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福井のがん登録、精度日本一30年 医師会と県連携、全国取り組みの礎に

(2016年9月1日午後5時10分)

拡大 30年以上にわたり全国トップの情報精度を維持してきた福井県の地域がん登録の拠点「がん登録室」。左から2人目が服部昌和外科主任医長=福井県立病院 30年以上にわたり全国トップの情報精度を維持してきた福井県の地域がん登録の拠点「がん登録室」。左から2人目が服部昌和外科主任医長=福井県立病院


 がん患者の情報を全国の医療機関から集めて分析し、医療技術の向上や予防に生かす「全国がん登録」制度が今年から始まった。これまでは「地域がん登録」として都道府県ごとに行っていたが、届け出が任意でかつ統計手法にばらつきがあり、患者の実態がなかなか把握できずにいた。そんな中、福井県は日本一のデータ精度を30年余りにわたって持続。今回の全国の取り組みの礎となるとともに、がん対策の向上に貢献している。

 福井県のがん登録は、県医師会を中心に1984年にスタート、2年目以降は県が主体となってきた。がん患者の診断と治療、経過に関する情報が、各医療機関から、県医師会や県立病院内にある「県がん登録室」に集積される。患者の県外流出が少なく統計が取りやすい上に、県医師会の積極的な働きかけもあり、情報の届け出率の高さは全国有数。精度の目安となるDCO(死亡情報のみの登録)は毎年5%以下と、全国トップの水準をキープしている。

 死亡情報は入手しやすいが、それのみの登録が多いと、生存率の高いがん患者の登録は少ないことになり、情報精度は低くなる。DCOの割合が少なければ少ないほど、真の罹患(りかん)数に近くなるとされる。届け出が義務化されている米国ではほとんどの地域で5%以下だが、任意となっている国内で同水準に達しているのは、福井県のほか岡山や秋田など一部という。

 また、福井県の精度の高さはフットワークによるところも大きい。役所の死亡票を基に、死亡診断書を作成した医療機関に問い合わせる「さかのぼり調査」を精力的に実施。発症から5年が経過して以降に死亡票が出されていない人の状況を確認する「生存確認調査」にも力を入れてきた。「精度の高いがん登録によって罹患率や生存率がより正確に算出でき、疫学研究や国のがん対策の基本データになる」と県医師会がん・脳卒中登録委員会副委員長を務める服部昌和・県立病院外科主任医長は語る。

 県がん登録室は、国から還元された県単位でのデータを管理、分析していく。服部外科主任医長は「福井県のがん登録が30年以上も高い精度を保てたのは、各医療機関の医師の努力と医師会と県の連携があってのこと。今後もがん医療の向上に寄与していきたい」と話している。

 

 

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