| 美浜3号 県立ち会い配管点検 きょうまで2次系30カ所 |
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| 2004.12.1掲載 | |||
関西電力は三十日、県などの立ち会いの下、死傷事故以来停止している美浜原発3号機の二次系配管の肉厚点検を行った。
同社は二十五日、配管管理指針に沿った二次系配管のすべての点検対象個所の肉厚測定を行い、健全性を確認する作業に入る計画を、県原子力安全専門委員会に提示。二十九日から事故後初めて、美浜原発3号機の二次系配管の点検を開始している。 点検個所は、管理指針に基づいたものをはじめ計五千五百五十九カ所。そのうち、二十八年間未点検だった配管や事故を起こした配管と似た配管など特に重要な三十カ所を優先して点検している。 この日は県、美浜町、敦賀市、原子力安全・保安院の職員や同委員会のメンバーら八人が立ち会い、三菱重工の作業員と関電社員が超音波で配管の肉厚を測定した。 事故前までは関電の子会社、日本アームが二次系配管の肉厚点検作業を行っていた。 県職員らが立ち会い、一日までに重要な三十カ所を点検。それ以降も関電と三菱重工の作業員で、配管の点検を続けていく予定。作業には三、四カ月かかるものとみられ、本年度内には終了する見込み。 |
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| 原発配管の延命 独自解釈にクギ 保安院 |
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| 2004.11.26掲載 | |
| 経済産業省原子力安全・保安院は二十五日、北海道電力泊原発2号機(北海道泊村)と日本原電敦賀原発2号機、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)で、配管肉厚の管理指針を独自に解釈し、配管の寿命を延ばしていたケースがあったと発表した。 八月に起きた関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故の後、同様の独自解釈で原発の配管管理が厳密になされていない実態が相次いで明らかになったため、保安院が定期検査で重点的に過去の点検を調べて分かった。保安院は不適切な管理だとして、各電力に今後は独自に解釈しないよう指導した。 |
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| 関電計算センター捜索 美浜原発事故で敦賀署捜査本部 社内記録押収か 兵庫 |
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| 2004.11.19掲載 | |
| 十一人の死傷者を出した関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で、敦賀署の捜査本部は十七、十八の両日、業務上過失致死傷の疑いで兵庫県西宮市にある関電の計算センターを家宅捜索した。社内記録を保存したコンピューターの電子データなどを押収したとみられる。 事故をめぐる関電への捜索は美浜町丹生の美浜発電所、同町郷市の若狭支社に続き三カ所目。県外の本店直属施設に捜査が及ぶのは初めて。 同センターは、関電の業務全般にかかわるホストコンピューターが置かれた情報管理の根幹施設。 コンピューターには美浜原発を含む各発電所の点検記録や設備データのほか、売電記録などが蓄積されている。 捜査本部は関電が配管の点検漏れを認識した時期の特定を急ぎ、事故を引き起こした刑事責任の追及を進めている。今回押収したデータなどを基に、検査を請け負っていた子会社の日本アームから伝わった点検漏れの情報が、関電内部でどう扱われていたかなどを調べるとみられる。 これまでの調べでは、破損配管は点検リストから漏れ、運転開始から約二十八年間一度も検査されていなかった。日本アームは昨年四月に点検漏れに気付き、管理システムに登録。同十一月には電子メールで関電担当者に指摘したとされるが、関電側は「リストに追加された認識はなかった」としている。 事故は八月九日午後三時二十分ごろ、タービン建屋の二次冷却系配管が破裂し、高温の蒸気が噴出。定期検査の準備作業をしていた木内計測若狭支社(小浜市)の社員十一人がやけどを負い、うち五人が死亡した。 |
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| 立地4市町が協議会 敦賀、美浜、大飯、高浜 美浜事故機に連携 県内原発 |
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| 2004.11.10掲載 | |
| 敦賀、美浜、大飯、高浜の原発立地四市町が県原子力発電所所在市町協議会を設立し、九日総会を開いた。関西電力美浜原発死傷事故で、情報が正確に伝わらなかったことを受け、同協議会で情報交換するなど連携を図っていく。県内には原発立地市町に隣接する自治体が県原子力発電所準立地市町村連絡協議会を設けているが、立地自治体がスクラムを組むのは初めて。 美浜原発死傷事故では、作業員の安否について自治体に報告はあったものの、発電所内の詳細な状況などが関電から正確に伝わらなかった。こうした事態を受け、立地自治体間の情報交換を進めようと、協議会設立が持ち上がった。 設立総会は美浜町内のホテルで開かれ、四市町の首長と議長で構成する委員八人が出席。会長に今井理一高浜町長、副会長に山口治太郎美浜町長をそれぞれ選出した。事務局を高浜町に置き、各自治体の担当課長を幹事に幹事会を設ける規約などを承認した。 今井会長は「美浜原発3号機事故で安全に対する信頼が根底から覆された。プルサーマルやもんじゅ改造工事などの課題を抱え、難しい局面にある。四市町が安全を最優先にし、連携することが地域の発展と福祉向上をもたらす」とあいさつした。美浜原発3号機事故にかかわる活動などの本年度事業を決めた。幹事会は年数回程度、総会は必要に応じ開催していく。 |
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| 5人の遺族 労災申請 敦賀労基署 「業務は明白」認定へ |
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| 2004.11.5掲載 | |
| 関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で死亡した木内計測(大阪市)の作業員五人の遺族が、敦賀労働基準監督署に労災認定の申請をしたことが四日分かった。同労基署は、業務が原因で被災したことは明らかとして労災認定する方針。 同労基署によると、申請は十月以降にあり、五人の遺族が労災保険の給付を請求した。労基署は、遺族の状況などを調査して遺族補償年金や遺族補償一時金の給付を早急に決めるという。 また、大やけどを負って入院した作業員六人(四人は退院)も休業補償などを求めて労災申請し、既に認められている。 事故は八月九日、3号機のタービン建屋二階で発生。定期検査の準備をしていた作業員十一人が、破裂した天井部の配管から噴き出た高温の蒸気を浴びて大やけどを負い、うち五人が死亡した。 同事故をめぐっては、福井労働局などが十月下旬、美浜原発の安全管理体制に問題があったとして、小鍜治市造所長に対し、改善措置を講じるよう行政指導したが、労働安全衛生法違反での立件は見送っている。 |
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| 美浜3号安全確保 関電が対策を報告 県原子力安全委 |
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| 2004.11.2掲載 | |
| 県の原子力安全専門委員会(中川英之委員長)は一日開かれ、二次系配管破断事故を起こした美浜3号機の安全確保対策などについて関西電力が報告した。 十月上旬に原子炉から燃料を取り出したほか、火災報知器や誘導灯などの防災設備、照明灯やPHS設備などの建屋付帯設備を点検、補修した結果、熱水・蒸気の到達範囲はタービン建屋全域と中間・制御建屋の一部であることがあらためた確認された。 また、定期検査中の大飯原発4号機の二次系配管について千八十八カ所を肉厚測定、計算必要厚さを下回っていた主給水配管を交換した。今回の定検から肉厚測定は余寿命五年以下(従来は二年になる前)の時期に行う新管理方法を導入した。 |
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| 美浜原発に行政指導 安全管理に不備 福井労働局・敦賀労基署 4項目の改善要求 |
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| 2004.10.26掲載 | |
| 関西電力美浜原発3号機の死傷事故で、福井労働局と敦賀労働基準監督署は二十五日、同原発の小鍛治市造所長を同局に呼び、安全管理上の不備があったとして再発防止へ必要な改善措置を講じるよう行政指導した。労働安全衛生法での立件は見送った。 行政指導は、事故が一度に十一人が死傷する同局開設以来の重大災害であったことを踏まえ、同局では三例目となる局長名の文書で実施。若松光治局長が小鍛治所長に直接手渡した。 事故後、国内の原発事故では初めて設置した「重大災害対策本部」の調査では、安全衛生総括管理者である小鍛治所長の安全性委員会への出席が低調だったことや、設備管理と労働安全管理体制の相互連携が不十分だったことなどが判明。指導では▽原発内の危険個所の特定・評価とそれに基づく対策の徹底▽美浜原発のトップを中心とする適切な安全管理活動の実施▽下請け会社も含めた全体的な緊急避難訓練の実施―など四項目の改善を求めた。 事故の直接原因である二次系配管をはじめ発電設備に関する問題は、電気事業法の適用となるため、同局では労働安全衛生法に基づき調べを進めてきた。 行政指導後、会見した同局の木下麻子安全衛生課長は「安全管理体制に問題はあったものの、労働安全衛生法に対する違反はなかった」とし、同法での立件はしない方針を示した。 行政指導では、美浜原発に対して十一月末までに改善策を文書で回答することも求めた。小鍛治所長は「指導の趣旨を踏まえ、しっかりと再発防止策を講じ、実行していきたい」と述べた。 |
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| 関電若狭支社を捜索 敦賀署 配管の資料押収 |
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| 2004.9.29掲載 | |||
事故をめぐる家宅捜索は、美浜原発内にある関電事務所や点検を請け負っていた子会社日本アームの美浜作業所、同若狭営業所(大飯町)に続いて四カ所目。捜査本部は数千点に上る押収資料を分析した上で、関電が配管の点検漏れを認識した時期などの特定を急ぎ、事故を招いた刑事責任の追及を進める方針。 この日の捜索は百二十人態勢で実施した。午前八時二十五分ごろ、捜査員が次々と正面玄関から入った。支社長室や事故対策本部、県内十一基の原発を管理する発電グループのほか経理、総務グループなどの管理部門がある四階を中心に捜索。社員立ち会いの下、電子メールの記録や関係書類を段ボール箱に詰め込み夜になって運び出した。二十九日は、施設修理を担当する保修グループなどの実務部門がある三階フロアを中心に捜索する予定。 捜査本部の調べなどによると、関電は一九九○年に配管の肉厚を検査する独自の指針を策定したが、破損配管は点検リストから漏れ、運転開始から約二十八年間一度も検査されていなかった。破損個所は二次冷却水の流量計「オリフィス」の下流で、水流によって配管が大きく削られ破裂に至った可能性が高い。 日本アームは昨年四月に破損配管の点検漏れに気づき、同社の管理システムに登録したが、関電には報告しなかった。同六月に前月から行っていた定期検査の報告書を関電に提出。この中で破損配管を点検対象に追加したが、関電側は「認識はなかった」と釈明している。点検漏れの事実が日本アームから関電にどのように伝わっていたかが、責任追及の焦点となっている。 ”本丸”にメス 社員動揺 「原発城下町」の象徴ともいえる関西電力若狭支社。ついに”本丸”に及んだ強制捜査に、同社社員は口を閉じうつむき加減で出社。周辺の住民は、捜査員や報道陣が大勢詰めかけた物々しい雰囲気にも「私たちには直接関係ない」と冷めた表情をみせていた。 午前八時半ごろ、バス三台に分乗した捜査員は段ボールを抱え、慌ただしく正面から支社内へ。一方、出社してきた社員はこわばった表情をみせながら、裏口から足早に建物に入っていった。 関電によると、午前中四階フロアには社員の数を上回る捜査員がパソコンや机、引き出しの書類を手当たり次第に調べた。社員たちは一様に戸惑いの表情を浮かべながらも、捜査員の問いかけには応じていたという。 強制捜査を知った周辺住民からは「事故が起きたのは丹生の方だし、支社があるからどうということもない」(七十六歳の女性)、「てっきりこの前の強制捜査の時に入っていたのかとばかり思っていた」(七十二歳の男性)などと、冷静な言葉が聞こえてきた。 中には「町は共存ばかり口にするが、関電はあくまでも一企業。白黒をはっきりつけてほしい」と捜査の行方に注目する町民もいた。 |
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| 美浜3号運転停止命令 経産省 関電を厳重注意 |
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| 2004.9.28掲載 | |
| 美浜原発3号機の死傷事故で経済産業省は二十七日、事故調査委員会で中間報告案が了承されたことを受け、関西電力に対し、電気事業法に基づく「技術基準適合命令」を初めて適用した行政処分を下した。 同3号機に関しては破損個所と周辺設備が国の定めた技術基準に適合していることが確認されるまで運転を再開しないよう求める停止命令を出した。同電力の美浜1号、高浜3号、大飯2号の定期安全管理審査による評定では「品質保証システムが機能している」とした「B」評価を取り消し「C」に格下したほか、同社に対する国の各種検査や審査を特別に厳格に行うとする行政措置も発表した。 また、中川昭一経産相は藤洋作関電社長に「中間報告は事故の直接原因が関電の品質保証、保守管理システムの整備不十分だったことを明らかにした。再び事故を起こさないよう、問題点の根絶をはかることを強く求める」と行政指導に当たる厳重注意とし、実効的な再発防止策を年度末までに報告することも求めた。報告を踏まえ、停止解除の次期を判断。補修や定検の日程は県警捜査本部の検証を待って設定し、検査項目も厳しくなるため、運転再開は来年にずれ込む見通しだ。 「技術基準適合命令」の理由は、電気事業法に基づく技術基準(火力発電に準ずる)に照らし、美浜3号機の必要配管肉厚がA・B系とも大きく下回っていたため。基準に適合するよう補修し経産省が確認するまで、破損部周辺の給水ヒーター出口弁から脱気器までの設備の使用を禁じた。 同機は事故がなくても定検で十一月末まで運転を止める予定だったが、同省は「もともと法定点検個所でなく、保安規定が設けられたのは昨年十月で罰則適用には限界がある」と説明している。 定期安全管理審査の評定はA、B、Cの三段階で、一段階下がるごとに検査項目が一、二割増加し、審査自体も厳しくなる。制度は東京電力のトラブル隠しを受けて導入されたが、評定の再評価や格下げは初めて。 原子力安全・保安院に対しては▽主要配管などの強度が適切に維持されていることを計画的に検査するよう、省令を改正し明確化する▽配管管理指針を見直した上、国の判断基準として明確に位置付ける▽国の保安検査で事業者による二次系配管の肉厚管理を確認する―などを求めた。 事故調査委員会は、関電の保守管理体制が機能せず、三菱重工、検査会社の三者の管理ミスが事故につながったとする中間報告案に、過誤を生んだプロセスの解明が必要とする今後の対応策を盛り込み了承。朝田泰英委員長が中川経産相に報告書を提出した。 |
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| 美浜1号、交換決定 関電5基点検開始 |
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| 2004.9.14掲載 | |
| 美浜原発死傷事故に伴い計画停止した関電の第二グループの原発三基と、定期検査中の二基の配管点検が十三日始まった。事故を起こした美浜3号機を除き、県内の関電十基中半分の五基で一斉に二次系配管の肉厚測定などが点検に入ったことになる。既に配管が必要肉厚を下回ったまま運転していたことが分かっていた美浜1号については同日、実測により配管の厚さを確認、取り替え工事を行うことを決めた。 点検に入ったのは第二グループの美浜1号、高浜1号、大飯2号と、定期検査中の高浜4号、大飯3号の合計五基。県原子力安全対策課の職員六人と、県の原子力安全専門委員二人が各発電所に分かれ、点検が適切に行われているかを立ち会いで確認している。 点検対象個所は第二グループ三基で六十七カ所。定検二基が七十一カ所の計百三十八カ所。このうち美浜1号で一カ所、大飯2号で六カ所、大飯3号で1カ所については原子力安全・保安院から追加点検の指示を受けていた。 特に美浜1号は、必要肉厚を下回る減肉があったにもかかわらず、今年一月の定期検査で必要肉厚を算出する技術基準を独自に解釈して、余寿命があるとして放置していたことが分かり、第二グループの計画停止より二日前倒しして停止している。 この日の配管測定で問題となった美浜1号の配管は、必要肉厚一五・四ミリに対し、一五・二ミリと下回っていることを確認。取り替え工事を停止中に行うことを決定した。作業スケジュールや詳細はこれから詰めるという。既に配管取り替え工事のため運転再開が遅れている第一グループの美浜2号と同様に、運転再開は遅れるものとみられている。 五基の点検作業は十五日ごろまでかかり、点検結果をもとに原子力安全専門委員会で検討。その上で知事が運転再開について了承するかどうか判断する。 |
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| 日本アーム(若狭営業所)家宅捜索 敦賀署捜査本部 業過致死傷疑い |
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| 2004.9.11掲載 | |
| 十一人の死傷者を出した関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で敦賀署の捜査本部は十日、業務上過失致死傷の疑いで、配管の検査業務を請け負っていた関電子会社「日本アーム」の若狭営業所(大飯町本郷)を家宅捜索した。二次冷却系配管の点検にかかわる資料を押収。破損した配管が点検リストから漏れ、事故に至った経緯や責任の所在について捜査を進める方針。 家宅捜索は三十人態勢で実施した。同日午前九時十分ごろ、捜査員が関電本郷事務所ビル三階にある日本アームの営業所に入り、捜索に着手した。押収品は点検計画書や点検報告書など段ボール箱三十四個分。午後七時すぎに捜索を終え、敦賀署に運び込んだ。点検管理システムのデータも一部押収したものとみられる。 家宅捜索は今月四、五の両日、美浜原発構内の関電事務所と日本アーム美浜作業所に続いて三カ所目。これまでに押収した資料は数千点に上っている。今回、美浜原発の点検データを実質的に管理している日本アーム若狭営業所から資料を押収したことで、同社が昨年四月に点検漏れを知りながら、十一月まで正式に関電に伝えていなかった経緯の解明を進める。 調べでは、関電は一九九○年に配管の肉厚を点検する管理指針を策定したが、破損した配管は点検リストから漏れ、運転開始以来二十八年間、一度も検査されなかった。関電は日本アームからリスト漏れの連絡を受けながら重要視せず、今年八月の定期検査で点検を予定、約九カ月間放置した疑いが持たれている。 捜査本部は、両社が安全管理を怠ったことが配管の減肉見落としにつながり、事故を招いたとみて責任の所在を調べている。 日本アームは関電グループ会社の一つ。今年十月にグループ再編が予定されていたが、今回の事故を受け、同社だけが統合・分割への参加を見合わせている。 |
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| 美浜町会 関電社長 事故を謝罪 町民説明会の開催示唆 |
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| 2004.9.10掲載 | |
| 美浜原発死傷事故から一カ月がたった九日、関西電力の藤洋作社長が美浜町会の全員協議会で謝罪した。各議員からは「関電との信頼関係は水の泡になった」など批判が集中。藤社長は「全社を挙げて信頼回復に努めたい」とした上で今後、町民対象の説明会を定期的に開催する意向を示した。 藤社長が町議全員を前に直接謝罪するのは事故後初めて。藤社長は冒頭で十一人が死傷した事故について「美浜1号機の運転開始以来、地元美浜町にお世話になってきたにもかかわらず、迷惑をかけてしまった。安全確保はもちろん、風評被害への対応も誠実に行っていきたい」と頭を下げた。 これに対し十七人の町議全員が発言。今回の事故に加え、一九九一年に2号機で起きた蒸気発生器の細管破断事故や、MOX燃料のデータねつ造などを引き合いに出し「今回事故が起きた二次系だけでなく一次系も危ないのでは。関電社員が直接現場を管理する体制を整えるべき」などの批判や注文が相次いだ。 また「事故直後から町への情報提供が少なく、地元より県などを優先しているようにみえる」「原子力のパイオニアである美浜をあまりにもなめている」と、関電の情報伝達の在り方をただす意見もあった。 藤社長は「破損配管が点検項目から漏れていたのは、結果として当社に重大な責任がある」と重ねて謝罪。地元対応の一つとして「事故後に地元丹生地区の会合に初めて参加した際、貴重な意見が聞けた。今後、町民の声を直接聞く場を設置するよう検討したい」と述べた。 |
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| 美浜原発事故1カ月 原因究明なお時間 |
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| 2004.9.9掲載 | |||||
| 定期検査の準備中に高温の蒸気を浴び、作業員十一人が死傷した関西電力美浜原発3号機事故から九日で一カ月を迎えた。 県警は四日の同原発への家宅捜索以降、捜査は本格化し、事故と関電の管理体制との因果関係などについて捜査を進めていく構えだ。一方、切り出した破損配管の調査は東海村の日本原子力研究所(原研)で始まったが、破損に至った原因やメカニズムの解析にはまだ時間がかかる見通し。 事故をきっかけに関電が行っている県内原発十一基の順次停止による点検は、第一グループのうち高浜2号、大飯4号で終了し運転を再開。停止した第二グループ(美浜1号、高浜1号、大飯2号)は、近く点検作業に入る。
捜査本部 関電「点検漏れ認識せず」 押収資料1万点超 長期化は必至 関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で、敦賀署の捜査本部が立ち上がって九日で一カ月。捜査本部では破損配管が点検リストから漏れ、一度も検査されていなかったことが事故の背景とみている。関電側は事情聴取に「事故前にリスト漏れを認識していなかった」と供述しており、破損の危険性を予見できたかどうかが立件を進める上で最大の焦点となっている。押収資料は「最終的に一万点を超す見通し」(捜査関係者)で、過去に例がない膨大な量。年単位の長期化は必至の情勢だ。 捜査本部では事故翌日から、業務上過失致死傷容疑でタービン建屋の現場検証を行うとともに、関係者の事情聴取に着手。八月下旬に県内各署の捜査員を招集し、総勢百人を超える陣容を整えた。四日には同発電所などの家宅捜索を実施したほか、早ければ今月半ばにも関電若狭支社を家宅捜索する方針。 問題の配管はプラントメーカーの三菱重工業が作成した点検リストから漏れ、運転開始以来一度も検査されずに放置されていた。関電子会社の日本アームは「昨年十一月にリスト漏れを関電側に通知した」としているが、関電は「初めて点検する個所とは伝えられなかった」とするなど、あいまいな点もある。 リスト漏れを事故前に知っていたかどうかという点は、事故の予見性の認識の有無に大きくかかわってくる。捜査幹部の一人は「事件の筋として『検査が必要なのについつい放置してしまった』というのが一番分かりやすい」と指摘。リスト漏れの情報が関係者の間でどのように扱われ、結果的に対策を取らなかった責任がどこにあるのかを詳細に調べている。 さらに、破損した配管には高温高圧の熱水が流れているだけに「日ごろから危険がないようにする注意義務を怠った」(別の捜査関係者)という見方もあり、容疑立証に向けた”切り口”は現時点で流動的という。 関電本店は、配管の検査体制について「現場に任せている」との発言に終始。捜査関係者も「実際のところ、細かな部分まで把握していないようだ」とみており、京福電車正面衝突事故のときと同じように上層部の過失を問うのは困難な見通し。ただ、二次系とはいえ極めて危険性の高い施設の管理が、子会社や現場だけに委ねられていたという管理体制の甘さは、捜査の過程でも浮き彫りとなっている。 発電所などに対する家宅捜索では、四千点を超す文書を押収。今後予定する家宅捜索分を含めると、分析には気の遠くなるような期間がかかる。また「方向を定めて分析を進めなければ、むやみに時間がかかってしまう」(捜査関係者)だけに、かじ取りの難しさもある。 福井労働局 行政指導視野に調査 県内の労働災害を管轄する厚生労働省福井労働局は、美浜原発事故を近年では国内最大級の労働災害と位置付け、一刻も早い再発防止策の構築を目指している。関西電力への行政指導などを視野に入れ、管理体制が適正だったかなど事故の詳しい調査を進めている。 福井労働局では、事故発生日の九日に、原発史上初めてとなる「重大災害対策本部」を二十六人態勢で立ち上げた。敦賀労基署には十一人態勢の「現地対策本部」を設置し、美浜発電所などに職員を派遣している。安全管理に欠かせない情報伝達や指揮系統が、関電を頂点とする下請けの”ピラミッド構造”の中で有効に機能していたのかも含め、各方面から情報を収集している。 労働安全衛生法に基づく関電や元請け、下請け業者の送検の可能性については、優先する電気事業法や県警の捜査の動向も踏まえ、慎重に見極めている。 また同法に基づき、適正な改善を求める行政指導について、同局安全衛生課は当初「他の多くの発電所が稼働している現状があるだけに、一刻も早い再発防止策を講じる必要がある」との意気込みを示していた。しかし原発事故というまれなケースであり、司法措置の行方も絡むだけに慎重な姿勢を見せている。 ■知事インタビュー 2次系 国の関与強化を 明確な指針必要 安全の原点立ち返れ 原子力への信頼を大きく揺るがせ、運転中の原発を順次止めて点検させるという異例の事態を招いた美浜原発死傷事故から一カ月。問題点がどこにあり、再発防止にどう取り組むか、西川知事に聞いた。 ―今回の事故をどう受け止めるか。
「全く想像がつかないとか、原因が分からないといった事故ではなく、回避できる機会と時間があった。にもかかわらずチェックをすり抜けた。米国で同じ事故の例があって管理指針を設けたのに、その点検対象から漏れた。管理体制、責任感が欠如していて、長い間築いてきた原子力に対する信頼を根底から覆した。書類上の安全管理に信頼が置けないから、原発を止めて配管の点検を要請する結果となった」 ―二次系に対する安全意識、管理の甘さが浮き彫りになっているが。 「二次系設備の点検を事業者任せにしている今の仕組みのままでいいのか。減肉が進んで残り寿命の少ない配管に特例を適用したり、同一仕様の配管がある場合は対象から除いたりと、配管の健全性を判断する基準が統一的でない。国が明確な指針をつくり関与を強化すべきだ」 「一次系はなぜ何重にも制御して放射能を管理しているのか、よく考えてみればいい。住民や作業員の生命の安全確保が根本にあるからで、二次系だって同じ。安全を軽くみる考えは改めるべきだ。事業者の責任もあるし、国の監督にも問題があった」 ―関電や国に対し抜本的な再発防止策、安全管理体制をどう求めていくか。 「関電には安全管理のシステムを基本から見直してもらわないといけない。組織として原子力の立地地域をもっと重視すべきだ。会社の命運にかかわる事故がそこで起きており、遠い場所でなく、現場で迅速かつ責任ある対応ができる態勢を求めたい」 「原子力安全・保安院や原子力安全委員会による国の規制も、しっかりした体制になっているのか分かりにくい。事故調査委員会にしても独立性が持てるのか。納得がいく十分な体制ができないなら再発防止策としては問題がある」 「本県の観光や産業施策、さらには重要プロジェクトに対して、原発事故が社会的にも政治的にも地域にどれだけ大きな影響を与えるのか、深く厳しく再認識してもらわないと。電力自由化やコスト主義の考えが無原則的に入ってきているのだとしたら、国に対し原子力は、いかに安全面で細心の注意と相当のコストがかかるかをあらためて訴える必要がある」 ―プルサーマルや高速増殖炉「もんじゅ」で判断や手続きの保留姿勢を示しているが。 「歴史を積み重ね、技術的に成熟したと思われた商業炉で安全上の大きな問題が起きた。今やるべき安全対策ができていない以上、次の課題への取り組みは難しい。事業者に判断を任せるという意味ではなく、進められる環境にあるのか自ら厳しく問い直すべきだ」 町民の不安解消条件 美浜町長 「断固たる態度で」 美浜原発3号機の死傷事故を受け関西電力が運転を停止し点検している同1、2号機について、八日開会した美浜町会で山口治太郎町長は「関電への対応については断固たる態度で臨みたい」と説明。町民に十分な説明が行われ不安が解消されない限り、運転再開は了承できないとの見解を示した。 事故後の配管点検で停止されていた第一グループ三基のうち高浜2号、大飯4号は運転再開を了承された。しかし、美浜2号は、保安院の追加調査で余寿命の短い配管二カ所が見つかったため、取り換え作業が進められている上、美浜1号は第二グループで点検を受ける予定となっている。 こうした状況を踏まえ、山口町長の議会冒頭発言となったもので、議会散会後、同町長は取材に対し「断固たる態度」は「国や県の技術的な評価や判断が下っても、地元の不安は残る。原子力安全・保安院や県の原子力安全専門委の報告で技術的に大丈夫となっても、区長会や町原子力監視委、町議会などの意見を聞いた上で態度を決めたい」との解釈を示した。 事故後に配管点検を受けた原発の運転再開については、経済産業省が原子力安全・保安院の検証結果に加え、県や地元自治体の意見を基に判断。これに対し、事故が起きた立地自治体の立場として、関電の安全管理体制にあらためてクギを刺した格好だ。 |
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| 悪夢と格闘、社会復帰へ 負傷の4人 順調に回復 県内病院 自力で食事、リハビリも |
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| 2004.9.9掲載 | |||||
| 美浜原発蒸気噴出事故でやけどを負い、現在も県内の病院に入院している四人は順調に回復している。集中治療室(ICU)から一般病棟に移ってリハビリを始めた負傷者や、退院が近い人もおり、社会復帰に向けて新たな段階に入っているようだ。 タービン建屋で作業中、高温高圧の蒸気を浴びた「木内計測」の社員七人が病院に運ばれた。各病院では壊死(えし)した皮膚から細菌に感染しないように抗生物質を投与したり、ろ過透析、むくみをおさえる治療などを行ってきた。重体患者を受け入れた福井大付属病院では、事故後に熱傷用ベッドを導入した。 懸命の治療もむなしく、重体の亀窟勝さん(30)=小浜市水取一丁目=が、事故発生から十七日目の今月二十五日に死亡した。一方、症状の軽かった二人は実家に近い県外の病院に転院した。 残り四人のうち、二度の熱傷が体表面の70%に達し、気道にも重症のやけどを負って県立病院に収容された愛甲将樹さん(29)=小浜市千種二丁目=は、依然としてICUなどで治療が続いているようだ。意識が戻り、簡単な食事も取った時期もあったらしいが、病院では継続して慎重な治療に当たっている。 福井大医学部付属病院の宇敷邦夫さん(46)=上中町井ノ口=は、愛甲さんと同程度のやけどを負い、二度の皮膚移植を受けた。 一週間前から一般病棟に移り、リハビリを行えるまでに回復。日常会話もでき、食事も自分で取れるようになったという。 福井赤十字病院の岡田真一さん(43)=小浜市南川町=は、約一週間前からリハビリを始めた。体の背後に熱傷を負い、当初は皮膚移植が検討されたが、回復したため移植は行っていない。 比較的やけどが軽いとされる小矢淳平さん(23)=美浜町丹生=は、市立敦賀病院の皮膚科から整形外科での治療に移行、リハビリに励んでいる。病院関係者は「退院は遠くはない」という。 ただ、四人の中には事故のショックや同僚を失ったことで精神的に落ち込んだ人もおり、精神科の医師らがケアに当たっている。 |
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| 惨劇語る 噴出現場 美浜3号、報道陣に公開 | |||
| 2004.9.8掲載 | |||
現場では十気圧、八百トンもの冷却水が蒸気となって一気に噴き出した。縦四十メートル、横百三メートルのフロア内には、配管の断熱材の破片が無数に散乱。頭上を走る配管群の中には、表面を保護するアルミ材がはがれて垂れ下がった部分もあり、噴出の衝撃の大きさをうかがわせていた。 破損した二次系配管は敦賀署捜査本部の鑑定のため、長さ五・八メートルにわたって切り出され、切り口は布で覆われていた。そのほぼ真下には木内計測の作業場。テーブルには作業に使っていた懐中電灯や軍手、カッターナイフなどの工具類が煩雑に置かれていた。 亡くなった同社作業員が倒れていたのはいずれも西側の壁際で、三人は破損配管付近で、一人は数メートル隔てた場所で見つかった。近くには蒸気の熱を浴びてぐにゃぐにゃになったカラーコーン。救出に向かった作業員が床に満ちた熱湯を避けようと、足場用に倒した区画柵が折り重なっていた。 現場の献花台には犠牲となった五人分の花とともに日本酒やたばこなどが供えられていた。四十九日を迎えるまで飾ることにしている。 |
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| 献花 タービン建屋2階の配管破損部の近くには、 亡くなった5人のめい福を祈る花が今も供えられ ている(図(4)) |
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| 配美浜原発を家宅捜索 関電の刑事責任追及へ 敦賀署 業過致死傷疑い | |||
| 2004.9.5掲載 | |||
国内の原子力施設では、高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ(一九九五年)や東海再処理工場火災・爆発(九七年)、JCO臨界被ばく(九九年)など、実験炉や核燃料施設の事故で関係者の刑事責任が問われた例はあるが、商業用原発では極めて異例。 事故は八月九日午後三時二十分ごろ発生。タービン建屋二階の二次冷却系配管が破裂して高温の蒸気が噴出。定期検査の準備作業をしていた木内計測若狭支社(小浜市)の社員十一人が蒸気や熱水で重いやけどを負い、うち五人が死亡した。 家宅捜索は百五十人態勢で実施した。美浜町丹生の発電所には同日午前七時四十五分、捜査員を乗せたバスやトラックなど計八台が次々と入構し家宅捜索に着手した。主な捜索先は関電事務所内の機械保修課などで、破損した配管の点検計画にかかわる内部資料などを押収したとみられる。 捜査本部の調べなどによると、関電は九○年に配管の肉厚を検査する独自の管理指針を策定したが、破損した配管は点検リストから漏れ、運転開始から約二十八年間、一度も検査が行われていなかった。当初十ミリあった配管の肉厚は、事故後の調査で最も薄い部分が○・六ミリになっていた。破損個所は二次冷却水の流量計「オリフィス」の下流で、水流によって配管が大きく削られ、破裂に至った可能性が高い。 捜査本部では、事故は関電などが安全管理を怠ったことが原因と判断。過失責任を立証するため家宅捜索に踏み切った。 関電子会社の日本アームは昨年四月、破損配管が点検リストから漏れていることを発見。同十一月、関電担当者に指摘したが、点検は今年八月の定期検査に実施することとし、九カ月間放置された。捜査本部は押収した資料を分析し▽破損個所がなぜ点検リストから漏れたのか▽いつの時点で事故回避策が講じられるべきだったか▽危険を回避する注意義務を怠っていなかったか―などについて調べる。 捜査に全面協力 関西電力の話 福井県警による捜査には全面的に協力する。今回の事故を重く受け止め、全容解明に向け鋭意調査を進め、再発防止に最大限の努力をする。 点検漏れ放置 解明カギ 関西電力美浜原発3号機事故の捜査は、家宅捜索という大きな一歩を踏み出した。事故原因とみられる配管の検査漏れをめぐり、ネコの目のように変わった関電側の説明。真実はどうなのか―。一年がかりともいわれる責任追及へ、内部資料の綿密な解析がカギを握る。 捜査本部では、破損配管が点検リストから漏れたことで、検査が一度もされなかったことを重視。これまで一カ月近い捜査で、関電側が事故以前に子会社の「日本アーム」から検査漏れの事実を確認しながら放置し、事故につながったという過失が濃厚と判断した。 「誰が」「いつ」検査漏れを認識し、放置したのかが捜査の焦点となり、四日の家宅捜索で押収した資料の分析にめどがつき次第、続けざまに関電若狭支社の捜索に着手する方針だ。 今回のように週末に会社の家宅捜索に着手するのは、立会人を求める必要性から普通は避けがちだ。しかし県警本部、県内各署から約百五十人という多数の捜査員をかき集めるため「土、日曜にやらざるを得なかった」(捜査関係者)。”奇策”の裏側には、捜査の困難さ、事件の複雑さがにじんでいる。 破損配管の点検リスト漏れをめぐっては、関電は当初、昨年十一月に日本アームから知らされ、事故後約九カ月間にわたって放置していたことを認めた。しかしその後「事故が起きるまで点検漏れとは知らなかった」と説明を一転。配管の点検についても「発電所内部で判断すべきこと」としている。 過失責任追及の捜査が、どれだけ上層部に食い込めるか。責任逃れともみえる関電の姿勢がにじむだけに、司法による解明が待たれる。 |
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| 配管切り出し着手 敦賀署 減肉原因分析へ | |||
| 2004.9.3掲載 | |||
タービン建屋二階の破損部周辺の現場検証は終盤を迎えており、捜査本部はこれに合わせて配管の切断を始めた。 これまでの調べでは、配管は水の流れが絞られる流量計「オリフィス」の約五十センチ下流で破損したが、本来十ミリあった肉厚は破損部のさらに下流側でも大きく削られていたことが分かっている。このため、切り出すのはオリフィス部や破損部を含めて数メートルの長さにわたるとみられる。 解析は経済産業省原子力安全・保安院と合同で実施。配管を日本原子力研究所(茨城県東海村)に持ち込み、福井大工学部教授ら外部の専門家が、詳細な測定や再現シミュレーションによる水の流動解析、減肉の原因とされるエロージョン(壊食)・コロージョン(腐食)の分析に当たる。 一方、破損した配管は定期検査の点検リストから漏れ、運転開始以来二十八年間一度も点検されていなかったことが明らかになっている。捜査本部では管理体制に問題があったとみて関係者の事情聴取を進めており、業務上過失致死傷容疑の立件に向け、近く関電若狭支社など関係先の家宅捜索にも踏み切る見通し。 県警が配管の切り出し作業に入ったことについて、経済産業省原子力安全・保安院の松永和夫院長は「あくまで県警の捜査が主になるが、事故原因究明のためには配管を実際に見て解析しなければならない。捜査の妨害にならないよう県警の要請に応じながら、調査を行いたい」と話した。 しっかり調査を 西川知事の話 司法の立場でしっかり調査をして、県民の信頼に応えてもらいたい。 |
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| 再発防止へ配管保守監視 2次系、重点検査項目に 停止3基の点検適切 保安院長、知事に説明 |
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| 2004.9.3掲載 | |
| 関西電力が運転停止し点検を行っている第一グループの美浜2号、大飯4号、高浜2号の三基の点検結果の検証状況について西川知事は二日、原子力安全・保安院の松永和夫院長から説明を受けた。松永院長は三基について「必要な点検が終了した」とした上で、今後の対応について、二次系配管の点検状況の検査を、保安院が実施する次回保安検査の重点検査項目にすることを明らかにした。 保安検査は保安院創設と同時に設けられた制度で年に四回、全事業所の原発で行われている。松永院長は今月から実施される検査で「二次系配管が管理指針に沿って点検が行われているかどうかの実施状況を重点検査項目にし、全事業者の保守活動を確認する」と言明。さらに本県内原発の検査については「検査官の現地指導を行う特別検査指導官を張り付け、手厚い検査体制にする」と述べた。 また松永院長は関電から提出された全原発の二次系配管の点検状況の報告について確認を終えたことを報告した。第一グループについて「適切な方法で点検が行われていることを確認した」と、運転再開に必要な点検は終了したとの認識を示し、続く第二、第三グループも「事業者や県と協議し検査官立ち会いで点検状況を確認していく」との考えを説明した。 これに対し西川知事は「保安院の取り組みは承った。県民の不安をぬぐうため、一刻も早い原因究明と再発防止策を明らかにしてほしい」と要請した。 松永院長は「原因究明の中間結論をできるだけ早く出したい」と答え、今後二回の事故調査委員会を開き、切り出し作業に着手した美浜原発3号破損配管の解析などをもとに、中間報告をとりまとめたい考え。 運転再開 知事きょうにも関電社長と面談 西川知事は二日、経済産業省原子力安全・保安院の松永院長から関電美浜原発死傷事故への取り組み状況の説明を受けた後、取材に対し、第一グループの運転再開について「国と協議した上で関電側から地元に話があるのではないか」と話し「関電の責任ある立場の人から話を聞かないといけない」とし、関電の藤洋作社長と三日にも面談、要請を受けた上で判断する考えを示した。 西川知事は県が独自に設置した原子力安全専門委員会から三十一日に、第一グループのうち配管取り替えが必要な美浜2号を除き高浜2号、大飯4号については「点検が適切に実施されている」との結論の報告を受けており、原子力規制当局の松永院長から取り組みの説明を受け、判断材料にする考えを示していた。 事業者である関電から説明を受ける必要があるとし「責任ある立場の人から話を聞き問題がなければ、(第一グループを稼働し第二グループの点検を行う)次の段階ということになる。立地町も同じ考えだと思う」と話した。 |
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| 美浜原発事故・点検漏れ チェック機能なかった 衆院委招致 関電社長認める |
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| 2004.9.1掲載 | |||
衆院事務局によると、原発関連事故で企業トップが参考人招致されるのは、一九九九年に二人が死亡した茨城県東海村の核燃料加工会社、JCO東海事業所の臨界事故以来。 委員会冒頭、事故で犠牲になった五人の作業員のめい福を祈り、全員で黙とう。藤社長も冒頭発言で「五人もの尊い命が失われ、六人の方が重傷を負う極めて重大な事故を起こし、深くおわびしたい」と謝罪した。現時点で自身の進退には言及しなかった。 今後の対策について「配管の健全性が確認され、協力会社と地元の理解が得られるまで、定期点検前には準備作業は行わない」と説明。地元対策で「風評被害など地元の悩み、不安は真しに受け止め、若狭の観光PRなどを誠実に対応したい」と話した。 また、県内に技術系役員を常駐させるほか、有識者による原子力評価検討委員会を設置し、再発防止策を検討することも明言した。 事故の認識を聞かれた中川昭一経産相は「被害の大きさを考えると、一次、二次に関係なく3号機の重大事故と受け止めないといけない。監督する国の立場も極めて重い」との認識を示した。 その上で「西川知事から二次系設備に国の管理指針を示すことなど要請を受けた。地元の声を踏まえ、効果的対策を打ち出すよう指示した」と述べた。松永和夫原子力安全・保安院長も「国の関与が今のままでよいか検証する必要がある」と話した。 |
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| 関電社長参考人招致 「初回点検 指摘なし」 昨年11月リストまた否定 |
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| 2004.9.1掲載 | |
| 美浜原発3号機事故で今回破損した二次系配管が、点検リストから漏れていたと関西電力が認識したのはいつか。三十一日の衆院経済産業委員会に参考人として招致された藤洋作社長は、子会社から昨年十一月に提案された配管点検計画には「(破損個所が)初めて検査対象との指摘はなかった」と述べ、関電として破損の危険性を事前に予見できる立場になかったとの認識を示した。 破損した配管に関しては関電が検査を委託した子会社の日本アーム(大阪市)が昨年四月、検査台帳から漏れていたことに気付き、次期定検で対象とする計画書を昨年十一月に関電に提出。しかし、関電は「リスト漏れの説明は受けていない。漏れを認識したのは事故後」と説明していた。 一方、二十日に開かれた原子力安全委員会の事故検討分科会で関電幹部は、十一月に届いた計画書の中に、過去に点検した実績がなく「初回点検」と分かる記載があったと認めている。 藤社長は委員会で「日本アームから昨年十一月、四百二十カ所の測定計画が提案されたが、(破損個所が)初めて検査対象になった旨の指摘はなかった。このため漏れていたとの認識を持たず、事故回避の対応を逸した」と述べた。 関電側の事故の予見性は、業務上過失致死傷の疑いで捜査に着手した県警が立件の重要なポイントとみている。 参考人質疑のやりとり 衆院経済産業委員会の参考人質疑の主なやりとり。 松島みどり氏(自民) 関西電力の事故に対する責任は。 藤洋作関西電力社長 重大な責任を痛感している。五人の尊い命が失われ深くおわびしたい。 松島氏 今回は原子力事故ではなく原子力発電所で起きた産業事故ではないか。 中川昭一経済産業相 厳密に言えばそうだが、監督する立場としては、美浜3号機の重大な事故として認識している。 斉藤鉄夫氏(公明) 今回の事故で原子力災害特別措置法が生きなかったのではないか。 松永和夫原子力安全・保安院長 原子炉は安全に停止し、放射能の外部流出と環境への影響はなく、同法の適用の対象外だった。 斉藤氏 なぜ一次系配管の減肉は起きないか。 辻倉米蔵関西電力取締役 二次系配管は炭素鋼を使うが、一次系は耐食性が高いクロムを含んだステンレスを使用している。 吉田治氏(民主) 定期点検の前に現場で作業をする事前準備は、昔からやっていたのか。 岸田哲二関西電力副社長 点検の安全性を確保し効率を良くするため、ずっとやっていた。 吉田氏 次回は(秋山喜久)会長にもお越しいただきたい。 田中慶秋氏(民主) 経営トップの秋山会長が出席していないし減俸の対象にもなっていない。 藤氏 業務の執行統括責任者である私が全責任をもって対処している。 塩川鉄也氏(共産) 関西電力の修繕費だけがピーク時から半分近くに減っている。事故は安全軽視、コスト優先の結果ではないか。 藤氏 以前に大きな修繕が集中した結果で、安全軽視ではない。 秋山会長の進退波及も 衆院委で追及の声 美浜原発死傷事故の責任を取って、関西電力の藤洋作社長だけでなく、秋山喜久会長も進退を問われる可能性が出てきた。 藤社長が参考人招致された八月三十一日の衆院経済産業委員会では、会長の責任を追及する声が上がり、福井県警による強制捜査も確実な情勢。五人死亡という国内原発最悪の事故に加え、新たな点検漏れも次々と明らかになり、責任論は経営に深くかかわる会長にまで及びそうな勢いだ。 委員会では、各電力会社が通常、社長名で出す年頭所感を関電は会長名で出していることを例に挙げ、会長を「実質上の経営トップ」として参考人招致を求める意見が出た。民主党の田中慶秋氏は「(減給処分となった藤社長に比べ)秋山会長は処分対象にさえなっていない」と批判した。 藤社長は「業務の執行統括は私が全責任を持っている」と答えたが「関電では会長が経営判断に深くかかわっており、責任は免れない」との指摘は地元企業からも出ている。 |
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| 死傷事故・美浜3号の点検担当 日本アーム 再編凍結 「社会的責任果たしたい」 |
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| 2004.8.31掲載 | |
| 美浜原発3号機の死傷事故で、破損した二次系配管の点検業務を請け負っていた関西電力の子会社「日本アーム」(大阪市)が、十月に予定されている関電の協力会社同士の統合・分割に当分の間、参加しない方針を決めていたことが三十日分かった。同社は「事故の社会的責任を果たすため」としている。県警の捜査は長期化が予想されており、今後の再編計画のめどは立っていない。 関電は電力自由化などに対応するため、事故前の今年七月、協力会社二十九社を十二社に再編すると発表していた。計画では十月一日に関連各社を機能別に分割・統合。日本アームは原子力や火力など三社に分割される予定だった。しかし、八月九日に点検業務を請け負っていた美浜3号機のタービン建屋内で、十一人の死傷者を出す事故が発生。破損した配管が過去の点検リストから漏れていたことが判明した。 事故を受け同社は八月十九日の役員会で、翌日に開く予定だった緊急株主総会の中止を決定。当分の間、分割・統合に参加せず、手続きを凍結することにした。同社の広報担当者は「事故の重大さを考慮し、社会的責任を果たすため。事故にかかわる調査や、県警の捜査などが一段落するまで、今後のめどは立たたない」としている。 関電若狭支社によると、日本アーム以外の協力会社は予定通り、十月一日に再編する見通しだという。 日本アームは一九九六年、配管の検査業務を三菱重工から引き継ぎ、昨年四月に配管の点検リスト漏れを発見した。しかし、関電は同社からリスト漏れを指摘されたのは同十一月で「緊急性を認識しうる内容ではなかった」と主張している。 業務上過失致死傷容疑での立件を目指す敦賀署の捜査本部では▽破損個所がなぜ点検リストから漏れたのか▽いつの時点で事故回避策が講じられるべきだったか―などをポイントに、日本アームや関電関係者の責任の所在を調べている。 |
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| 県内各署から捜査員 捜査本部きょう招集 異例の態勢強化 |
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| 2004.8.30掲載 | |
| 関西電力美浜原発3号機の死傷事故で、業務上過失致死傷容疑での立件に向けた捜査を進めている敦賀署の捜査本部は三十日、県内各署の一線捜査員を招集して陣容を強化する。関西電力など関係先への家宅捜索を視野に入れるほか、捜査の長期化に備えた異例の措置。陣容が整い次第、事故原因の究明や責任追及に向けた本格的な捜査に入る。 捜査本部はこれまでに、数十人態勢で事故現場のタービン建屋内を現場検証。並行して関電関係者や、二次系配管の点検業務を請け負っていた下請け会社の担当者、被災した木内計測社員らから任意で事情聴取を行い、十一人が死傷した事故状況や配管の保守点検実態などを調べてきた。 これまでの捜査で、破損配管は一九七六年の運転開始から一度も点検されておらず、点検の必要性を指摘した子会社などの情報が生かされていなかったことが判明している。捜査は、今回の事故が予見できたかどうかをはじめ▽予見できたとしたら、誰がいつの時点で事故を回避する措置を取らねばならなかったか▽なぜそうした措置が取られず、今回の事故を招いたか―などの解明が焦点となっている。 捜査本部では事故が原発という特殊な施設内で起きた上、立件に向けては関電を頂点とする複雑な下請け構造の中で、相当数に上る関係者への事情聴取や資料押収による綿密な立証が必要と判断。既に県警各課から動員している捜査員に加え、県内各署から数人ずつの捜査員を招集し、態勢を強化することにしたとみられる。三十日の招集以降、家宅捜索に踏み切る時期を慎重に見極める。 また、経済産業省原子力安全・保安院とともに近く破損配管を切り出して押収。外部に依頼して詳細な解析を行い、破損に至ったメカニズムを解明する。 県警が業務上過失致死容疑での立件を目指し、複数個所を家宅捜査したケースとしては、京福電鉄の正面衝突事故(二○○○年十二月)がある。 |
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| 亀窟さん葬儀 300人めい福祈る | |||
| 2004.8.29掲載 | |||
関西電力美浜原発事故で犠牲になった木内計測社員、亀窟(かめいわ)勝さん(30)=小浜市水取一丁目=の葬儀が二十八日、敦賀市内の式場で営まれた。遺族や同僚、故郷の徳島県の友人ら約三百人が参列。亀窟さんの無念の死を悼み、めい福を祈った。
弔辞の中で、木内計測の青木達也美浜営業所長は「救援所で大きな声で呼び掛けると、亀ちゃんはうなずいてくれた」と事故当時を振り返り、「よう頑張ったな。もう痛みもないからゆっくり休んでください」と遺影を見詰めた。 亀窟さんから事故前、お盆に帰郷するという連絡をもらっていた徳島県の友人、多田直樹さんは「(今年五月に生まれた)娘の菜月ちゃんを連れてきてくれるはずだった」と声を詰まらせた。 遺族を代表して兄の信行さん(31)があいさつし「あまりに突然の事故で家族はその現実を受け止めることができません。今後二度とこのような事故が起きないことを願います」と涙声を振り絞った。 式には関西電力の藤洋作社長も参列。報道陣に囲まれ、「心の中で二度とこんなことは起こしませんと申しました。五人もの方が亡くなり大変なことを起こした」と手を合わせていた。 |
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| 美浜2号でも配管減肉 火力基準適用、交換へ 保安院指摘 | |
| 2004.8.28掲載 | |
| 関西電力は二十七日の原子力安全専門委員会で、全原発で実施している配管の減肉調査の中で、美浜原発2号の二次系配管に安全基準を超えて減肉が進んでいる個所が一カ所あり、原子力安全・保安院から指摘を受け交換することにしていることを明らかにした。 見つかったのは美浜原発2号の炭素鋼製の主給水配管で、必要な肉厚が一七・五ミリであるのに対し、前回(昨年九月の定検)でこの厚さに達し、今月二十四日の測定で一七・四ミリと下回っていた。 関電によると同配管は火力発電所の設備と同じ基準のため、火力で使われている余寿命の計算方法を適用。最高使用圧力や最高使用温度を超える運転時間が一年のうち1%以下の場合は、計算に必要な引っ張り応力の数値を一・二倍で計算することができる。この方法を使うと余寿命が延び、計算上で必要肉厚は一五・八七ミリとなるため、関電では二十三日に今回の測定数値(一七・四ミリ)は「必要厚さを満足していた」と発表していた。 原子力安全・保安院が、関電から十八日に出された全原発の「配管の点検状況に関する報告」の調査結果が妥当かどうかを確認するため追加点検する中で分かった。同保安院から「定格出力で運転を続けている原発に火力設備のような状況を適用するのは不適切」と指摘されたという。 関電では今回の停止中に取り替え補修を行う予定。また同様に計算すると同配管近くの高圧排気管で必要な厚さはあるものの、余寿命が一年を下回る個所があるため同様に交換工事を行う。 県庁で記者会見した岸田哲二副社長は「既に事故を起こしてしまっている。保安院から言われたからというより、余寿命が短いものは取り替え、慎重に対応した方がいいと判断した」と話した。 また工期について森中郁雄原子力発電部長は「どれくらいかかるかはこれから検討する」と述べた。 |
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| 重体の男性が死亡 美浜原発事故 犠牲5人に | |
| 2004.8.26掲載 | |
| 関西電力美浜原発3号機で十一人が死傷した配管破損事故で、高温の蒸気で全身にやけどを負い重体となっていた木内計測社員、亀窟(かめいわ)勝(まさる)さん(30)=小浜市水取一丁目=が二十五日夕、入院先の福井大付属病院で死亡した。同事故では国内の原発史上最悪となる四人が既に亡くなっており、発生から十七日目で死者は計五人となった。 同病院によると、死因は重度の熱傷による多臓器不全。同日午後五時十五分に死亡が確認された。 事故は九日午後三時半ごろ、3号機タービン建屋の二階フロアで二次冷却水の配管が破裂。定期検査の準備作業をしていた木内計測の社員十一人が、噴き出した高温の蒸気を浴びてやけどを負った。そのうち四人は蒸気を吸い込み気管に熱傷を負うなどほぼ即死の状態だった。亀窟さんら残る七人が入院し、うち一人は退院している。 亀窟さんは同社若狭支社の美浜営業所技術員。配管の弁を分解する作業の責任者を務めており事故当時、現場に資材などを運び込んでいたらしい。噴出した高温の蒸気を浴びた直後、自力で現場付近から逃げたとみられているが、既に全身の89%の大やけどを負っていた。事故当日、市立敦賀病院から福井大付属病院に転送され、集中治療室へ。血小板減少に対する輸血治療や、皮膚の移植手術などを受けたものの容体は回復しなかった。亀窟さんには、五月に長女が生まれたばかりだった。 県警敦賀署の捜査本部では事故直後から現場検証を実施、関係者の事情聴取を行っている。配管が点検リストから漏れ、一度も肉厚検査が行われなかったのが事故を招いたとみて、業務上過失致死傷容疑での立件を目指し、関連施設を家宅捜索する準備を進めている。厚生労働省福井労働局も労働安全衛生法などに基づき、関電本体の管理責任を追及する調査に入っている。 家族の祈り届かず 今年5月長女誕生 「あまりにむごい」 関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で重体だった木内計測若狭支社社員の亀窟(かめいわ)勝さん(30)=小浜市水取一丁目=が二十五日、家族や同僚らの祈りもむなしく力尽きた。上中町日笠にある亀窟さんの妻、真樹さん(30)の実家で、二週間余り留守を守っていた義姉(36)や近所の住民は「赤ちゃんが生まれたばかりなのに、あまりにむごい」と、深い悲しみに暮れた。(1面に本記) 職場で知り合った真樹さんと二○○一年十二月に結婚し、今年五月に第一子、長女の菜月ちゃんが生まれた。亀窟さんは菜月ちゃんと一緒に風呂に入るのが楽しみだったようで、仕事で帰りが遅くなるときは「お風呂入れるから待ってて」と真樹さんに電話することもあったという。事故直後、真樹さんは菜月ちゃんを抱えたまま病院に駆けつけ、集中治療室で横たわる亀窟さんを二十四時間見守り続けた。 亀窟さんが亡くなった同日夜、真樹さんの両親たちも病院に出かけ、上中町の実家はひっそりとしたまま。義姉は「麻酔で眠っていたときも、話しかけると反応があると聞いていた。義妹はそれを望みに頑張っていたのに…」と沈んだ様子で話した。 真樹さんを幼いころから知っているという近所の女性(67)は「赤ちゃんはお父さんにそっくりやと聞いていた。順調に回復しているとばかり思っていたが、こんなことになって。真樹ちゃんがかわいそう」と言葉を詰まらせていた。 |
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| 停止点検第1陣が終了 運転再開判断 県に主導権 専門委で安全性確認へ |
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| 2004.8.26掲載 | |
| 美浜原発死傷事故に伴い運転を停止して類似配管の点検を行っている関西電力の原発の運転再開が焦点となってきた。関電は近く三基の点検結果を原子力安全・保安院や県に報告するとみられる。国によるチェックに加え、県は独自の安全専門委員会の意見も踏まえて安全性が担保されているか判断する方針。三基の運転再開が了承されれば第二グループの三基を停止して点検に入ることになる。県は並行して二次系設備への国の規制強化を求めるため、二十七日に西川知事が経済産業省などに要請する。 未検査だった配管が減肉、破損した事態を重くみた県は「安全・安心の前提が崩れた」として関電に全原発を止めて順次点検するよう要請した。関電は稼働中の八基を三グループに分け、第一陣の美浜2号、高浜2号、大飯4号を停止。破損配管と同じ位置のオリフィス(流量計)下流部や、他系統の類似個所を点検していた。 県には運転停止を求める法的な根拠はないが、原子力安全・保安院も県の姿勢に理解を示していることから、再開に当たっても事実上県の了承が条件となる。 関電は、三基での超音波による肉厚測定作業を先週末まで終えている。計算上必要な厚さを満たしており、運転に問題のある個所はなかった。解析、評価を加えた報告書をまとめ、一両日中にも提出する見通しだ。 一方、県は、点検が適正に行われるか確認するため、職員や安全専門委員が現場に立ち会い。国の保安検査官の立ち会いも求めていた。 西川知事は二十五日の記者会見で、関電から報告を受けて、保安院の見解を確かめ県の安全専門委員会の意見も聞く意向を表明。安全が担保されたと判断すれば次の三基を停止して点検に入っていくとした。 また、当面の運転再開問題とは別に、一次系に比べて国の関与が手薄な二次系での規制強化を先に来県した原子力安全・保安院の松永和夫院長にも直接伝えたが、二十七日にはあらためて関係省庁に要請する。事故調査委員会は国のチェックシステムに問題がなかったかも検証する方針を示しているが、県は九月末をめどにまとめられる中間報告の内容を見極める考えだ。 |
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| 点検丸投げ認める 関電社長、県会で謝罪 | |||
| 2004.8.26掲載 | |||
藤社長は冒頭で十一人が死傷した事故について「大勢の地元の人に支えられてきたにもかかわらず、安全な職場を提供していなかった。事故原因を究明し、しっかりした運営体制をつくっていきたい」と謝罪した。 下請けが行っている配管の自主点検について藤社長が「関電社員の立ち会いは重点個所だけで、すべてではない」としたのに対し、関孝治議員(県会自民)は「配管の肉厚測定を下請けに丸投げし、書類をチェックしているだけ。しかも破損した配管は点検個所にも入っておらず、東電のデータ不正と同じだ」と厳しく非難。 坂川優議員(同)も「プルサーマル計画の燃料データ不正など何度も問題を起こしており、会社の体質の問題」と追及した。 藤社長は「丸投げといわれても仕方がない」とした上で「検査から(点検個所が)漏れない仕組みをつくり、会社の体質を改善していく決意」とこたえた。 また山本正雄議員(県民連合)や佐藤正雄議員(共産)は「コスト優先が招いた事故」と指摘。藤社長は「蒸気発生器などを交換した約十年前に比べると定期検査のコストは減っているが、安全費を削減しているわけではなく、安全第一にやってきたつもり」と述べた。 |
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| プル計画遅れも示唆 関電社長 | |
| 2004.8.26掲載 | |
| 美浜原発死傷事故に関連して関西電力の対応が注目されている高浜原発でのプルサーマル計画について、藤洋作社長は二十五日、二○○七年の開始予定に遅れが出る可能性があると示唆した。 西川知事は同日、関電自らの判断で手続きを一時保留すべきとの見解をあらためて示し、県会内には事前了解の白紙化を含める厳しい意見が出ていることから、計画ずれ込みは必至の情勢だ。 県会への事故の説明会で県議の「プルサーマル計画は見直しも含めて検討しているのか」との質問に対し、藤社長は「もともとスケジュールありきではないと言ってきた。今後も一つ一つ了解を得て進める」と説明。原因究明や再発防止を最優先するとして手続き中断は明言しなかったものの、実質的には遅れざるを得ない状況を容認した。 説明会後の取材に対しても藤社長は「燃料製造の本契約を結ぶ段階にきているが、期日を決めているわけではない。二○○七年ごろにやりたいとは話してきたが、事故発防止策など先にやるべきことがあり影響は出てくると思う」と話した。 説明会では、関電の企業体質に対する不信感を背景に、県議から「今のままでは到底進められない」などと厳しい声が出た。特に関孝治議員(県会自民)は「プルサーマルは言語道断」と発言し「事前了解を白紙に戻すという意味だ」としている。こうした白紙撤回が県会の主流を占めることになるかどうかは不透明だが、燃料発注などの手続きは認められないとの空気が支配的だ。 |
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| 保安院 「国の責任」言及せず 美浜原発事故で県会に対応説明 批判相次ぐ | |||
| 2004.8.24掲載 | |||
美浜原発死傷事故を受け県会は二十三日、原子力の安全を規制する経済産業省原子力安全・保安院の片山正一郎審議官から事故の概要や対応について説明を受けた。片山審議官は「事故を重く受け止める」としながらも「徹底的な原因究明と再発防止策に取り組み、形として示す」とするだけで「国の責任」には言及せず、議員からは批判の声が相次いだ。
片山審議官は、事故調査委員会として九月末をめどに事故原因と再発防止策の中間取りまとめをする考えを示した。 説明会で審議官は、二次系配管の破損事故の翌日に事故調査委を設け、現場調査するなどの取り組み状況を報告した。 これに対し坂川優議員(県会自民)や佐藤正雄議員(共産)らは「事故が起きないように事業者を監視するのが保安院の役目のはず。関電の報告をうのみにしていて責任が果たせるのか」「原子力の安全が確保できていない」など国の責任をただした。 片山審議官は「米国で起きた同様の事故の教訓を生かし対応してきたつもりだが(関電が)自ら定めた指針通りに点検が行われていなかった。ルールに沿って行われていないことをどう防ぐかを検討していく」とした。 東京電力の一連のトラブル隠しを受け、昨年秋から事業者が行う自主点検は定期事業者検査として法的に位置付けられて検査のやり方などを独立法人の原子力安全基盤機構でチェックするシステムに変更されたが、野田富久議員(県民連合)は「さらに仕組みを強化、見直す考えがあるか」と質問。審議官は「規制当局としてシステムを検証し厳正な対応を行いたい」と述べた。 |
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| 関電「単なる労災」 社内に社長辞任不要の声 安全感覚 世間とかい離 地元より国、業界重視 | |||
| 2004.8.21掲載 | |||
美浜原発の死傷事故に加え、他の原発でも点検漏れが相次いで見つかったことで、関西電力社長の引責辞任が避けられない状況になっている。だが関電では、四人の命を奪った日本の原発史上最悪の事故を単なる労災事故ととらえ、辞任は不要とする声が根強い。トップの責任問題を通して浮かび上がる世間とかけ離れた安全感覚は、核燃料サイクル事業への信頼も大きく揺るがせる。
▽不快感 泣き崩れる遺族に、藤洋作社長が「申し訳ありません」と土下座していた十日夜、秋山喜久会長は「労災事故でなんで社長が辞めねばならないのか。出光興産の石油タンク火災でも、処分は現場だけだ」と、責任論に不快感をあらわにした。 「下に人さえいなければ、ただの蒸気漏れ事故だった」と、不運を嘆く幹部もいる。 関電が社長辞任に神経質になる理由を、ある幹部は「今、社長が辞任したら事故のたびに電力トップが辞めざるを得なくなり、業界から批判を受ける」と説明する。 電力会社でつくる電気事業連合会の幹部も「マスコミの先走りではないか」と、進退問題の沈静化に躍起で、業界としてあしき前例を作るまいとしているかのようだ。 中川昭一経済産業相は「人災だ」として、責任追及の姿勢を示した。だが関電首脳は「経産省もトップ辞任は考えていない」と、辞任阻止で業界や役所が一致しているかのような口ぶりだ。 藤社長は「皆さまから許されるなら続けたい」と辞任を否定してきた。許されるべき「皆さま」とは誰なのだろうか。 ▽裏切り 本県はプルサーマル計画の再開が決まった関電高浜原発や、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」のある核燃料サイクル事業のおひざ元だ。とりわけ美浜町は、使用済み核燃料の中間貯蔵施設誘致に名乗りを上げるほど、関電に理解を示してきた。 十七日に開かれた美浜原発の地元での事故説明会。藤社長の説明を聞いた約五十人の出席者からは「原子力に協力してきたのに裏切られた」「何を信じればいいのか」と、長年信じてきた安全を一方的に打ち砕かれた無念の声が相次いだ。 新たな点検漏れが見つかった十六日の記者会見で、藤社長は「見つかって良かった。これで検査できる」とあっけらかんと話した。亡くなった中川一俊さんの同僚が「誰が被害に遭ってもおかしくなかった」と顔を青ざめさせたのとは対照的だ。 ▽未知の領域 西川一誠知事は「信頼を裏切られた」として、もんじゅの改造工事やプルサーマル計画を原因究明が進むまで先送りする方針を示した。藤社長は「プルサーマルが遅れるとは考えない」とし、影響は大きくないとの認識だ。 長い歴史を持つ原発ですら事故が起きるのに、未知の領域でノウハウの蓄積もない核燃料サイクル事業の安全性を信じていいのか。事故で明らかになった関電との感覚の違いが、地元だけでなく一般の人々にも不安を呼び起こす。 社外取締役らでつくる「企業社会責任フォーラム」の阿部博人代表は「電力会社は地域独占で、国と業界だけを見る体質がしみついている」と指摘。「原発事故はよくある労災ではない。業界の論理で動くようなトップはすぐ辞任し、根本的な組織改革をしなければ、もっと恐ろしい事故が起こりかねない」と警告している。 |
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| 減肉個所ばらつき 調査委 配管管理見直し検討 | |
| 2004.8.20掲載 | |
| 関西電力美浜3号機の死傷事故で、経済産業省総合資源エネルギー調査会は十九日、二回目の事故調査委員会を開き、十三日に行った立ち入り検査結果の概要を公表した。破損個所周辺の肉厚測定では配管の天井部分ほど減肉が進行し、水量測定装置「オリフィス」から約一・九メートル下流部でも肉厚が四・一ミリしかないことが分かった。 肉厚が本来十ミリあった配管は、亀裂したところで○・六ミリの部分が二カ所あった。破損部周辺も二ミリ弱にまで減肉していたが、底部はオリフィスから約一メートル下流でも十ミリを超える肉厚を保っている個所もあった。 原子力安全・保安院は「減肉が均一でなく複雑な乱流が起きていたと推定できる」として、シミュレーション再現による流動解析を実施する。日本原子力研究所、原子力安全基盤機構と分担して減肉速度の解析や破壊メカニズムを解明するほか、破損配管の切り出しは県警と連携して原因調査に当たる。 減肉の原因とされるエロージョン(壊食)・コロージョン(腐食)について調査委の小林英男東京工大教授は「同じ部位、同条件でも局部的、ランダムに起こる」と説明。朝田泰英委員長も「予測法は完ぺきでない」と指摘し、代表的な個所を抽出して安全性を確認している現在の配管管理方法の見直し検討も必要との考えを示した。 電力会社に指示した全国の原発の配管肉厚の管理状況調査結果も報告された。関西電力の三原発で新たに調査対象リスト漏れがあった十一カ所については「同一仕様のプラントの測定結果で健全性を確認した」との報告で、肉厚管理未実施部位から除外された。 朝田委員長は「同じ測定結果を示すことは証明されているのか」と質問。原子力安全・保安院も閉会後の会見で「計画上(リストから)落ちていたのであり、管理されていなかった分類に入る可能性が高い」とした。 |
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| 関電、高浜3号も停止 新たに3原発11カ所 点検漏れ | |
| 2004.8.19掲載 | |
| 美浜原発3号機での死傷事故を踏まえて二次系配管の未点検がないか調べていた関西電力は十八日、点検対象から漏れていた部位が新たに三原発で十一カ所あったと経済産業省原子力安全・保安院や県に報告した。関電は県内の全原発を順次止めて点検しているが、未点検個所が見つかった運転中の高浜3号機は、配管の健全性を確認するため予定を繰り上げて同日夜、運転停止の作業に入った。 同保安院は、電気事業法(報告徴収)に基づき全国五十二基の原発を対象に、肉厚管理で点検漏れがないか確認して報告するよう求めていた。 関電は美浜、大飯、高浜の計十一基で、一九九○年に作成された「二次系配管肉厚の管理指針」に基づき、検査が必要な部位を図面上から洗い出し。実際の点検記録と照合し、対象個所から漏れていないかを調べた。当初の計画で点検対象部位とされていたのは四万三千百七十九カ所。 点検対象に入っていなかったのは、高浜3号機が主給水管の弁の下流部など八カ所、高浜4号機一カ所、大飯3号機二カ所の計十一カ所。 関電の説明によると、高浜3、4号機など全く同じ構造のツイン(双子)プラントの場合は、片方のプラントの配管を測定することでもう一方の同じ部位の配管の健全性も確認できるとの考え方から、点検対象から除外されたという。 また、先に明らかになった高浜1号機、大飯3、4号機、美浜3号機のスチームコンバータと呼ばれる系統の配管計四カ所が肉厚管理の対象から漏れていたこともあらためて報告した。 県の要請に基づき関電は、運転していた八基の原発を三グループに分けて停止する措置をとっており、今回点検対象漏れが見つかった高浜4号機、大飯3号機は既に止まっている。高浜3号機は最後のグループに入っていたが、「未点検の配管があれば速やかに止めて点検するとしてきた。健全性に問題はないと考えるが、まずは止めて安全性を確認するのが大事」(岸田哲二副社長)として、早期停止に踏み切った。 西川知事は「県民の安心、信頼を取り戻すための措置であり、県として点検内容をしっかりチェックしていく」と評価。今後、報告に対する保安院の対応についても早期に考えを聞く方針を示した。 県内では定検中の二基を除いた四基が運転を停止する事態となり電力不足も懸念されるが、関電側は既に稼働を再開した火力発電分や他電力からの応援融通で当面安定的な需給は維持できるとしている。 |
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| 犠牲の中川さん(三方)告別式 気丈な子ども、涙誘う | |||
| 2004.8.19掲載 | |||
美浜原発死傷事故で亡くなった木内計測社員、中川一俊さん(41)=三方町藤井=の告別式が事故から十日目の十八日、自宅近くの寺で営まれた。親類や勤務先の同僚、関西電力の藤洋作社長ら約三百人が参列。兄の田辺喜好さん(47)が「弟はまだ四十一歳。これからというときだった。事故に巻きこまれ一瞬で亡くなったということだが、大事に大事に育てた三人の子どもたちのことを思うと、本当に悔しくてならない」と声を詰まらせてあいさつした。
式後、喪主の妻ひとみさん(41)や中学三年の長女(14)、小学五年の長男(11)、同三年の二女(9つ)ら遺族が参列者を見送ったが、ひとみさんは目を赤くはらしたまま。対照的に気丈に振る舞う子どもたちの姿が参列者の涙を誘い、三人の肩を抱きしめて励ます関係者も多かった。 関電の藤社長は報道陣に対し「『お許しください、こんなことは二度と起こしません』と遺族に謝罪した。遺族にはできる限りのことをさせていただくとともに、再発防止に全力を尽くしたい」と述べた。進退問題については言及を避け、式場を後にした。 |
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| 〜取材ノート〜 点検漏れ 隠そうとする関電 | |
| 2004.8.19掲載 | |
| 高浜3号で点検リスト漏れがあった。でも「兄弟プラント」の高浜4号の同じ個所が点検済みだから、3号の健全性は確認されている―。関西電力の発表を要約すればこうなる。この期に及んでこのような”ごまかし”が通用すると思っているのだろうか。 経済産業省原子力安全・保安院が全国の電力会社に指示した調査は、ずばり「点検リストに漏れがあるかどうか」だ。十八日の会見で関電は、高浜3号に点検漏れがあったという肝心の結果を差し置き「健全性は確認されている」という部分だけを何度も強調した。 しかし、関電が確認したという健全性は実際に検査してのものではなく、高浜3号でリスト漏れを発見した後、4号の点検履歴を引っ張り出してきてほころびを繕ったにすぎない。 関電が公表した各原発の配管の残り寿命は、運転時間に関係なく数年から五十年以上と大きな差がある。その理由を報道陣に問われ「水の流れの状況はさまざま」と、いかにも技術者集団のように答えていたが、それがなぜ「兄弟プラントが大丈夫だから」という希望的観測のような発言につながるのか。 関電若狭支社幹部は「われわれは(安全性に)自信があるが、県民にご安心いただくため、高浜3号を停止する」と続けた。「健全性」「自信」「安心」…。耳障りのいい言葉の向こうに、相も変わらず本質を隠そうとする姿が透けて見える。 |
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| 美浜3号と同配管測定開始 「肉厚に問題なし」 関電、美浜2など3基 | |||
| 2004.8.18掲載 | |||
美浜原発3号機の死傷事故を受け関西電力は十七日、既に運転を停止した美浜2号、高浜2号、大飯4号の三基について二次系配管の点検作業を開始した。初日は十六カ所で超音波による肉厚測定を実施。そのうち美浜3号機で破損した配管と同位置にある個所の測定結果について、同社は「安全に必要な肉厚は保たれていた」と発表した。
同社の発表によると、事故と同部位の点検で複数行った測定ポイントの最小肉厚は美浜2号で一○・三ミリ、高浜2号で六・九ミリ、大飯4号で八ミリだった。 点検は県の要請を受けた措置で、配管で減肉が生じやすい「オリフィス」(流量計)と呼ばれる特殊構造の下流部分などが対象。三基それぞれに県や美浜、高浜、大飯の各町職員らが立ち会う中で、肉厚測定を行った。 美浜2号機タービン建屋の屋上部では、県原子力安全専門委の中川英之委員長や山口治太郎・美浜町長ら十人が立ち会い、協力会社の作業員が保温材を外した配管の表面に超音波探傷装置の探触子を当てて肉厚を測った。 この配管は、設計時の外径(五六センチ)や肉厚(一○ミリ)、構造上の位置が事故の起きた美浜3号機の配管とほぼ同じ。配管の管理指針を策定した一九九○年ごろに行った定期検査以来、十四年ぶりに測定した。 今回点検を始めた第一グループの作業は、今週中をめどに終える。その後、残り二グループ、五基でも点検が順次予定されており、対象は八基合計で百四カ所に上る。今回の測定で計算上の残り寿命が「二年以下」と分かった配管は交換するという。 |
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| 高浜4、美浜1も点検漏れ 子会社が指摘、検査 関電美浜3号と同配管個所 新たに点検漏れ4ヵ所 美浜3、大飯3、4、高浜1号 関電「履歴調査で判明」 |
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| 2004.8.17掲載 | |
| 関西電力美浜原発3号機の死傷事故で、新たに関電高浜4号機と美浜1号機でも過去に美浜3号の配管破損部と同じ個所の点検漏れがあったことが、子会社の話から十六日までに分かった。既に検査を実施し、高浜4号では現在行っている定期検査で配管の取り替え作業を進めている。これとは別に関電は同日、美浜3号など四基で、冷暖房装置などに補助蒸気を送る付属配管計四カ所に未点検個所が確認されたと発表した。 関電が全原発の配管検査を委託している子会社、日本アーム(本社大阪市)によると、点検漏れは同社の検査管理システムのデータ更新の際に見つかり、高浜4号は一九九八年に、美浜1号は二○○二年に肉厚測定を行った。関電が配管の管理指針を策定した九○年以降、それまでは一度も検査されていなかった。 いずれも3号機事故の発生個所と同じ二次系冷却水の流量測定器「オリフィス」下流部で、同時に美浜3号の当該部の検査漏れに気付いていれば今回の事故を防げた可能性が高い。 関電によると、このうち高浜4号は、計算上の残り寿命が二年となった昨年、再点検を実施。あらためて「二年」が確認されたため、現在行っている定検で配管を取り替える計画を立てた。 美浜1号は、○二年時点で残り寿命が「五十年以上」と評価されたという。 日本アームは関電の委託検査を九六年に三菱重工から引き継ぎ、独自にデータ管理システムを構築。定検が近づくと関電と点検内容を協議し、関電の発注を受けて超音波検査をしている。 3号機事故について、同社の伊藤彦二経営企画室長は「点検リストから漏れていたことに気付くのが遅れた。当社にも事故責任はある」と話している。 関電が昨年十一月に日本アームから3号の点検漏れの提案を受けたと公表していることに関しては「警察が捜査中なのでコメントは控えたい」としている。 新たに点検漏れ4ヵ所 美浜3、大飯3、4、高浜1号 関電「履歴調査で判明 美浜原発死傷事故を受け、他の原発でも点検個所の漏れがないか履歴調査をしていた関電は十六日、新たに県内四基で計四カ所の点検漏れがあったことを明らかにした。運転以来、一度も検査が行われていなかったことになり、あらためて関電のずさんな安全管理体制が浮き彫りになった。 見つかったのは事故があった美浜3号の別の一カ所と大飯3号、同4号、高浜1号。運転中の高浜1号については同系列を弁で隔離し当該機器を停止する措置を取った。 関電は同日午後、点検履歴調査の経過を国に報告するとともに、県庁で開かれた事故対策本部会議で岸田哲二副社長が明らかにした。 未点検個所は、いずれもタービン建屋内で高圧高温の蒸気が通っている配管。流量計測器「オリフィス」や制御弁の下流部にあり、冷暖房装置などに補助蒸気を送り込む付属配管。保安規定上の制限は受けないが、点検漏れのあった配管は炭素鋼管で約二十気圧、約二百十七度の高温蒸気が通っている。 記者会見した松村洋常務は、点検漏れ個所について「配管の余寿命を既に超えていたかもしれない」と話した。また岸田副社長は「(下請け会社から)点検リストから外れていたとの指摘はなかった。なぜ漏れていたかは分からない」と述べた。 過去の点検漏れ把握していない 岸田副社長 関西電力高浜原発4号機と美浜原発1号機でも、過去に美浜3号機の配管破損部と同じ個所の点検漏れがあったことについて、同社の岸田哲二副社長は、福井新聞社の取材に対して「四カ所の点検漏れだけと聞いている。それ以外には把握していない」と話した。 |
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| 関電、きょうから配管点検 県、立ち会い確認 | |
| 2004.8.17掲載 | |
| 美浜原発3号機の死傷事故で、稼働中の原発の順次停止に入った関西電力は、既に停止した美浜2号、大飯4号、高浜2号の二次冷却系配管の点検作業に十七日から着手する。対象は事故の類似個所で一基当たり八―二十一カ所を予定している。(1面に関連記事) 緊急点検は西川知事の要請を受けた措置。各原発の現場では、十六日までに二次冷却系の主配管でオリフィス(流量計)が設置されている個所が抽出され、足場を組んだり、配管の保温材をはがすなど準備作業が進んでいる。十七日午前中に超音波による肉厚測定に入る。 十三日深夜から十四日未明にかけて停止した三基の二次系冷却水の温度は既に四十度程度にまで降下しているという。 今後、第二弾として大飯2号、高浜1号、美浜1号を、第三弾は大飯1号、高浜3号を予定し、点検対象は三グループ八基の合計で百四カ所に上る。 また、この点検と合わせ、今年七月に大飯1号で見つかった二次系配管の減肉現象を受けた類似個所の点検も行う。これらは同社が一九九○年に策定した安全管理指針の対象外。八基合計八十一カ所で肉厚が測定される。 点検は各グループそれぞれ約二週間かかる見通しで、全点検が終わるのは順調に進んでも九月中ごろになる。現在、定期検査中の原発についても今後、同様の点検に入ることにしている。 一方、県は十六日、関電が行う安全点検に立ち会い、独自に現場を確認することを決めた。必要に応じて立ち入り調査ができるとする安全協定に基づいた措置。 同日開かれた県の事故対策本部会議で、学識者らで構成する原子力安全専門委の中川英之委員長は「関電は自社基準で調査するとしているが、県民の立場に立って点検に立ち会わないといけない」と指摘。これを受け、県では関電が行う検査に立ち会うことを決めた。 県は十七日、原子力安全対策課の技術系職員七人と専門委の委員六人を三発電所に分けて派遣。立地市町村の職員、原子力安全・保安院の検査員らとともに作業に立ち会い、点検計画通りに作業が行われているかどうかを直接確認する。他の原発で順次行う点検も確認する。 |
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| 美浜3号事故1週間 他の検査漏れ有無焦点 捜査は回避情報注目 敦賀署 |
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| 2004.8.16掲載 | |||
業務上過失致死傷容疑で捜査を進めている敦賀署の捜査本部は、破損配管の点検を放置し、事故を回避できなかった過失責任の所在を明らかにするため、さらに数日間の現場検証と関係者への事情聴取を実施。関係個所への家宅捜索など強制捜査に踏み切る見通しだ。 負傷した七人のうち、重い熱傷を負った四人は依然として予断を許さない状況。特に重体の亀窟勝さん(30)=小浜市水取=は危険な状態が続いている。 高温、高圧の蒸気が噴き出した破損配管は、十ミリの肉厚が最大で○・六ミリにまで薄くなっていた。経済産業省原子力安全・保安院や捜査本部は、水の流れを絞って流量を測る「オリフィス」の下流約五十センチで事故が発生した点に着目。オリフィスで渦状に乱れた水が配管を削る、減肉現象で破損に至ったとみている。 破損部は「誰が見ても点検が必要なことは明らかな部分」(県原子力安全対策課)だったにもかかわらず、運転開始から二十八年間にわたって見落とされていた。米国サリー原発の二次系配管破損事故を受け、関電は一九九○年に配管の肉厚を検査する管理指針を策定。この際、三菱重工が検査リストを作ったが、破損部分が漏れ落ちていたことが発端だ。 昨年四月には、検査業務を引き継いだ関電の子会社、日本アームが破損部分のリスト漏れを把握した。関電は事故直後、この事実を「十一月に指摘を受けた」としていたが、その後「リスト漏れを認識したのは事故後」と変え、自社の責任を否定する姿勢を示した。一方、三菱重工が九九年、二○○○年の二回、日本アームに検査の必要性を文書で指摘していたことも判明、事故を未然に防ぐことができた可能性が何度もあったことが分かった。 捜査本部では、関電自身が配管の管理指針を作っていることから、事故の予見性は当然あったと判断。事故を回避し得たこれらの情報が、関係者の間でどのように扱われたかをはじめ▽破損個所がなぜ点検リストから漏れたのか▽いつの時点で事故回避策が講じられるべきだったか▽回避策は誰が講じるべきだったか―などを詳しく調べている。 経産省総合資源エネルギー調査会は事故調査委員会を立ち上げ、破損原因の調査に着手。初会合では「なぜ、点検から抜けていたのかが重要な調査」との認識が示された。中川昭一経産相も「事故は人災」と明言しており、破損メカニズムに加えて、事故を引き起こした組織・人的要因の解明にも重点が置かれる見通し。 保安院は関電を含む全原発事業者に対し、十八日までに検査リストに漏れがないか報告するよう指示している。県の要請を受け、関電は九月半ばまでに二、三基ずつを順次停止して配管の肉厚検査を実施するが、リスト調査の結果によっては稼働中の残りの原発が即時停止に迫られる可能性もある。 同社は電力供給量を確保するため、十五日に停止中の火力発電所赤穂1号(兵庫県、出力六十万キロワット)、相生3号(同、出力三十八万キロワット)を稼働、十六日から送電を開始する。 |
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| ■4人 安らかに 敦賀 900人が「お別れ会」 | |||
| 2004.8.15掲載 | |||
田岡英司さん(46)=上中町大鳥羽、中川一俊さん(41)=三方町藤井、井石智樹さん(30)=敦賀市相生町、高鳥裕也さん(29)=小浜市北塩屋=の遺影を前に冒頭、全員で黙とうをささげた。 実行委員長の久積雅生・木内計測社長は一人ひとりの業績や人柄を紹介し、「かけがえのない社員を失ったことは大きな痛手。再び悲劇が起こることがないよう万全の努力をしたい」と式辞を述べた。 同社の青木達也・美浜営業所長は「事故現場から運ばれるのはうちの社員ばかり。『なんでや!』とほえたのを覚えている」と惨事を振り返り、「電力さんは重大さを十分に認識してもらい、遺族や被災者に対して最大限の努力をお願いしたい」と訴えた。 犠牲者の同僚は涙にくれながら「もう会えんのか!」「いつも笑顔をもらった。ありがとう」などと遺影の四人に語り掛けた。遺族や友人も別れの言葉を述べ、参列者の涙を誘った。 |
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| 「もう会えんのか?」 美浜原発事故「お別れ会」 同僚ら涙ながら弔辞 惨事乗り越えを誓う |
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| 2004.8.15掲載 | |||
亡くなった田岡英司さん(46)=上中町=は二十三年前に美浜営業所に配属され、制御弁のベテランだった。分からないことは「タオさんに聞け」と言われるほど面倒見の良い先輩社員だった。 「息子や娘の遊ぶ姿を眺めて幸せそうやった。幸せはずっと続くと思ってたんやけどなあ…」。弔辞に立った同僚の大崎秀幸さんは涙ながらに語り掛けた。 中川一俊さん(41)=三方町=は田岡さんの後継者として、美浜原発一筋で仕事に打ち込んでいた。「目をつぶっても歩ける」と同僚に語っていたその現場で惨事に見舞われた。部下から「社長」と慕われ、地元では子ども会の役員だった大の子供好き。同僚の本村幸路さんは「社長。もう会えんのか?」と言葉を詰まらせた。 明るい人気者だった井石智樹さん(30)=敦賀市=は、そのままの遺影が仲間の涙を誘った。大飯営業所の下西康夫さんは「トモの顔見ると不思議と元気が出てきたなぁ。なんでやろなぁ…。トモがいたときみたいに…楽しい職場が早く戻るように努力していかなあかんな」と泣き崩れた。昨年に待望の長男が誕生。職場の野球チームでも元気にプレーしていた。友人は「定検が終わったら飲みに行こうといってたのに…。あまりにも早いわ」と遺影を見詰めた。 高鳥裕也さん(29)=小浜市=には、美浜営業所の栗本精二さんが弔辞をささげた。「ほんまはおれ、お前の結婚式でスピーチしたかったんやぞ」。届かぬ声が会場に流れた。 ■ 孫を抱きたかった 高鳥さんの父声振り絞り 「おまえなぁ、何で父さん置いて死んでしまったんや」「嫁さんもろて、孫を抱くことがほんまに楽しみやった」。美浜原発事故で亡くなった高鳥裕也さん(29)=小浜市=の父、実さん(60)は、子供に突然先立たれた悔しさを、途切れぬ涙とともに絞り出した。 自宅での告別式から三日が過ぎても、息子を亡くした現実と、夢であってほしいと願う気持ちの交錯に苦しむ父親。実さんは優しくほほえむ遺影に向かって「母ちゃんには『いつものように友達のとこや。今に帰ってくるから、ドア開けてやっといてくれ』と言い続けてきた。けどなあ、今ここに立ってみると、やっぱり現実は現実や」と切々と語り掛けた。 最後に実さんは「おまえはわしらの誇りや。天国でも仲間と仲良うして楽しんでな。心配せんでいい。父ちゃん、おまえの分まで気張るさかい」と声を振り絞った。 |
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| 関電 全原発順次止め点検 まず大飯4など3基 3グループ分け 終了 来月半ば |
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| 2004.8.14掲載 | |||
電力会社の原発が多数停止するのは、一連のトラブル隠しで全十七基が停止した昨年の東京電力以来で、県内では初となる異例の事態。猛暑で電力需要は急増しているが、藤洋作社長は「停止している火力発電所を起動するので問題ない」としている。 関電の原発は現在県内に十一基あるが、事故を起こした美浜3号と定期検査中の大飯3号、高浜4号が運転を停止中。残る八基を三グループに分けて順次止め、美浜3号で破損事故が起きた二次系配管の類似個所を中心に、超音波探査によって健全な肉厚が保たれているかどうかを調べる。 配管内部の冷却水の流れに乱れが起き、減肉が生じやすい「オリフィス(流量計)」と呼ばれる特殊構造の下流部分などが対象。発電所によってオリフィスの数は二、三カ所から二十カ所と違いがあり、一グループにつき点検は二週間ほどかかるという。 同日停止した大飯4、高浜2、美浜2号は、破損配管と同じ場所の点検時期が近づいていることから、最初のグループにした。三基の総出力は二百五十万キロワット余りに達する。続いて第二グループ(大飯2、高浜1、美浜1号)の三基、第三グループ(大飯1、高浜3号)の二基の順に点検する。同社の指針に沿って主要部位の点検履歴を調べている、これまでの調査は進めていく。 西川知事は同日、県庁を訪れた岸田哲二副社長に対し「社の責任において、安全を最優先に迅速に点検に取り組んでほしい。県民の不信、不安を払しょくし、現場で働く人の安全確保を」と強く要請した。 関電は電力供給の約六割を原発が占め、全国の電力会社の中でも原発依存度が最も高い。 停止によって電力供給不足に陥らないよう、運転を停止している火力発電所二基を稼働させ、対応する。それでも不足する場合は他電力からの融通で補うという。 |
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| 保安院、立ち入り検査 破損配管 最も薄い部分は0.6ミリ 関電発表より減肉 | |||
| 2004.8.14掲載 | |||
保安院によると、破損した配管は軸方向に裂けた上に円周方向へ大きく開いており、先端部の二カ所で○・六ミリにまで薄くなった部分が確認された。「事故前の状態を表すものか、破損時に引っ張られた結果なのか解析することになる」という。 関電の発表では、破損部分の肉厚は最も薄いところで一・四ミリとされていたが、それよりさらに減肉が進んでいたことになる。 これまでの調査で、二次系の復水配管が長年の使用で腐食が進み、薄くなって破裂が可能性が高いとされている。片山審議官は「物理的なこと、検査が放置された経緯の二点について価値あるデータが取れた」と総括。「急いで解析し結果は公表する。必要あれば再度立ち入りする」と話した。 保安院は、当該配管が点検対象から漏れていたことを含め、事故に至った経緯の解明を急ぐ。 立ち入り検査は午前九時すぎから始まり、約八時間にわたった。同発電所の小鍛冶市造所長をはじめ幹部社員十五人からは事情を聴取。配管の点検対象漏れを把握した後、約九カ月間放置した経緯を聴いた。施設内の資料もコピーし、旅行かばん一つ分を持ち帰った。 |
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| 「全原発止め点検を」 西川知事 美浜事故で関電社長に 体制を批判 |
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| 2004.8.13掲載 | |||
関電は現在、点検が必要な個所を図面から洗い出した上で検査記録と照合し、未点検の配管がないかを精査。未点検と分かった場合は運転を停止して異常がないか調べる方針を示している。ただ、経済産業省原子力安全・保安院が全国の原発を対象に検査体制の総点検を求める中、県は関電の安全管理に疑問を投げかけた上でより厳しい姿勢を示したといえる。 こうした県の考えに商業炉を所管する中川昭一経済産業相も同日、理解を示す発言をしている。しかし、電力需要が夏場のピーク時期を迎えているほか、猛暑で例年以上の需要の伸びが予想されることから、関電がどう対応するかが今後の焦点となる。 面談で西川知事は「原発の長い歴史で過去最悪の悲惨な事故。安全を軽視した結果、発生した。県民の信頼、安心を根底から覆した極めて残念な事態だ」と述べた。 蒸気の噴きだした個所が二十八年も未点検だった点については「今回の事故は避ける機会と時間があった。それを避けられなかったのは、企業としての管理体制、倫理、責任感や原子力への基本的な思いが欠如していたのが原因。社会的な責任は重い」と痛烈に批判。関電への不信感をあらわにした。 知事は、原因究明や再発防止の徹底を求めるとともに、被害者や家族に対して誠心誠意当たるよう申し入れた。 藤社長は「県民の信頼を根底から失い、おわびの言葉もない」と陳謝。会社全体の姿勢やシステム、組織を根本から見直し、二度と今回のような事故を起こさないよう努めると答えた。 関電の説明によると、点検漏れがないかの調査個所は原発一基で約四千から七千カ所あり、美浜3号機を含めた同社の県内十一基の合計では約六万カ所に上る。応援を含め四十人の態勢で作業を進めているが時間がかかっており、一週間をめどに調査を終える見通しを示した。 すぐに停止考えてない 関電社長 西川知事が、県内に十基ある関電の他の原発をすべて停止するよう求めたことに対し、藤洋作社長は「現在、これまでの点検データを精査しているところ。必要な個所があれば止めて点検したい」と話し、現時点ですぐに停止する考えのないことを示した。 精査を終える時期については「可及的速やかに」と述べ「たくさんのポイントがあり、調べるのに少し時間がかかる。できるだけ早く作業を行いたい」と述べた。十二日、小浜市駅前町の斎場で営まれた井石智樹さん(30)の葬儀に出席した後、報道陣の質問に答えた。 |
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| 知事の 「もんじゅ判断先送り」 敦賀市長 「対策優先 仕方なし」 サイクル 機構 予定通り概算要求へ |
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| 2004.8.13掲載 | |
| 西川知事が美浜原発死傷事故を受け、高速増殖炉「もんじゅ」の改造工事入りの是非判断がずれ込む見通しを明らかにしたことについて、地元敦賀市の河瀬一治市長は十二日、「事故対策が優先で致し方ない」と知事判断を支持。これに対し、核燃料サイクル機構の殿塚猷一理事長からはコメントはなく、同機構によれば、予定通り改造工事へ向けの概算要求を進めていくという。 河瀬市長は「原因究明と対策が先で、判断がずれるのは致し方ない」と知事判断を支持し「事故原因究明と対策が先であって、現段階で『もんじゅ』について直ちに判断するというのは極めて酷。判断できるような状況が早くきてほしい」と述べた。 これに対し、サイクル機構にとって「もんじゅ」を中心にした県のエネルギー研究開発拠点化構想を進めるワーキンググループ(WG)の進ちょく状況が運転再開の知事判断時期を左右するとみられていたが、十一日に開く予定だった第二回会合は延期され、開催の見通しが立たない状況に追い込まれていた。 特に二回目の会合で「もんじゅ」や新型転換炉「ふげん」の方向性についてまとまることを期待していただけに、逆に知事から、さらなる判断の遅れを示唆されたことで、同機構内には「WGの位置付けは運転再開に向け重要。二回目である程度方向を決めた上で(知事の判断に)期待していたのに、延期は残念」との声はあるものの、殿塚理事長からはコメントはなかった。 「もんじゅ」に関しては、本年度政府予算で改造工事費十四億円が予算化されたが、三月県会までに知事が判断を留保したため執行されなかった。概算要求期限が月末に迫る中、拠点化構想に必要な予算や、工事入りに向けた予算要求は検討していくという。 |
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| プル手続き中断明言せず 知事 「安全の前提崩壊」 | |
| 2004.8.13掲載 | |
| 美浜原発死傷事故に関連して関西電力の藤洋作社長は十二日、県庁で記者会見し「プルサーマルは核燃料サイクルの中軸だが、今は原因究明、再発防止に全力投球する」と述べ、事態の推移によっては計画に影響が出る可能性もあるとした。一方で、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の本契約など今後予定される手続きを一時中断するかどうかは明言しなかった。 藤社長は、MOX燃料調達にかかわる品質保証体制と、今回の事故で問われている安全管理体制に直接関連する部分があるのかを見極めて判断する意向を示した。 一方、西川知事は報道陣の取材に対し「今回の事故は原発の基本である安全にかかわる問題。安全という大前提が崩れている。それをチェック、解決し、信頼が回復できないと、プルサーマルの議論にはならない」と語り、関電側は手続きを見合わせるべきとの考えをあらためて示した。 知事は「関電自らが考えるべき問題」として、藤社長との面談でもプルサーマル計画には言及しなかった。 高速増殖炉「もんじゅ」に関しても知事は「安全は原子力に共通の課題。エネルギー研究開発拠点化計画の作業は先送りして、当面の問題の解決を図る」とし、改造工事入りの是非判断はずれ込むとした。 |
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| 検査先送りする体質でない 関電・藤社長 会見 一問一答 |
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| 2004.8.13掲載 | |
| 関西電力の藤洋作社長は記者会見で、美浜原発死傷事故の原因究明と再発防止に全力で取り組む姿勢を強調。破損した配管が検査対象から抜け落ち、それを認識した後も点検しなかったことに「技術者や企業風土で、検査を先送りをする考えは絶対にない」とした。 ―未点検を認識後も検査が先送りされた。組織的な問題があるか。 「検査漏れ個所は、当初からリストアップされず、日本アームが昨年四月に発見して十一月に今回の点検予定リストに出してきた。日本アームがどのように提案してきたのかは調査中。検査を先送りする考え方は関電の原発に携わる技術者には絶対にないし、組織風土としてもない」 ―二次系を甘くみていたり、下請け任せで当事者責任が薄かったりするのでは。 「一次系、二次系ともに安全第一の考えは変わらない。下請けに任せきりということもない。関電が点検の仕組みを完成させ、それに基づいて作業を発注していた」 ―結果的にその仕組み自体が間違っていた。 「仕組みが問題だったのか、インプットのところで漏れたことが原因なのか、これから十分に調査する必要がある」 ―信頼回復に向けた取り組みは。 「あらゆる手段を駆使して原因を徹底的に究明し、再発防止策をできるだけ早く行う。必要ならば組織の変更も考える。事故が二度とない安心してもらえる原発をつくり、皆さんの怒りを少しでも和らげたい」 ―関電の品質管理体制に不信感が出ているが、プルサーマル計画に変更はないか。 「原因究明と再発防止に真っ先に取り組む。再発防止策を早く確立できるか、県民の理解を得られるかにかかっている」 ―二十八年間も破損した配管を点検しておらずプルサーマルの品質保証体制も確立できるのか。今後の手続きを保留する考えは。 「今回の事故が他の原発の品質保証に関係するかは再点検したい。プルサーマルに関する問題と今回の問題とは少し性格が違うとは思うが、原因究明の結果によってはプルサーマルの品質保証体制の見直しもあり得ないことではない」 ―社長、電気事業連合会長として責任をとる考えは。 「悲惨な事故が二度と起きないよう安全、安定運転を行うことが社長としての大事な使命だ。ぜひ完遂したい。電事連会長は互選で、他のメンバーに許してもらえるなら続けたい」 |
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| 「事故と計画 切り離せぬ」 経産相、知事意向に理解 予定の遅れは必至 |
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| 2004.8.13掲載 | |||
経産相は「安全性と(県や立地町)関係者の理解、支持はセットと思っている」とも述べ、安全性確立と地元の理解が大前提になるとの認識を強調した。大臣が知事意向を尊重する姿勢を明言したことで、関電高浜原発で二○○七年にも予定されていたプルサーマルの遅延は避けられない状況となった。 プルサーマル開始が遅れた場合に予想される、青森県の使用済み核燃料再処理施設への影響については「どう対応するか検討したい」と明言を避けた。 知事が「もんじゅ」改造工事への判断が遅れることを示唆した点には、高速増殖炉が文部科学省の所管であることを踏まえた上で「知事の気持ちを察すると、非常事態の中で重く受け止めなくてはならない」と述べた。 一方、同省原子力安全・保安院が全国の原発、主要火力発電所の蒸気配管の点検を指示、点検結果次第で電力供給量が低下する懸念について、経産相は「安全性あっての安定供給」と述べ、安全性の確認を優先する考えを示した。 |
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| 知事、経産相が管理責任に言及 関電社長の辞任不可避 |
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| 2004.8.13掲載 | |
| 美浜原発死傷事故について、中川昭一経済産業相と西川一誠知事が十二日、関西電力の管理責任に言及したことで、藤洋作社長の辞任が不可避の情勢となった。藤社長は「原因が判明する前に人事に言及することは控える」としているが、県警も強制捜査に踏み切る方針で、自ら経営責任を取らざるを得ない状況だ。 また、事故が国の核燃料サイクル事業に大きな打撃を与えるのは確実で、電気事業連合会会長の辞任も必至だ。 中川経産相は「(事故は)人災と思っている」と断言し、経営陣の責任について「所管としてやるべき時にきちっとやる」と明確にする考えを示した。西川知事も同日の藤社長との会談で「安全を軽視した結果で、責任感の欠如が大きな原因」と強く非難した。 関電では六月、火力発電所で議事録ねつ造や記載ミス約三千六百件が見つかり、藤社長が一カ月の減給処分となった。藤社長は一九六○年に関電に入社し、副社長を経て二○○一年六月に社長に昇格。○二年には原発トラブル隠しで引責辞任した東電社長に代わり、電事連会長に就任した。 |
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| 15年前から交換必要 残り寿命計算せず 関電、指針に違反 破損配管 |
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| 2004.8.13掲載 | |
| 美浜原発死傷事故で、破損した配管が点検リストから漏れていることを同原発の担当者が知った際、配管の残り寿命を社内指針に従って計算しないまま検査を先送りしていたことが、十二日開かれた国の原子力安全委員会で明らかになった。 関電によると、指針の方式で計算すると、配管の当該部分は十五年前には減肉が進み、交換が必要な厚さを下回っていた。経済産業省原子力安全・保安院は「マニュアル違反の重大ミス」と指摘。十三日、電気事業法に基づき同原発を立ち入り検査し、関係者を事情聴取、書類を調査する。 関電は「寿命を計算し、ただちに原発を止める判断をすべきだった」とミスを認めている。 水流で配管の内側が削られて薄くなる減肉に対応するため、関電は一九九○年五月「原子力設備2次系配管肉厚の管理指針」を策定。未点検の配管個所は計算式に基づき肉厚の寿命を推計し、残り寿命が二年以下になるまでに検査し、交換すると定めた。 ところが、同原発の担当者は、点検業務を請け負った日本アームから点検リスト漏れを昨年十一月に指摘されたが、今月十四日から始める予定だった定期検査期間中に検査を先送りする計画を立案。寿命を計算せずに、危険な配管を放置する結果になった。 指針の計算式を当てはめると、配管の厚さは十三年前の九一年に必要な四・七ミリを下回って寿命切れとなり、その二年前の八九年に点検、交換する必要があった。 関電原子力事業本部保全計画グループの松枝啓之チーフマネジャーは「配管が点検リストから漏れていたとの報告は美浜原発の担当者から本社になかったので、現場で当時どういう判断をしたかは分からない」と話している。 |
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| 電力不足の恐れも 関電 停止火力、再稼働を準備 原発停止点検要請 |
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| 2004.8.13掲載 | |
| 西川知事が十二日、関電の藤洋作社長に対して同社の県内全原発を停止して点検するよう求めたことで、関電が発電を止める事態になれば、電力不足に陥る恐れも出てくる。原発依存率が約六割と極端に高いためだ。長期停止中の火力発電所の再稼働に向け準備に乗り出したが、原油価格の高騰もあり苦しい対応を迫られている。 関電は今夏のピーク時の一日当たりの電力需要を、昨年を若干上回る三千六十四万キロワットと見込んでいる。ただこの予想は猛暑を盛り込んでおらず、実際にはかなり上回る可能性が高い。 供給能力は当初計画で三千四百四万キロワットあり、さらに七月下旬から停止していた御坊発電所と相生発電所の二基を稼働させ、夏の需要に備えていた。 現在、県内では事故を起こした美浜3号と定検中の高浜4号、大飯3号を除いた八基(合計六百八十九万キロワット分)が稼働中だが、大飯原発のような百十万キロワット級が一日に三基止まるようなことになれば、供給不足に陥る恐れが強い。 既に各電力会社に不足時の電力融通を要請し、九州電力などから前向きな回答を得ているという。ただ、世界的な原油価格高騰で各社とも燃料調達に頭を悩ませており、猛暑もあって他社融通の余裕はあまりない。 融通でも足りない場合、トラブル隠しで全原発が停止した昨年の東京電力のように、家庭や企業に節電を求めざるを得ない。輸出好調な半導体や工作機械工場の操業に支障が出れば、せっかく上向きかけた景気に水を差す心配もある。 |
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| 破損の配管は主要点検部位 関電が指針公表 |
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| 2004.8.13掲載 | |
| 関西電力は十二日、二次系配管の肉厚を調査するため一九九○年に作成した管理指針を公表した。美浜原発死傷事故で破損した個所の配管は「オリフィス(流量計)下流部」として、指針では厳しく余寿命を監視すべき「主要点検部位」に該当していた。 指針に基づき具体的な検査個所を三菱重工がリストアップしたが、破損配管はリストから漏れていた。点検は二十八年近く行われないまま、事故時には十ミリあるはずの肉厚が最も薄い部分で一・四ミリとなっていた。検査リストに登録されていれば、計算上必要とされる四・七ミリまで減肉する前に点検で判明し、配管は交換されていたことになる。 主要点検部位は、数回の定検に分けて配管の肉厚を三回検査。計算上必要とする厚さを下回る余寿命を算出する。その後は、推定される余寿命の二年前までに必ず検査を行い、あらためて残り何年使えるかを計算し直す。余寿命が二年以下になれば交換することにしている。 オリフィスは、断面にリング状の金属を入れて流れを絞り、前後の圧力差により冷却水の流量を計測する部位。下流では渦状の水流が起こり減肉が進みやすいため、主要点検部位に指定された。 |
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| 関電が「情報制限」宣言 事故直後は単なる儀礼 | |||
| 2004.8.13掲載 | |||
事故原因については、配管破損に至るメカニズムのほか、同社と配管検査を担当する子会社の連絡体制や、点検の先延ばしが社内でどのように判断されたかが焦点となっている。 同社は既に、配管の破損部が点検対象から漏れていたことを子会社が昨年四月に把握し、十一月にようやく関電に報告されたことを明らかにしている。会見では「これも警察の捜査にかかわる話だったかも…」と後悔する姿を見せ、報道陣のため息を誘った。 同支社はまた、十一日に撮影したタービン建屋内のビデオ映像を「まだ見てもらっていない関係機関がある」ことを理由に、いったん公開しない考えを示し、深夜になって撤回した。 会見中、何度も繰り返されたのは「捜査への協力」という言葉。地域住民が早急な原因究明と情報公開を求めているというのに、こうした姿勢が地元理解への道を閉ざしかねないことを分かっていないのだろうか。 藤洋作社長をはじめ多くの幹部が事故直後から「住民理解」「情報公開」を強調してきた。だが、そんな言葉が単なる儀礼的なものにすぎなかったということは、行政や捜査当局だけに向けられた同社の姿勢からうかがえる。(寺島) |
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| 福井労働局、原発初の対策本部 関電の指揮系統にメス 複雑な下請け構造 安全管理実態を調査 |
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| 2004.8.13掲載 | |
| 関西電力美浜原発3号機の死傷事故で、厚生労働省福井労働局は十二日までに、国内の原発事故では初となる「重大災害対策本部」を設置し、実態調査に着手した。同労働局が事故に至った背景として注目しているのは、原発の定期検査などを行う上で何層にも複雑に入り組んだ電力業界特有の下請けシステム。安全管理に欠かせない情報伝達や指揮系統が、関電を頂点とする”ピラミッド構造”の中で有効に機能していたかどうか、初めてメスを入れる方針だ。 違法性が見つかり次第、労働安全衛生法に基づいて定検を請け負った業者などへの捜査に着手する構え。発注者である関電については、電気事業法が優先されるために法的処分が問えないため、行政指導を視野に調査を進める。 同労働局安全衛生課によると、県内の労災事故で重大災害に指定され、対策本部が設置されるのは初めて。近年では国内最大級の労災事故とみており、同労働局内に二十六人態勢の本部、敦賀労働基準監督署に現地本部を立ち上げた。 今回の事故で破損した配管は減肉が進みやすい特殊構造ながら、運転開始以来一度も検査が行われていなかった。同労働局が関心を寄せるのは、こうした危険な個所だったにもかかわらず、軽装のままの作業員十一人が被災した点。被災者が所属する木内計測は、元請けに当たる関電興業の下請け会社。配管が破損する恐れなど、危機管理に関する情報を知り得なかった可能性が高い。 関電若狭支社によると、十四日から実施予定の定検で作業を請け負っていたのは計四百社。元請けに連なる下請けが三十数社あるとみられ、孫請けやその下に何層も続く請負業者、社員派遣といったケースを含めると、労働者構成は複雑に絡んでいる。三カ月の定検期間には多様な工程が予定されているが、安全に関する情報がどこまで末端まで伝わる態勢になっていたか。木下麻子課長は「災害のバックグラウンドが隠されていた可能性がある」と指摘する。 こうした複雑な下請け構造は、電力業界全体に及んでいる。原発施設という特殊な業種だけに、専門技術を持つ下請け業者は定検ごとに国内各電力会社を渡り歩くケースも多く、業界全体に必要な再発防止策を構築する上でも、詳細に今回の事故を検証する考えだ。 また、近年増加する重大労災事故に関する厚労省の調査では、企業トップの関心が薄いと末端での事故が倍以上に増える結果が出ている。ピラミッドの頂点に位置する関電が、安全対策にどこまでかかわっていたかも焦点となりそうだ。 |
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| 関電 作業人数把握せず 施設内点呼も協力社任せ |
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| 2004.8.13掲載 | |
| 美浜原発3号機の死傷事故直後、関西電力が現場にいた作業員数を正確に把握していなかったため、敦賀美方消防組合の救出活動に支障をきたしていたことが十二日分かった。同消防は「大規模な施設内での災害時に、事業者が正確な人数をつかんでいないのは大きな問題」として、関電に改善を要請する。 同消防によると、事故発生から約二時間後の九日午後五時二十五分ごろ、逃げ遅れた負傷者がいないかどうか、救助隊員が現場のタービン建屋に入った。それまでに何度も正確な人数報告を要求していたが、関電の災害対策本部社員からは「全員避難」としか返答がなかった。消防側が「本当にいないのか」「全員とは何人か」などと激しく問いただす場面もあったという。 建屋内の温度が下がるのを待っていた救助隊員六人は、極度の熱さのため数分ずつに分けて内部を回った。須藤慶一警防課長によると、破損配管の周囲約二十五メートルの範囲は、蛍光灯が割れて真っ暗で「破損の影響がもっと広ければ、犠牲者が増えていたかもしれない」という。その中で、関電が報告した全員の避難を確認するまで、何度も出入りを繰り返さなければならなかった。 関電は午後六時五十分の発表では「タービン建屋の作業員は二百十一人」としていたが、同十一時には「二百二十一人」に訂正するなど混乱が続いた。正式な人数が同消防に伝わったのは、翌日の十日午前になってからだった。 人数確認作業が混乱したことについて、関電は「各協力会社の責任者に依頼した。確認中の当時は消防に即答できなかった」としている。 同消防では「複雑な構造の施設での災害では、どこに逃げ遅れた人が残っているが分からない。『全員避難』とだけ言われても全く意味がなく、何度も現場に入ることで二次災害の危険性も高くなる」と指摘。管理責任者の関電に▽各作業エリアの正確な人数把握▽災害時の情報伝達態勢の強化―などを要請する。 |
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| 「犠牲は現場の人間」 声上げぬ下請け業者 電力会社は”お客さん” |
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| 2004.8.13掲載 | |||
「今回の事故で、地元業者はみんな泣いている。でも多くが”お客さん”には何も言えない」。嶺南のある業者は絶対匿名を条件に、重い口を開いた。原発の下請け業界では、電力会社のことを「お客さん」「客先」などと呼ぶ。その下請けの大手は「メーカー」「元請け」で、さらに孫請け、ひ孫受けなどピラミッド型に受注構造が広がり、その下層部分を構成するのが地元の中小企業だ。 ここ数年、コスト削減を目指して電力各社が定期検査の短縮を目指しており、おのずと運転期間が長くなる。その間は仕事がなく、経営不振に陥っている地元業者は少なくない。「お客さんだけが以前より利益を優先させているが、しわ寄せはすべて末端のわれわれにくる」 関電の下請けをしているこの業者は、社員たちに”お客さん対策”を徹底しているという。「ヘルメットのマークを見て、関電だったら絶対にもめ事を起こすな。職がなくなるぞ」。電力会社の顔色を気遣って声を上げることもできない。事故当時、美浜3号機のタービン建屋内にいた作業員たちも「詳しい事情はすべて関電さんに聞いてほしい。うちからは何も言えない」と口を閉ざし続ける。 別の業者は、十一人もの死傷者を出しながら、配管の点検漏れ問題で関電と三菱重工、子会社の見解が大きく異なっている点を「責任のなすり合い」と言い切る。そして「最も気になるのが現場の安全性。結局、犠牲になるのは現場の人間だ」と吐き捨てた。 先の業者も「原発が止まり、定検が先送りされれば収入がなくなる。でも、ほかの原発で再び事故が起きないと保証してくれるのか。原因追及も大事だが、早急に他の原発の安全を確認する調査をしてほしい」と声を荒らげた。 |
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| 重傷の4人 予断許さず |
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| 2004.8.13掲載 | |
| 美浜原発死傷事故で負傷し病院に収容された七人のうち、重い熱傷を負った四人の容体は十二日現在、比較的安定しているものの、依然として予断を許さない状況にある。 県医務薬務課によると、重体で福井大付属病院に入院中の亀窟勝さん(30)=小浜市水取=は血小板が減少し、新たに輸血などの治療を始めた。収容時から危険な状態が続いている。 重傷で福井赤十字病院に入院している岡田真一さん(43)=小浜市南川町=は発熱などがあり、経過を観察している。同じ重傷の愛甲将樹さん(29)=小浜市千種、県立病院=と、宇敷邦夫さん(46)=上中町井ノ口、福井大付属病院=の症状は安定している。 国立病院機構福井病院に軽傷で入院していた林克己さん(54)=小浜市和久里=は十一日、県外の病院に転院した。 一方、死亡した高鳥裕也さん(29)=小浜市北長町、井石智樹さん(30)=敦賀市相生町=の二人を司法解剖した結果、死因は高温の蒸気を吸い込み気管に熱傷を負ったことによる窒息死だったことが、敦賀署の捜査本部の調べで分かった。 |
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| 犠牲者へ感謝の花 滋賀の男性 |
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| 2004.8.13掲載 | |
| 下請け作業員四人が死亡する事故のあった美浜原発に十二日、滋賀県マキノ町の自営業男性(52)が「犠牲者にささげたい」と花を手にして訪れた。 幼い子ども二人を連れて訪れた男性は「『孫を抱きたかった』という(犠牲者の)お父さんの話を聞いて…。事故のことを子どもに話しながら来たんです」と涙にむせ、言葉を詰まらせた。 手には花びんに挿した黄色い菊の花。「私たちは電気なしには生活できない。ありがとうございました、という思いです」と犠牲者への感謝の意を表した。 しかし、原発構内に伸びる橋のたもとに花を供えようとすると警備員に制止された。「仕方ない…。心の中で供えます」と花を携えたまま、発電所を後にした。 |
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| 「もんじゅ判断遅れる」知事、美浜事故受け示唆 プル計画も保留必至 |
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| 2004.8.12掲載 | |
| 関西電力美浜原発3号機で起きた死傷事故を踏まえて西川知事は十一日、福井新聞社の取材に対し、高速増殖炉「もんじゅ」の改造工事入りの是非判断はずれ込むとの見通しを示唆した。高浜原発で計画されるプルサーマルについても、県民の理解が得られるような状況にあるのかを関電自らが問い直すべきとの認識を示し、関電としても実質的に手続きを一時保留せざるを得ないとみられる。 一九九五年のナトリウム漏れ事故以来、運転を停止しているもんじゅをめぐっては、国は改造工事を許可してすべての手続きを終了、県の判断待ちとなっていた。西川知事は、改造を認めるかの判断材料として、エネルギー研究開発拠点化計画の具体化を見極める姿勢を示し、計画策定作業を進めていた。 ところが、実務的な検討の場となる計画策定委員会のワーキンググループは、福井豪雨と美浜原発事故で二度にわたり延期。開催のめどは立っていない。 加えて、県としては美浜事故の原因究明や他の原発で未点検の個所がないか確認する作業を最優先する構え。知事は、もんじゅと今回の事故は直接的には関連がないとの認識だが、判断の前提となる拠点化計画づくりの遅れが必至な情勢の中、決断時期も遅れるとした。 一方、プルサーマルに関しては「(県からストップをかけるわけではないが)関電が自分で考えるべき問題」と話し、関電が想定するスケジュール通りに進められる状況ではないとの見方を示した。 プルサーマルは、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料のデータねつ造でとん挫していたが、今年三月に知事は計画の再始動を認め、国内トップを切って二○○七年にも実施される予定だった。東京電力の原発トラブル隠しに絡んで福島、新潟両県は事前了解を白紙に戻しており、高浜での実施に向けた手続きが中断されれば、国内全体の計画が再び先の見えない状態に戻る。 また、核燃料サイクルの中核的な位置付けにあるプルサーマルともんじゅの停滞は、国の原子力政策にも大きな影響を与えそうだ。 |
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| 社民調査団が現場写真公開 関電、回収求め押し問答 |
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| 2004.8.12掲載 | |||
問題となったのは、福島瑞穂党首らの調査団が、3号機タービン建屋で撮影した破損配管など十数枚の写真。調査団が報道陣に公開した後、関電が回収を求めた。 調査団は「現場のありのままの様子を伝える写真なのに、関電は地元住民の不安を全く理解していない」と反発し、回収を拒否した。 |
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| 安全体制に「不信感」 美浜町長、関電社長へ抗議 中間施設 県の判断待ち |
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| 2004.8.12掲載 | |||
今回の事故について、藤社長は「心からおわびします。原因究明と再発防止に全力を傾ける」と頭を下げた。 事故当日、現場を視察している山口町長は「配管は大小さまざまあり、徹底した点検をしてほしい。町民に対する事故説明もあるので、常に情報を公開していただきたい」と強調した上で、風評被害についても配慮を求めた。 面談後、山口町長は「(関電の)安全性についてこれまでの説明にはエアポケットがあるのだろうか、不信感はある」と述べた。 さらに今後、関電に要望書を提出する考えを示し「時期についてはこれからだが、定検の短縮が事故原因につながっているのかなどをはじめ、風評被害や被災者への対策など総括的なものになる」と話した。 中間貯蔵施設に関しては「被災者や入院患者がいる中、現段階では自分で考えられる段階にない」との考えを表明した。 |
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| 点検項目丸投げ 問題 経産省事故調査委が初会合 品質管理の欠如 批判 |
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| 2004.8.12掲載 | |||
委員会は金属工学や破壊力学などの専門家六人で構成。冒頭、原子力安全・保安院の松永和夫院長が「総力を挙げて原因解明と再発防止に取り組む」とあいさつした。 破損した配管の写真が紹介されると、小林英男東京工大教授は「典型的な腐食(による減肉)の例だ。一番多く起きている損傷だ」と指摘した。 班目春樹東大教授は「減肉で間違いないと思うが、品質管理システムの欠如が問題。自社で点検個所のリストを作らないで(下請けに)丸投げしている」と関電を厳しく批判した。 事務局の梶田直揮・保安院原子力発電検査課長も「なぜ二十八年間、点検から抜けていたのかが重要な調査になる」との認識を示した。委員会は事故原因と再発防止策について、早急に報告書をまとめる。 一方、原子力安全委員会は同日、事故現場を視察。鈴木篤之委員長代理は「配管の破面は、見た感じで(延性破壊の特徴の)ディンプル状だった」と指摘、同委員会専門部会の中桐滋・横浜国立大教授(構造力学)は「配管は、時間をかけて摩耗して薄くなったと考えられる」と話した。 |
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| 別系統も検査せず 2次系配管 | |
| 2004.8.12掲載 | |
| 美浜原発の死傷事故で、関西電力が美浜3号機の二次冷却水系のうち、今回の破損個所と同様の構造を持つ別系統についても検査していなかったことが十一日、分かった。 破損した部分とともに、今月十四日から予定していた定期検査で点検する予定だったという。事故原因解明のため、今後この部分の調査をすることにしている。 関電によると、破損部分は冷却水の流量を測定するため、直径五十六センチの配管内に直径三十四センチのリング状の仕切りを取り付けた構造。二次冷却系は二系統あるが、損傷したのとは別系統の同様の個所も、これまで検査していなかった。 |
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| 同業者としておわび 東電社長 敦賀市長「事故許せぬ」 長計策定会議 |
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| 2004.8.12掲載 | |
| 原子力開発利用長期計画(長計)の改定内容を審議する原子力委員会の第五回策定会議は十一日、東京都内で開かれた。長計の議論に先立ち、美浜原発3号機事故の犠牲者に委員や傍聴者が黙とう。近藤駿介委員長は事故の原因、結果も踏まえつつ、長計議論を進めていく意向を示した。 委員で東京電力の勝俣恒久社長は「多くの皆さまに心配や迷惑をかけ、同じ電気事業者として申し訳なく、おわびする」と頭を下げた。 日本生活協同組合連合会の渡辺光代理事は「(現行の安全)規制上の要求を満たしても、安全確保にならなかったことが美浜の事故ではっきりした」と指摘、核燃料サイクルの安全性論議に海外の再処理工場での事故例や原因、対策の情報を示すよう求めた。 原子力資料情報室の伴英幸共同代表は、原子力安全・保安院の事故説明について「二次系に放射性物質は含まれていないとしているが、疑問。もんじゅ事故では二次系ナトリウムにトリチウムが含まれていた」と再調査を要求、定検の準備作業の在り方についても究明すべき、とした。 一方、福井大の児嶋眞平学長は「原子力発電所で起きた事故だが、原子力の事故ではないと考える」と発言。「事故がエネルギー政策に影響を及ぼしてはいけない」とも述べ、事故を乗り越えて原子力政策を推進べきとの考えを強調した。 全国原発所在市町村協議会長の河瀬一治敦賀市長は欠席したが、「原発との共存共栄を目指す立地自治体に衝撃で、許すことができない」などとする意見を文面で提出した。 策定会議では、前回までに示された核燃料サイクル政策評価の基本シナリオについて意見交換した。 |
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| 減肉の早期進行「一般的に想定」 原安委が現場調査 | |
| 2004.8.12掲載 | |
| 内閣府の原子力安全委員会の委員ら五人が十一日、事故調査のため美浜原発を視察。配管の破損部分について鈴木篤之委員長代理は「流量を絞って流れが大きく変わる場所では、減肉が早期に進行することは一般的に想定されている。検査を見落とした経緯についてはいろいろな角度からの検証が必要」と話した。同委員会は十三日から専門部会で集中審議を行う。 会見で鈴木委員長代理らは「(破損部周辺に)しわ状の特徴があることから、一年に数ミリずつ減肉したとみられる」「強い力が配管に加わり、こんにゃくを引きちぎるように破損したのではないか」などの見方を示した。 |
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| 三菱重工、関電子会社に99、00年 文書で注意喚起 美浜3号破損配管 減肉検査2度指摘 |
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| 2004.8.12掲載 | |
| 死傷事故を起こした美浜原発で、かつて配管検査の委託を受けていた三菱重工業(東京)が、検査を引き継いだ関西電力の子会社、日本アーム(大阪市)に、今回破損した主復水配管が薄くなる「減肉」について検査する必要性を、一九九九年と二○○○年の二度にわたり文書で指摘していたことが十一日、分かった。 この注意喚起を受けて点検を実施していれば、事故が防止できた可能性もあったことになる。 関西電力は配管検査の業務を一九八九年から三菱重工に委託、九六年に日本アームに変更した。 三菱重工によると、同社はその後も関西電力以外の加圧水型軽水炉で配管の検査などを担当。冷却水の流量測定のため、配管内にリングを挟んで水の通り道を狭くした「オリフィス」という構造の下流部は、減肉に対する注意を要するという判断に達したという。 こうした情報や検査の必要性について、同社は二回にわたり、日本アーム側に資料を添えて説明、報告したとしている。 一方、関西電力は同日夜の会見で、これまで昨年十一月時点で日本アームから配管の破断部分の検査を提案されたとしていた点について「日本アームから事故後に聞き取ったもの」と説明。同社が事故後から行ってきた説明の信ぴょう性が揺らいでいる。 日本アームは十日「昨年四月時点で関電に情報を伝えた」としており、両社の説明は約半年間食い違っていた。 事故が起きた3号機では昨年五月から定期検査が行われており、日本アームが検査対象漏れに気付いたとされる四月時点で情報が伝わっていれば、ここでも事故は防ぐことができた可能性が高い。事故を防ぐ二度の機会を三社の対応の不手際で逃し、史上最悪の惨事を引き起こしたといえる。 関電は詳細について「調査中」と繰り返し「社内で当時の書類を調べるとともに、(自社の)担当者にも連絡を覚えていないかどうか確認したい」と話した。 |
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| 月内にも強制捜査 点検担当課長から聴取 福井県警 | |
| 2004.8.12掲載 | |
| 関西電力の美浜原発死傷事故で、福井県警敦賀署捜査本部は十一日、月内にも業務上過失致死傷容疑で家宅捜索などの強制捜査に乗り出す方針を固めた。関西電力の関係先などを対象に資料を押収、関係者から広く事情を聴き、四人もの死者を出した国内原発史上最悪の事故の全容解明を急ぐ。 また捜査本部は十一日までに、破損した配管の点検時期を判断する立場にあった同原発の機械保修課長から参考人として事情聴取した。昨年十一月に関電が問題の配管の点検対象漏れを把握した後も、約九カ月間放置した疑いがあることを重視。当時の保守、点検担当者の判断が事故につながった可能性があるとみて慎重に調べを進めており、同課長から詳しい経緯を聴いたものとみられる。 蒸気が噴出した配管の厚みは、当初十ミリだったが、破損部分では一・四ミリにまで薄くなっていた。捜査本部は管内部の水流や摩耗のメカニズムを詳しく調べるため、十一日も引き続き三十人態勢で現場検証した。 |
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| 観光に影響じわり 県内旅館、民宿 キャンセル相次ぐ | |
| 2004.8.12掲載 | |
| 美浜原発3号機の死傷事故で、県内の旅館や民宿で宿泊予約のキャンセルが相次ぐなど、観光業界への影響が出始めている。福井豪雨の影響から客足を持ち直そうとした矢先とあって、関係者は頭を悩ませている。また嶺南八市町村や旅館などでつくる若狭湾観光連盟は十一日、中部、関西地方の十一紙に「放射能の影響はありません」との全面広告を出した。 美浜町では事故後、宿泊キャンセル数などの臨時調査を始めた。発電所を望む水晶浜海水浴場は今のところまずまずのにぎわいを見せているが、町内百一軒の民宿・旅館では十日までに三十二件のキャンセルがあった。 町役場には観光客から「水晶浜へ泳ぎに行っても大丈夫か」といった電話が相次いだ。中には「一帯は封鎖されているのではないか」と誤った想像をする県外客もおり、職員は「避難勧告が出ているわけでもなく、大丈夫です」などと説明に追われていた。 同町では七月の福井豪雨による入り込み減も顕著で、関係者は「ただでさえ出足が悪いところに今度の事故は追い打ちどころではない」とダブルパンチを嘆く。 町観光協会は「タイムリーにいろんなことが起きて困る。相当な痛手」とため息を漏らしている。 隣接する三方町の民宿・旅館約百三十軒でも、十日だけで五十四人の宿泊客がキャンセル。町企画観光課は「キャンセル自体よりも、今から旅行する人の選択肢から外されてしまうことが怖い」と、今後の入り込みへの影響を重く見ている。 事故の影響は嶺北地方にも及び、越前町では宿泊キャンセルが目立ち始めた |
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| 「まだ現実とは…」 犠牲者告別式 遺族、涙枯れず | |
| 2004.8.12掲載 | |
| 美浜原発死傷事故で、亡くなった田岡英司さん(46)=上中町大鳥羽=の告別式が十一日、自宅近くの公民館で営まれ、関西電力の藤洋作社長を含む約百五十人が参列した。妻の尚美さんが喪主としてあいさつし「元気な姿で出掛け、変わり果てた姿で戻って来るなんて。まだ現実のこととは思えない」と話すと、参列者からはすすり泣きが漏れた。 藤社長は沈痛な表情で焼香を済ませ、遺族に何度も深く頭を下げてから、式場を後にした。 また、一緒に亡くなった高鳥裕也さん(29)の告別式も同日、小浜市北塩屋の自宅で営まれ、出棺の際に父、実さん(60)が「裕也」と叫んで、泣き崩れた。実さんは「よう頑張った、よう三十年間生きた」と遺体に話し掛け、ひつぎを囲む親族が涙を流していた。 |
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