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核のごみ地層処分で「隔離」 岐阜の研究所で地下水調査

(2016年2月9日午後6時30分)

拡大 地下300メートル地点で水平方向に延びる研究用の坑道=岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所 地下300メートル地点で水平方向に延びる研究用の坑道=岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所


 原発の使用済み燃料の再処理で生じる高レベル放射性廃棄物の地層処分を研究している日本原子力研究開発機構の「瑞浪(みずなみ)超深地層研究所」(岐阜県瑞浪市)。地下300メートルに坑道が整備され、地下水の流れや水質調査が行われている。マスコミ関係者の視察団として、最新の状況をこのほど取材した。

 「カメラが落下しないようにしっかり首にぶら下げてください」。笹尾英嗣主任研究員ら原子力機構の職員2人の案内で、つなぎ服とヘルメットを身に着けた記者たちが立て坑のゴンドラのようなエレベーターに乗り込んだ。約3分後、地下300メートルに到着すると、水平方向に延びる坑道が視界に飛び込んできた。

 国内の高レベル放射性廃棄物は、ガラス固化体に加工して地下300メートルより深い安定した岩盤に処分することが2000年に定められた。同研究所は地下500メートルまで立て坑を掘り下げ、硬い性質の花こう岩を主な対象に岩盤の強さや地下水の流れ、水質などを調べている。放射性物質を使った研究はしていない。

 「これは1万年前に降った雨水です」。笹尾主任研究員が指さした坑道の岩盤からは地下水がわき出ていた。コンピューターで解析した結果、7〜8キロ離れた山に降ったとみられるという。触ってみると温かい。地下が深くなるほど岩盤の温度が高くなるため「この地点の地下水は、年間を通して23度でほぼ一定している」と説明した。地下500メートル地点でわき出る地下水は2万年前の雨水だそうだ。

 深い地層の岩盤はとてもきめ細かいため、地表付近より地下水の流れが非常に遅い。放射性物質が地下水に溶け出したとしても、岩盤にしみ込んだり、吸着されたりすることで流れがさらに遅くなる。酸素が少なくガラス固化体を包む金属製容器を溶かしにくい特性もある。そのため地表に到達しても、日常生活で受けている放射線に比べて十分に低く、人間の健康に影響はなくなる―との見立てだ。

 地層処分のメリットについて笹尾主任研究員は「人工と天然の多重バリアーにより、高レベル放射性廃棄物を数万年以上にわたって人間の生活環境から遠ざけることができる。技術的に可能」と力説する。これに対し地上での人間による管理は「大地震などの自然現象に左右されやすく、テロのリスクもある」とした上で「将来世代に負担を負わせることになる」と述べた。

 施設用地は2002年から20年間の予定で市から借りており、地層科学研究の終了後に返却することになっている。今後は、施設を埋め戻した後の地質環境の変化も研究していくという。笹尾主任研究員は、地下500メートルの坑道の一部を埋め戻し、センサーで基礎的な調査を始める段階に入っていると説明した。

 視察会は、高レベル放射性廃棄物の地層処分事業の実施主体、原子力発電環境整備機構(NUMO)が開いた。

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