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高浜原発の事故時拠点完成遅れか 緊急時対策所の設置時期明示せず

(2016年1月30日午前7時15分)

拡大 関西電力高浜原発3号機(手前)=29日、福井県高浜町田ノ浦 関西電力高浜原発3号機(手前)=29日、福井県高浜町田ノ浦


 関西電力が、高浜原発(福井県高浜町)内で進めている1〜4号機共通の事故時の対応拠点となる「緊急時対策所」の設置計画について、福井県原子力安全専門委員会に2017年度末と説明していた完成時期が明示できない状況にあることが29日分かった。高浜3号機は同日、再稼働したが、関電は福井新聞の取材に対し「建物工事に時間を要する見込みで、できるだけ早期の運用開始を目指したい」と答えるにとどまり、完成時期が遅れる可能性も出ている。

 県専門委の中川英之委員長は、緊急時対策所の完成時期について「関電は昨年11月の会合で、17年度末の予定とする資料を提示している。事業者はスケジュール通り、もしくは前倒しで完成させるように努力すべきだ」と話し、今後の県専門委で確認していく考えを示した。

 高浜3、4号機の緊急時対策所は現在、1、2号機に燃料を装荷しないことを前提に同建屋内に設置することで原子力規制委員会の安全審査に合格しており、今回の再稼働に影響はない。ただ、関電は昨年3月に1、2号機の40年超運転を目指し安全審査を申請。4基共通の緊急時対策所が完成しない限り、1、2号機は審査に合格しても再稼働できない。

 4基共通の緊急時対策所をめぐり関電は当初、計画中の免震事務棟内に置く予定だった。しかし規制委の3、4号機の審査で高浜原発の基準地震動を見直したことにより、耐震構造の別の建屋として建設する計画に変更した。

 昨年7月や11月に開かれた県専門委の会合では「17年度末の運用開始」と示していたが、3、4号機の安全性の検証結果の取りまとめを審議した12月の会合では「本年度内をめどに着工予定」などと説明しただけで、完成時期は明記していなかった。

 関電によると、現在は建屋の設計中とした上で「17年度中に建物工事を終える予定だったが、基準地震動に基づいた耐震構造の建物工事に時間を要する見込み」とし、工程に遅れが出ていることを示唆した。

 一方、同じく17年度末の完成予定としていた免震事務棟についても「免震装置の再設計に時間を要している。できるだけ早期の運用開始を目指したい」と答え、完成時期を明示しなかった。

 免震棟は新規制基準の要求になく、事故対応要員の待機場所や除染エリアなどを設ける計画。07年の新潟県中越沖地震で東電柏崎刈羽原発が被災したのを教訓に、日本原電敦賀原発をはじめ東電、中部電などの原発に設置されたが、関電の整備が遅れていた。

■緊急時対策所」とは

 原子炉施設で重大事故が発生した場合の対応拠点で、新規制基準で設置を求めている。事故対応の機能が損なわれる恐れがない地盤に設置しなければならず、換気や放射性物質の遮へい措置、必要な要員を収容できるスペース、通信連絡設備などが必要となっている。関西電力が計画する高浜原発1〜4号機共通の緊急時対策所は耐震構造で、建屋内の面積約800平方メートル。最大収容人数は約200人。

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