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強固な岩盤、10万年の安全いかに 核のごみどこへ(2)

(2013年2月2日午前9時56分)

拡大 地層処分するため、使用済み核燃料を封入する二重構造の容器。外側が銅製(左)、内側は鋳鉄製となっている=1月14日、フィンランド・オルキルオト島のビジターセンター 地層処分するため、使用済み核燃料を封入する二重構造の容器。外側が銅製(左)、内側は鋳鉄製となっている=1月14日、フィンランド・オルキルオト島のビジターセンター


 使用済み核燃料の最終処分場建設に向けた調査施設「オンカロ」があるフィンランド・オルキルオト島付近の基盤は、18〜19億年前につくられた雲母片麻岩などの結晶質岩でできている。厚さは地下約60キロにも及ぶ。

 強固な岩盤は国土中に広がっており、オンカロで調査をしているポシバ社の地質学者トウマス・ペレさん(31)は「フィンランドでは地震がほとんどない。活断層もないし、火山もない」と話す。大地が揺れる感覚が分からないという一般市民も多いという。

 核のごみを地下深く、長期に埋設する条件を備えた土地であり、「火山や地震で地下水も動く日本とは状況が全然違う」(ペレさん)と言っていい。

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 オンカロの地下420メートルのトンネル内には広場が造られ、岩盤の特性を調べるための実証坑道が水平方向に2本走っている。中に入ると、約5メートル間隔に直径1・75メートル、深さ8メートルの縦穴が4本並んでいた。

 一番手前の縦穴は内部の壁に亀裂がなく、乾いた感じだ。「この穴には使用済み核燃料を入れた容器を埋めることができる」とペレさん。

 2本目の縦穴には幾重にも亀裂が走り、底には水がたまっていた。「ここは処分に適さない。亀裂から地下水が入る」

 最終処分事業を担うポシバ社が現在、オンカロで中心的に調査を進めているのが、使用済み核燃料を入れた容器を処分する穴の適性や岩盤への影響を確認する試験だ。

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 使用済み核燃料を直接処分する方法としては、まず特殊な容器に封入する。容器は外側が腐食に強い銅製、内側は荷重に耐える鋳鉄製の二重構造だ。さらに容器を穴に入れる際、周囲にベントナイト(粘土)を敷き詰める。最終的にトンネルも岩やベントナイトで埋め戻し、硬い岩盤に閉じ込める。

 建設許可を受けてオンカロ内の地下で処分用トンネルを掘り、順調に進めば2022年にも処分が始まる。計画では100年以上埋設を続ける。トンネルの総延長は約70キロになるという。埋め戻して最終的には地上施設も撤去し、人間社会から隔離される。

 放射線のレベルが自然界と同じ程度になるには、およそ10万年かかるという。極めて長期間の安全をどう確保するのか。

 ポシバ社のレイヨ・スンデル社長は「容器が壊れても、影響は人々の年間被ばく量の1万分の1だ。いずれ氷河期が来て厚い氷に覆われれば、何千年も人はかかわらない。忘れてもいい施設」と言い切る。

 一方、オンカロを題材にした映画「100000年後の安全」のミケル・マッセン監督(41)=デンマーク=は「10万年前は最初の人類が出現するくらいの時代。10万年先まで想定して絶対安全な施設を造るというのは非常に不確かな感覚」と指摘。将来世代に警告すべきかどうかの議論も乏しいと批判する。

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 ただ、最終処分場をめぐり国民的な議論はあまりないという。国内最大手の新聞社ヘルシンギン・サノマット紙のヘイッキ・アロラ記者(62)は「国民が理解しているのは、奥深い岩盤に埋めるということだけ。長い未来にわたるため、考えが及ばない」と語る。

 処分場は2100年代半ばごろに閉鎖後、安全に永久処分されたと確認されれば、廃棄物の所有権が政府に移る。ヤン・バパーボリ雇用経済相はこう強調した。「10万年の最終責任は国にある」

 

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