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交通利便度、47都道府県を比較 同じ時間で全国の何%に到達可能か

(2017年3月7日午後0時30分)

拡大 1時間以内に到達できるエリアの広さを示した画像。新幹線が走る都道府県が赤いベルトになっているのがわかる(資料:Yahoo! JAPANビッグデータレポート *画像は東洋経済編集部で加工) 1時間以内に到達できるエリアの広さを示した画像。新幹線が走る都道府県が赤いベルトになっているのがわかる(資料:Yahoo! JAPANビッグデータレポート *画像は東洋経済編集部で加工)


拡大 栃木県(上)と広島県(下)の到達所要時間マップ。栃木県は東北新幹線沿い、広島県は山陽新幹線沿いを中心に、到達時間の短い赤いエリアが広がっていることがわかる(画像:Yahoo! JAPANビッグデータレポート) 栃木県(上)と広島県(下)の到達所要時間マップ。栃木県は東北新幹線沿い、広島県は山陽新幹線沿いを中心に、到達時間の短い赤いエリアが広がっていることがわかる(画像:Yahoo! JAPANビッグデータレポート)


 日常生活では、実際に何キロメートル離れているかといった距離よりも「移動にどのくらい時間がかかるか」で距離感を捉えることが多い。東京から名古屋へは「のぞみ」で1時間半ちょっと、福岡なら羽田から飛行機で2時間くらい……。全国各地を頻繁に移動する人なら、このような時間感覚を持っているのではないだろうか。

 だが、一方で同じ東京都内であっても、東京駅から奥多摩駅まではJR中央線と青梅線を乗り継いで約2時間もかかる。新大阪から岡山まで新幹線「のぞみ」なら約50分だが、距離的にはより近い和歌山までは特急で1時間ほどだ。距離が近くても、交通網の整備状況などによって同じ時間で行ける範囲には違いがあるのだ。

 ■同じ時間で全国の何%に到達できる?

 実際のところ、同じ所要時間でたどり着ける範囲は出発地によってどのくらい違うのだろうか。Yahoo! JAPANは2月21日、ビッグデータの分析によって、47都道府県それぞれの主要駅を起点として一定時間内に到達できるエリアの面積を比較したレポートを発表した。

 このレポートは「Yahoo! 地図」のルート探索機能によって、各都道府県庁最寄りの主要駅(ただし東京都は東京駅、沖縄県は那覇空港)を平日の朝7時に出発し、徒歩・車・電車・新幹線・バス・フェリー・飛行機を利用して、日本全国の約19万エリア(町丁目単位)に到達するまでの時間を計測したもの。同じ所要時間内に、各都道府県から日本全国の面積のうち何%にアクセスできるかを知ることができる。同じ時間内で到達可能な面積が広いほうが、交通利便度が高いことになるわけだ。

 では、1時間以内で到達できるエリア面積のランキングはどのようになっているだろうか。

 なお、この記事は2月21日に発表されたデータをもとに作成したが、Yahoo! はその後、一部の県で起点の駅を再検討すると発表している。その場合、ランキングなどに変化が出る可能性もある。

 1時間以内で到達できるエリア面積のランキングでは、交通網の充実した首都圏・中京圏・近畿圏といった大都市圏が上位10位の大半を占めた。

 ■1時間以内で到達できるエリア面積ランキング(2月21日発表分)
 1位 :東京都  <起点:東京駅>
 2位 :愛知県  <起点:名古屋駅>
 3位 :埼玉県  <起点:浦和駅>
 4位 :大阪府  <起点:大阪駅>
 5位 :京都府  <起点:京都駅>
 6位 :神奈川県 <起点:横浜駅>
 7位 :千葉県  <起点:千葉駅>
 8位 :岡山県  <起点:岡山駅>
 9位 :福島県  <起点:福島駅>
 10位:福岡県  <起点:博多駅>

 同時に見えてくるのが「新幹線の効果」だ。10位以内で新幹線の駅がないのは千葉県のみで、それ以外はすべて新幹線の駅がある都府県。北から順に福島・埼玉・東京・神奈川・愛知・京都・大阪・岡山・福岡と並べてみると、東北新幹線〜東海道新幹線〜山陽新幹線を結ぶラインが浮かび上がってくる。

 レポートで「注目したい県」として挙げられているのは8位の岡山県と9位の福島県。両県はいわゆる大都市圏ではないが、新幹線によって短時間で到達できるエリアが大きく広がっていることからランクインした。

 この結果を見ると、3大都市圏とそれを結ぶ新幹線の路線上にあたる地域の交通利便度の高さがはっきりする。Yahoo! の担当者は「結果を地図化した際の並びから見ても、新幹線の効果が高いことがわかる」と話す。

 ■東京より交通利便度の高い地域がある!

 2時間以内で到達できるエリア面積を基準にランキングすると、さらに興味深い結果が見られる。京都府と愛知県が、全国の交通の中心ともいえる東京都をしのいで1位・2位にランクインしていることだ。

 ■2時間以内で到達できるエリア面積ランキング
 (2月21日発表分・カッコ内は1時間以内の際の順位)
 1位(5位) :京都府 <起点:京都駅>
 2位(2位) :愛知県 <起点:名古屋駅>
 3位(1位) :東京都 <起点:東京駅>
 4位(3位) :埼玉県 <起点:浦和駅>
 5位(4位) :大阪府 <起点:大阪駅>
 6位(21位):栃木県 <起点:宇都宮駅>
 7位(8位) :岡山県 <起点:岡山駅>
 8位(14位):広島県 <起点:広島駅>
 9位(18位):宮城県 <起点:仙台駅>
 10位(9位):福島県 <起点:福島駅>

 京都府と愛知県が東京都を上回った理由について、レポートでは京都府と愛知県はそれぞれの域内で交通網が充実している上に、2時間以内と時間を拡げたことで、異なる大都市圏にアクセス可能な点が数値に表われたのではないかと分析している。

 具体的には、京都からは名古屋駅を中心とした東海エリアに、愛知からは京都駅・新大阪駅を基点とした関西圏にアクセス可能なため、カバーできるエリアが大きく広がったというわけだ。大都市圏同士が高速交通機関で結ばれると、アクセス可能なエリアを飛躍的に広げる効果があることがわかる。

 ■新幹線効果で大幅ランクアップ

 また、2時間以内で到達できるエリア面積のランキングでは、新幹線の効果もより明確に見えてくる。「1時間以内」のランキングと比べ、大幅に順位が上昇した県があるのだ。

 たとえば「1時間以内」では21位だった栃木県は6位に急上昇。同様に広島県は14位から8位に、宮城県は18位から9位にアップしている。

 これは新幹線の利便性が大きく影響していると推測できる。栃木県の場合、1時間以内で到達できるエリアは大都市圏のように広くはないものの、2時間以内と時間を広げると、そのエリアは東京方面と東北方面の新幹線沿い、さらに一部は上越・北陸新幹線沿いにも広がっていくことがわかる。

 広島県も同様で、2時間まで所要時間を広げると、県内だけでなく兵庫・岡山・山口・福岡各県の山陽新幹線沿いに到達可能なエリアが広がっていく。

 逆に、広島県と接する日本海側の島根県は44位、瀬戸内海をはさんで対岸の愛媛県は43位。距離的に近いエリアよりも、高速交通機関で結ばれたエリアのほうが移動が容易なことがはっきり見える結果だ。

 一方、今回のデータで浮かび上がった「特異点」ともいえる県がある。山梨県だ。

 東京都に隣接し、首都圏の一部でもある山梨県だが、今回のデータ分析によるランキングでは「1時間以内」で39位、「2時間以内」で34位と、全国的に見ても下位に入った。レポートではこの理由について詳細な分析はしていないが、一つ明らかなのは「新幹線へのアクセス利便性が高くない」ことだ。

 Yahoo! の路線案内で検索してみると、山梨県内から東海道新幹線を利用する際、時間的にもっとも近いのは新横浜駅。だが、同駅までは甲府からほぼ2時間かかってしまう。

 しかし、この状況はこれから大きく変わる可能性がある。リニア中央新幹線の開業だ。Yahoo! のシミュレーションによると、リニア開業後の甲府−品川間の所要時間はわずか16分。名古屋にも30分以内で到達できる。こうなると、ランキングは大幅に変わってくる可能性が高い。Yahoo! の担当者は「東京−名古屋−関西−九州といった横のライン(の所要時間)がかなり縮まることが考えられる」と話す。

 ■飛行機の影響はどうなのか?

 一方、新幹線と並ぶ高速交通機関である飛行機はというと、到達時間が1〜3時間以内の場合、はっきりとした効果は見えてこないようだ。

 飛行機でないとほかの都道府県への移動が難しい沖縄県を例にとると、到達時間1時間〜4時間のランキングでは47位と最下位だ。だが、12時間以内に到達できるエリア面積だと26位まで上昇。レポートでは「那覇空港は大都市との航路で結ばれているため、後半は他県に負けないほどエリア面積を増やしていくことがわかる」と分析している。

 また、今回のように「到達できるエリアの面積」という指標の場合は、ピンポイントで都市間を結ぶ飛行機よりも、線で結ぶ新幹線のほうが有利になる面もあるだろう。

 高速交通機関にアクセスしやすい地域かどうかで、同じ時間内に到達できる範囲の違いが浮き彫りとなっている今回のレポート。現状の分析はもちろん、このようなビッグデータの分析によって、どんなルートに新たな交通機関を通せばより高い利便性が得られるかといったことも可視化できるだろう。今後の交通計画などを考える上でも、さらなる進化が期待される研究だ。(小佐野景寿:東洋経済 記者)

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