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国体・障スポの融合 スポーツ通じ共生社会へ

(2017年2月17日午前7時30分)

 【論説】来年秋に開かれる福井国体と全国障害者スポーツ大会(障スポ)で、全国初の試みとして、競技の一部を国体期間中に開催するなど「国体・障スポ」の融合が発表された。障害の有無にかかわらず、ともにスポーツを楽しみ、声援を送り、支え合う社会の実現に向け、大会を盛り上げたい。

 スポーツ基本法に基づく国の基本計画では、年齢や性別、障害などを問わず、広く人々がスポーツに参画できる環境の整備が基本的な政策課題と位置付けられている。長らく厚生労働省の所管だった障害者スポーツも、2014年からは文部科学省に移管され、スポーツ施策は一体的に進められている。

 ただ、障スポは国体に続いて同じ都道府県では開かれているものの一体性に乏しく、競技会場や開会・閉会式に足を運ぶ人も少なくて盛り上がりに欠けるのが現状だ。

 折しも20年の東京五輪・パラリンピックは、両大会の一体的な運営を通して障害者の社会参加を拡大させると打ち出した。県は障スポと国体についても同様の取り組みができないか模索し、スポーツ庁や内閣官房オリパラ事務局の後押しも受けて実現にこぎつけた。

 融合の象徴的な形としては、車いすバスケットボールの日程を前倒しし、国体競技と同じ会場で連続して開催。オープン競技の車いすテニスも国体会期中に行われる。県の実行委は学校や企業に働きかけ、より多くの県民による観戦を促す考えだ。

 また、国体前に「県民スポーツ交流期間」を設け、障害のある人もない人も一緒にスポーツをする機会を提供。大会ボランティア、おもてなしブースの運営では障害者も一緒に活動に参加してもらうという。

 20年の東京五輪・パラリンピックに向け政府は、障害の有無にかかわらず生き生きと暮らせる共生社会の実現を目指した総合的な施策の方向性として「ユニバーサルデザインのまちづくり」や「心のバリアフリー」を進めようとしている。

 その中には「障害のある人、ない人のスポーツ大会の融合」が掲げられており、福井国体・障スポはそれを先取り。19年以降の国体開催県にも何らかの形で波及していくはずだ。

 融合を本当の意味での成功に導くには、国体・障スポの会期中や前後にとどまらず、会場や交通、宿泊などのバリアフリーをさらに進める必要があろう。障害者が健常者と同じように地域でスポーツに親しむ場を確保して底辺を広げるとともに、パラリンピックを目指すような選手の育成も応援したい。

 障害者が社会参加できる環境は、高齢者や子ども、外国人にとっても暮らしやすい社会のはずだ。国体・障スポの融合を一つのステップとして共生社会を築く動きを加速させ、ムーブメントとして根付かせたい。

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