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閣僚の失言、暴言 政権の体質ではないのか

(2017年4月18日午前7時05分)

 【論説】安倍政権を担う閣僚の相次ぐ失言、暴言が批判を浴びている。今度は山本幸三地方創生担当相が、文化向上に努める学芸員を観光振興の「がん」と批判し「一掃を」と言い放った。一掃すべきは無責任発言を繰り返す閣僚であろう。

 山本氏は、大津市内で開かれた滋賀県主催のセミナーで、文化財観光の振興を巡り「一番がんなのは学芸員。普通の観光マインドが全くない。この連中を一掃しないとだめだ」などと侮辱するような発言をした。講演後の会見では「観光客が喜ぶようなパフォーマンスを」とも述べた。

 こうした発言が問題になると「適切ではなかった」として「反省」「撤回」「おわび」の言葉を重ねたが、何を反省しているのか。あまりにも不見識だ。学芸員は博物館法で定められた専門職員であり、資料収集や保管、展示、さらに調査研究に努力している。

 こうした地道な活動の上に文化財の保護や活用が成り立ち、文化の発展に欠かせない役割を担っているのだ。学芸員の使命は観光が第一であるはずがない。どう両立させるかだ。

 講演の趣旨は「地方創生とは稼ぐこと」だった。いかにも経済至上主義の安倍政権らしいが、このような認識で重責を担っているとすれば、地方創生は薄っぺらい理念である。安倍晋三首相は人ごとのように「謝罪し、撤回したと聞いている」と述べただけだ。

 もっと問題なのは、発生から6年になる東京電力福島第1原発事故の避難住民を巡る発言。3月末で住宅支援を打ち切られた自主避難者に対し、今村雅弘復興相は4日の会見で「どうするかは本人の責任」と述べた。国の責任を問う質問に激高、「裁判でも何でもやればいい」「何で無責任だと言うんだ。無礼だ」などと怒りをあらわにした。

 住宅無償提供の対象者は福島県で約2万6千人。「好きで避難しているわけではない」「とても住める状況じゃない」と反発する避難者の肉声をどう受け止めるのか。野党から罷免要求の声が強まる。

 また、沖縄県の米軍基地施設の工事反対派を警察官が「土人」となじったことを「差別だと断じることは到底できない」と主張した鶴保庸介沖縄北方担当相。これを「差別用語」に当たると解釈した金田勝年法相は、肝心の「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」新設を巡る法案審議で迷走答弁を繰り返す。

 国会が排除・失効決議した教育勅語を「教材に使われることは問題ない」と述べた松野博一文部科学相。勅語に肯定的な稲田朋美防衛相は、南スーダン国連平和維持活動(PKO)や学校法人「森友」問題で不安定な発言が目立ち、野党は辞任を要求している。

 安倍政権下で閣僚の不適切な発言は枚挙にいとまがない。いずれも「安倍1強」の傲慢(ごうまん)さと気の緩みを浮き彫りにする。議員全体の質が厳しく問われる中、よほど「適材適所」を心掛けないと、長期政権のはずが足元から自壊しかねない。

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