車1台だけが通れる道幅しかない所もあった。すぐ横には川が流れる=9月12日、石川県小松市丸山町

 福井県勝山市と石川県小松市を結ぶ国道416号が9月9日に開通した。かつて峠を越え人やモノの交流があった両市にとって開通は50年来の悲願。最短で結ぶ誘客ルートとして期待され、災害時の代替路としての役割も担う。福井県立恐竜博物館(勝山)―小松空港間を車で走った。

 開通したのは勝山市野向町横倉-小松市新保町間の県境6・3キロ区間。石川県側の雨量が基準値を超え、供用開始は2日遅れの11日になった。

 12日正午に恐竜博物館から出発。国道416号に入り、15分ほどで道路の色が真新しい新設区間に入った。珍しい県境の山岳峠道を通過できる道だからか石川ナンバーの車と頻繁にすれ違う。待避場が多数あり、1・5車線(幅5メートル)でも通行しづらいと感じることはなかった。

 かなり厳しい勾配の道は山肌を縫うようにカーブを繰り返す。上り始めて15分ほどで県境に近い駐車場に到着した。道を上った先は空が広がり、そこが県境の峠だと分かる。駐車場は満車で、遠方に勝山市街地が臨める雄大な景色をドライバーらが楽しんでいた。

 小松市から来た男性(83)は開通日も訪れ、この日も友人2人とドライブに来たという。「勝山での温泉や食事が楽しみ。新しい道だからつい来てしまう」と長らく交流が途絶えていた県境がようやく車で往来できる喜びに満ちていた。一方で、仕事で訪れた30代の小松市の男性からは「新しい区間を下りた先は“酷道”」との忠告も。国道でも通行が困難な道ということか―。

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