9月15日オープンする福井県年縞博物館に展示されている水月湖の年縞。約7万年分の年縞が並んでいる=9月13日、福井県若狭町

 福井県若狭町の水月湖の湖底堆積物「年縞(ねんこう)」をテーマにした県年縞博物館が9月15日、若狭町鳥浜で開館する。最も正確な「世界のものさし」として地質年代の測定に用いられる水月湖年縞やその意義を紹介するほか、年縞により推測される過去の気候変動の歴史などを分かりやすく展示する。世界で年縞研究をけん引する立命館大の研究所も併設され、学術拠点化も目指していく。

 ⇒展示物や外観、年縞博物館の写真9枚

 博物館には展示棟と研究棟があり、展示棟は混構造(木造、鉄筋コンクリート、鉄骨造り)2階建て、延べ床面積約千平方メートル。県産スギや県内の古民家の木材を使用し、木のぬくもりが感じられる空間となっている。

 メインの展示物は約45メートルあり、連続した年縞では世界一の長さを誇る、7万年分の実物標本。ステンドグラスのように並べ、縞模様の変化などから分かる自然災害や水月湖の環境の変化を解説している。

 そのほか、年縞の花粉調査などによって明らかになった過去の気候のイメージ映像や、モンゴルやドイツなど世界各地の年縞も見ることができる。

 同博物館は、水月湖年縞の価値を広く知ってもらおうと、県が2014年に計画。17年に着工し総事業費は14億8千万円。年間6万人の来館者を見込んでいる。

 午前9時から午後5時まで開館。毎週火曜は休館。入館料は大人500円、小中高生200円で、すぐそばの若狭三方縄文博物館との共通観覧券もある。

■年縞 植物の葉や花粉、プランクトンなどが湖の底に毎年積もってできた泥の地層。季節によって堆積する植物などが違うため縞模様となり、層は1年で平均約0・7ミリ作られる。花粉や木の葉を解析することで過去の気候変動や自然災害の歴史を推測できる。さらに、年縞に含まれる放射性炭素の値と比べることで、化石や遺物の年代測定に役立つことから「世界のものさし」と言われる。

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