飼育開始

(2011年12月10日午後5時35分)

拡大 兵庫県豊岡市から移送され、ケージ内に放されるコウノトリのつがい=10日午前11時25分ごろ、越前市中野町 兵庫県豊岡市から移送され、ケージ内に放されるコウノトリのつがい=10日午前11時25分ごろ、越前市中野町


 国の特別天然記念物コウノトリの野生復帰を目指す福井県は10日、つがい1組を兵庫県豊岡市の県立コウノトリの郷(さと)公園から越前市中野町の飼育ケージに移送し、飼育をスタートした。地元の白山・坂口地区住民ら約500人が見守る中、受け入れ式があり、ケージ内で移送用の木箱から出された14歳の雄と13歳の雌が白い雄姿を現した。繁殖を成功させ、福井生まれ福井育ちの幼鳥の放鳥を目指す。実現すれば兵庫県外で初となる。

 野生絶滅後、同県による人工繁殖と試験放鳥を経て、生息域拡大という新段階の第一歩を踏み出した。白山・坂口地区では1970〜71年、くちばしの折れたコウノトリが滞在し、保護活動が展開された。地元にとっては40年ぶりのコウノトリとの共生が始まった。

 この日は、つがいを1羽ずつ入れた木箱を運搬車両に載せ、午前5時すぎに郷公園を出発。同11時ごろケージに着いた。受け入れ式で西川一誠知事は「ひなが誕生し、舞い飛ぶことを願う。幸せ日本一の福井県の環境のシンボルにしたい」とあいさつした。井戸敏三兵庫県知事は「意欲と情熱あふれる皆さんなら、福井の地での野生復帰は実現できると確信している。兵庫の空、福井の空、全国の空にコウノトリが飛び交う日が来るよう力を合わせよう」とメッセージを寄せた。奈良俊幸越前市長に続き、地元白山小6年の酒井しん君が歓迎のあいさつをした。

 同校と坂口小、武生二中坂口分校の児童生徒代表10人がケージの扉を開け、飼育員が木箱をケージへ運んだ。郷公園の山岸哲園長の掛け声で木箱を開け、2羽が姿を現すと歓声と拍手が起きた。2羽は?長旅の疲れ?も見せず、ケージ内を歩き回り、羽を広げたり跳びはねたりした。

 山岸園長は「豊岡と知識を共有し、2番目の繁殖地となる日が一日も早く来ることを期待している」と述べた。

 2羽は2004年にペアになり、これまで11羽の子をもうけた。今後、順調にいけば2〜3月に産卵、春にふ化する。放鳥のあり方は県コウノトリ定着推進会議の意見を踏まえ検討する。文化庁の許可も必要。県は複数年の取り組みを視野に入れている。

 県は、ケージ近くのしらやまいこい館(同市都辺町)にコウノトリ支援本部を設置。県と市から派遣された獣医師1人と飼育員4人が常駐し、当面24時間体制で対応する。

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