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[4] 相次ぐ巨額寄付 匿名、チェック届かず

(2010年5月28日午後0時44分)

拡大 日本原電が敦賀市に寄付した赤レンガ倉庫。電力事業者から自治体への巨額の寄付はほとんどが匿名扱いだ=敦賀市金ケ崎町 日本原電が敦賀市に寄付した赤レンガ倉庫。電力事業者から自治体への巨額の寄付はほとんどが匿名扱いだ=敦賀市金ケ崎町


 敦賀港近くに建つ赤レンガ倉庫は、港町の歴史を象徴する明治期の建造物だ。敦賀市の所有となったのは2003年5月。日本原電が土地と建物を約4億円で地元の保有者から買い取り、そっくりそのまま市に寄付した。
 寄付により貴重な文化遺産は市民の財産になった。しかし、今大地晴美市議は「電力事業者から有形無形の寄付を受けることで、原発の存在に対して市民は何も言えなくなる」と複雑な思いだ。
 寄付をした原電は、出力が世界最大級の敦賀原発3、4号機の増設計画を進めてきた。02年12月、県と敦賀市が安全審査入りを事前了解し、04年3月には増設を了承。同7月から準備工事に入った。こうした動きと重なり合うかのように、敦賀市のほか周辺市町村に巨額の寄付が相次いだ。
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 03年から05年にかけ、旧河野村へ12億円、旧越前町は8億円、旧三方町3億円、旧今庄町1億5千万円…。いずれも原電の寄付とみられるが、ほぼすべてが匿名扱いだ。敦賀市は05年に原電から20億円の寄付を受けた事実は明らかにしたが、ほかにもある億単位の寄付は未公表だ。
 関西電力からも02年度に美浜町へ10億円、05年度に旧大飯町へ9億円など、たびたび巨額の寄付が明らかになっている。同社は「地域との共生の観点から必要に応じて適切な協力を行っている」と一般論として寄付を認める一方、「相手方との関係や業務への影響を考慮し公表はできない」とする。
 自治体も電力事業者も互いに「相手の意向」を理由に詳細を明かさない寄付行為。一般の目の届かない“ブラックボックス”状態にある。
 県のエネルギー研究開発拠点化計画の骨子案作りを担当した堀照夫福井大副学長は「原発は地元に迷惑や不安を与えているのだからそれなりの見返りはあるべきだが、不透明なやり方は好ましくない。なぜ明確にできないのか」と疑問を投げかける。
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 電力事業者からの寄付は古くから、さまざまな形で行われてきた。美浜1号機の建設当時を知るベテラン町議は「地元との合意として、いろんな名目の協力費があった」と明かす。
 行政側が強く“要請”した場合も少なくない。JR小浜線の電化や、北陸線の敦賀までの直流化事業では、県がそれぞれ民間に負担を求め、ともに関電、原電、北陸電力の3社が合計数十億円の寄付に応じた。
 また、関電の若狭たかはまエルどらんど(高浜町)、日本原子力研究開発機構のアクアトム(敦賀市)などのPR館のように、地元が望む施設を事業者が造る例もある。工費はそれぞれ数十億円。集客に加え、地元には建設自体による経済メリットがある。
 寄付は電力事業者にとって重荷となるが、「電力料金に跳ね返り、ツケを回されるのは消費者」との指摘もある。例えば関電は、寄付金に充てる予算を営業費用の「諸費」として支出。「公益事業者として経営活動に必要な費用であり、料金原価に算入している」と説明する。
 電気料金には電源三法交付金の原資となる電源開発促進税が上乗せされている。県が課税する核燃料税も、電力料金に転嫁されうる。寄付を含めれば、消費者にとっては二重取り、三重取りだ。

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