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アルバイトへの「罰金」 非正規全体に関わる問題

(2017年2月18日午前7時30分)

 【論説】女子高校生がアルバイト先を風邪で2日休んだら、ペナルティーに「罰金」を天引きされた―。先ごろ労働基準法違反と話題になった東京のアルバイトいじめだ。経営者の横暴は許されないが、1女子高生だけの範ちゅうに収まらない出来事。今や1500万人近くに達するパート・アルバイト従事者、さらに非正規雇用全体の問題でもある。

 職場の貴重な戦力にもかかわらず、こうした非正規雇用者は労働力の調整弁的な扱いで不当な処遇への泣き寝入りが後を絶たない。国は正規雇用にばかりでなく、水面下の弱い立場にも光を行き届かせるべきだ。

 被害例はコンビニ大手の店舗で、アルバイト女子高生が店側に病欠を伝えた上で遭ったケースだ。本人が代わりの働き手を探さなかったことを理由に、実働5日分のアルバイト代から、休んだ10時間に相当する9350円が差し引かれ、明細に「ペナルティー」「¥9350」の付せんが貼ってあったという。

 コンビニ親会社によると、この店は休む際に代わりを探さないとペナルティーを科すルールを設け、女子高生にも伝えていた。だが病欠の代わりを探すのはあくまでも雇用側の責任であり、店に好都合のルールが許されるはずもない。

 減給の制裁もその限度を上回っている。労基法には「1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期間の10分の1を超えることはできない」とある。コンビニ側は全額を返済、謝罪している。

 若者の労働相談に取り組むNPO法人「posse」(事務局・東京)にはこうした相談が絶えず、若者や主婦らの法の無知につけ込んだ理不尽な事例が多い。それでも表面化するのは氷山の一角に過ぎない。

 都内の飲食店は、食器を一つ割るたびに罰金として500円を給与天引き。誤って客に飲み物をかけた場合、クリーニング代を全額払わせていた。大手コンビニ店はアルバイト交代時、レジの金額に誤差があると当該時間に働いていた全員に折半で負担させていた。

 労基法24条により会社は賃金を全額支払う義務があり、罰金の理由、金額にかかわらず給与天引きは認められない。会社にも言い分はあろうが、レジの誤差や食器損壊は故意に損害を与えていない限り、業務上の経費として企業側が負担すべきものである。季節限定商品などに大量の売れ残りが出ると、買い取りを強要するのも問題がある。

 昨年の厚生労働省の高校・大学生アルバイト調査では、約6割が労働条件通知書を交付されず、口頭説明は2割が受けていない。高校生の3割、大学生では6割が労働条件でトラブルを経験。勤務シフトや賃金不払いと違法恐れもあった。

 そもそも罰金の天引きなどを行う店自体、さまざまなトラブルを生じやすい職場でもあると心得よう。

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