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「糖尿病白内障」抑える物質発見 福井大チーム、予防薬開発へ道

(2017年4月21日午前7時00分)

拡大 糖尿病白内障の予防につながる化合物発見について記者会見する福井大の沖昌也准教授(左)と高村佳弘准教授=20日、福井市の同大文京キャンパス 糖尿病白内障の予防につながる化合物発見について記者会見する福井大の沖昌也准教授(左)と高村佳弘准教授=20日、福井市の同大文京キャンパス


 福井大大学院工学研究科と同大医学部の研究チームは20日、糖尿病白内障の進行を抑える化合物を世界で初めて突き止めたと発表した。現在、手術による治療しかない白内障の予防薬開発につながる成果で、将来的に点眼薬の実用化を目指す。

 工学研究科の沖昌也准教授と医学部の高村佳弘准教授らによる共同研究。

 今回の研究は、糖尿病白内障の予防を「エピジェネティクス」という現象から解析したのがポイント。

 エピジェネティクスは、細胞の中にあるDNAの配列は正常だが、DNAが巻き付いているタンパク質の性質の変化によって、通常とは違う遺伝子情報が現れることを指す。DNAの配列の変化によって発症する遺伝病に対し、DNAの配列が変化せずに、ストレスなどによって通常とは違う遺伝子情報が現れ、生活習慣病など後天性疾患の原因になっているとして注目されている。

 研究チームはほとんどの人が加齢によって発症する白内障について、左右の目で進行度に差があるケースに着目。エピジェネティクスと白内障の関連を調べた。

 ネズミでの実験で糖尿病による白内障を引き起こし、白く濁った水晶体にエピジェネティクスの動きを阻害する化合物(阻害剤)を加えたところ、白濁が抑えられることが分かった。26種類を試し、そのうち10種類に効果が見られた。

 研究チームはエピジェネティクスの視点での解析から、阻害剤を突き止めた一連の成果について特許を出願した。今後は製薬会社などと協力し、創薬に向けた研究を進める。

 同大文京キャンパスで記者会見した沖准教授と高村准教授は「予防薬が開発できれば健康な高齢者を増やし、手術設備の不十分な発展途上国への貢献に大きな成果がある」と述べた。

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