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看護師ペア体制で継続的ケア 福井大学医学部附属病院
(2011年4月21日午後1時51分)
看護師2人1組で患者をケアをする新方式を導入した福井大附属病院。病室で検温などの記録もすぐにパソコンに入力できるようになった
福井大医学部附属病院が独自の看護体制を試験導入し、質の高い患者ケアと労働条件の向上につなげている。1年間、熟練度が異なる看護師同士でペアを組んで看護に当たり、一方が休んでも相方が患者を継続的にケアできる体制にした。チームでの補完も組み合わせた結果、安全対策の向上や残業削減に効果がみられたことから、年内にも全病棟に新方式を拡大する。
看護方式は医療機関によって異なるが、1人の看護師が複数患者を見る担当制の「プライマリーナーシング」か、チームで看護する「チームナーシング」を導入するケースが多い。
プライマリーを採用してきた同病院は、経験にかかわらず1人の看護師が7人前後の患者を看護。各自が自分の業務をこなすことに時間を取られ残業が絶えず、看護師同士のコミュニケーションが取りにくく、若手看護師の増加で技術的ミスが危惧(きぐ)されていた。
同病院看護師長の上山香代子さん(52)が考案し、2009年4月から試験的に1病棟で導入した新方式「パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)」は2人1組でチームを組むことを基本にしたもの。1年間、看護年数や力量が異なる相手と行動を共にする。
大きな利点は、ペアにすることでパートナーのどちらかが夜勤や休みになっても、もう1人の看護師が患者の病状を正確に把握し対応できるところ。パートナーの上部には5組のペアで構成するチームをつくり、パートナー不在時にサポートに入り、相互補完体制にした。
2人の看護師が担当となり病室への出入りが増え、患者の病状変化に気付きやすくなるメリットもある。検温など記録の入力は従来、夕方から夜間にかけ行うなど即時性に欠けたが、PNSで1人が病室でパソコンに入力でき患者の病状把握が迅速になった。
経験や力量の異なる相手とのパートナー制で、若手はベテランの看護技術を目の当たりにでき技術向上につながる。ベテランは常に若手教育を担い、緊張感を持ち基本に立ち返られるという。
看護師3年目の黒川梨恵さん(24)は「1人の受け持ち制の時に何ができて何ができていないか分からなかったが、先輩と組むことで明確になり修正できるようになった」とする。
導入後には、残業が多かった日勤業務がパートナー、チームで補完でき、定時帰宅が可能に。夜勤明け業務でも同様に定時に終わるように改善された。
ミスまでは至らないヒヤッとした事例も1年未満の若手看護師で、PNS導入前の2009年1〜3月に24件あったが、2010年1〜3月には6件に減少した。
上山さんは「看護師同士のコミュニケーションが増え、責任を2人で共有するメリットは大きい。患者からも雰囲気が変わったと肯定的に受け止められている」と高い効果を実感している。
同病院では年内に、全12病棟(600床)で新方式を導入する。
