
日本のおへそ、日本海側の中央に位置する福井県は、国内随一の恐竜化石の発掘地で、まさに「恐竜王国」です。恐竜は、隕石衝突による気温低下で絶滅したという説が有力で、その生きた時代もごく短いように思われがちですが、実は約1億6千万年もの間、地球上で繁栄しました。人類の歴史は諸説ありますが、わずか500〜600万年といわれます。恐竜は人類の約30倍も歴史を刻んだ生物なのです。
奇しくも福井県は男女ともに全国長寿ランキングの上位にある「健康長寿」の県です。その秘訣はおいしい「食」、豊かな「環境」、元気な「産業」にあるのかも―。福井の魅力の一端をご紹介します。
福井県勝山市にあるその名も「かつやま恐竜の森」。この緑の中に巨大な恐竜の卵のような形の福井県恐竜博物館があります。世界的な建築家、故黒川紀章氏による設計の広大なドーム型展示室には、40体もの恐竜全身骨格標本が展示されています。福井県は恐竜化石の発掘量が全国一。日本オリジナルの恐竜として世界で新種と認められた恐竜4体のうち、実に3体までが福井県勝山市で発掘されています。日本で初めて命名された肉食恐竜"フクイラプトル(福井のどろぼう)"、イグアノドンの仲間である"フクイサウルス(福井のトカゲ)"、そして2010年に名前がついた"フクイティタン(福井の巨人)"。さらに、羽毛を持っていたと考えられる"ドロマエオサウルス類"の仲間も見つかっていて、近いうちに国内5体目の新種の恐竜となると考えられています。
82.86歳―これは平成17年の福井県の平均寿命の男女平均で、福井県は全国4位に入っています。県民の平均寿命が全国トップクラスを維持しているのが福井県の特徴。食、環境、働く場、風土などが複雑に絡まっての結果でしょう。福井県が誇るこの「健康長寿」をブランドとして広く浸透させ、だれもが心身ともに健やかにくらすことのできる地域を目指そうと、県は福井県立大学に「健康長寿研究推進機構」を設置するなど、幅広い分野で研究・実践に取り組んでいます。
| 男性 | 女性 | 男女平均 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 全国 | 福井県 | 順位 | 全国 | 福井県 | 順位 | 全国 | 福井県 | 順位 | |
| 平成2年 | 76.04 | 76.84 | 2 | 82.07 | 82.36 | 12 | 79.06 | 79.60 | 4 |
| 平成7年 | 76.70 | 77.51 | 2 | 83.22 | 83.63 | 12 | 79.96 | 80.57 | 4 |
| 平成12年 | 77.71 | 78.55 | 2 | 84.62 | 85.39 | 2 | 81.17 | 81.97 | 2 |
| 平成17年 | 78.79 | 79.47 | 4 | 85.75 | 86.25 | 11 | 82.27 | 82.86 | 4 |
(資料/平成19年12月発表の都道府県別生命表)
冬の福井といえば、やはり「越前がに」。例年11月6日の解禁から3月下旬まで楽しめ、全国各地から味覚の王者を求めて多くの食通が訪れます。「越前がに」はオスのズワイガニのことで、メスはセイコガニと呼ばれます。それぞれ生息場所や成長過程が異なりますが、どちらも絶品といわれ高値で取引されるのは、やはり越前海岸沖で獲れるから。越前海岸沿岸は急深で、漁場(水深100m〜300m)は段々畑のような地形。魚やカニにとっては快適な環境があり、それが美味しさにつながっているといわれます。
福井の冬の重要な保存食で、特に有名なのが若狭のサバの「へしこ」。サバを筆頭にイワシやニシン、フグなどを使用する「へしこ」は、江戸時代中頃が起源と伝えられます。新鮮な魚を水洗いし、塩漬けを経て糠漬けにします。そして待つこと1年、重石の下で塩と糠で熟成され、冬の若狭を感じさせる風味のある味が完成します。
年中食べることができますが、樽上げしたときが一番おいしいといわれています。へしこには、ヌカのビタミンによる新陳代謝活性化、青魚に含まれるDHAなどのほか、生
に比べ、2.5倍のアミノ酸、5倍ものペプチドが含まれ、血圧抑制にも大きな効果があり、健康食としても注目されています。
「へしこ」の名前の由来には、魚の胎内から浮き出した水分「ヒシオ(干潮)」がなまって「へしこ」に転じたという説と、若狭地方では木樽などにものを押しつけて入れ込むことを「へし込む」ということから、それがなまって「へしこ」になったという説の2説があります。
コシヒカリの歴史は、昭和19年、福井県から始まりました。当時、人工交配されたものの、倒伏しやすく、いもち病などの欠点もあり、注目度は決して高くありませんでした。
しかし、それから十数年、幾度もの栽培工夫と改良を経て、昭和31年に「越(コシ)の国に光り(ヒカリ)輝く米」の願いを込めて、コシヒカリと命名。以後、全国各地へと広がっていったのです。
健康長寿ふくいを代表する食文化「越前おろしそば」。そばに大根おろしやかつお節、ネギなどを添えただけのシンプルな料理ですが、その味は奥深く、最近では長寿食としても注目されています。「越前おろしそば」のおいしさは、玄そばの品質の高さに加え、県下のすべての製粉業者が昔ながらの石臼挽きを導入し、丁寧に時間をかけてそば粉を挽く、伝統の食文化に支えられています。県内には数多くのおろしそば自慢の店があり、それぞれ独自のこだわりがあり、福井人10人に「おいしいお店は?」と聞けば10通りの答えが返ってくるといわれるほどその味は奥深いのです。