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美浜3号、地震対策に国内初構造 最大加速度を考慮し燃料プール改造

(2016年8月4日午後0時00分)

拡大 福井県の美浜原発周辺の活断層 福井県の美浜原発周辺の活断層


拡大 フリースタンディングラックのイメージ フリースタンディングラックのイメージ


 原子力規制委員会が3日、審査書案を了承した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)は、基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)の最大加速度が993ガルと、関電の原発9基の中で最も大きい。このため使用済み核燃料プールの燃料保管容器を、国内初採用の構造に改造して対応することになった。熊本地震の地震動に対する専門家の検証も続く中、万全の地震対策があらためて焦点となっている。

 美浜3号機の新規制基準に基づく安全審査は昨年6月に本格化。当初から、基準地震動の設定に必要な震源断層の深さで関電と規制委の意見が対立した。規制委は40年超運転の「審査期限切れ」になる可能性を指摘。関電は昨年8月になって、期限を優先する形で規制委の要求に応じた。関電の大石富彦常務執行役員は当時、「時間との闘いだった」と語っている。

 考慮する断層の深さ4キロから、より浅い3キロに改められ、活断層の連動の想定も増えた。基準地震動は10パターンから24パターンに増加。最大加速度は750ガルから993ガルへ大幅に引き上がった。耐震工事の完了見通しは2017年から20年に、対策費用も約1290億円から約1650億円へと見直された。

 特に使用済み燃料プールは「現在の構造では耐震性の確保が困難」(関電)となり、燃料容器を床や壁に固定しない「フリースタンディング(自立型)ラック」という構造に変更した。「欧米では1980年代から採用されている」(関電)という。地震の揺れで燃料を入れた容器は動くが、水の抵抗で燃料の破損を揺れから守る仕組みだ。審査では容器の動く幅や取り換え工事時の安全性などが議論になったものの、審査書案では問題ないと結論づけている。

 ただ現状の規制基準を満たしても、基準が変われば、さかのぼって適用(バックフィット)する必要がある。

 前規制委員長代理の島崎邦彦氏は大飯原発に関して、基準地震動を「過小評価の可能性」と指摘。約1カ月間の議論を経て規制委は、見直しは必要ないと結論づけたが、地震学者による今後の熊本地震の検証次第では、島崎氏の指摘の妥当性を含め新たな知見が得られる可能性も否定できない。

 美浜原発の基準地震動について3日の会合で、石渡明委員は「かなり安全側に見込んだ数値」と評価した。一方で、島崎氏の指摘のきっかけをつくったとされる長沢啓行・大阪府立大名誉教授は「最大加速度993ガルの地震を起こす断層とは別の断層が、より大きな影響を及ぼすと再評価される可能性はある」とみている。


 

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