病気と向き合いながら仕事に励む渡辺俊輝さん=福井県大野市役所

 福井県大野市役所に勤める渡辺俊輝さん(24)は進行性の難病「筋ジストロフィー」を抱えながら仕事に励んでいる。「1人で出来ないことが増えていくけれど、まだまだ出来ることはある」。車いすで庁内を動き回り、とびきり明るい笑顔を見せる。

 体の異変を感じたのは小学4年生のころ。一生懸命足を動かしているのに走っている感じがしなかった。担任教諭の助言で病院に行き病気が発覚。県立大野高校に入学したころ家族から病名を聞いた。「進行性ということは何となく分かっていた」。体は年齢を重ねるごとに動きづらくなっていた。

 筋ジストロフィーは筋肉が壊れやすく再生しにくい病気。渡辺さんは「ベッカー型」で、効果的な治療法は見つかっていない。ネットで病気について調べ「寿命に関する記述を見つけた時はすごくショックだった。いつまで生きられるのかな、と考え出した」と静かに話す。症状は緩やかに進み、高校2年生の頃から階段を上るのが難しくなった。

 福井大学では「将来、体が動かなくても仕事に就けるように」とパソコンを扱う学科を選んだ。国家試験「応用情報技術者試験」にも挑み、見事合格。「自信のあるところを探して追求すれば、負けないものをつくれるはず」

 現在は「古里の役に立ちたい」と、市税務課で情報入力などの業務に励んでいる。最近は左手も動きづらくなってきた。「将来に不安はある。でも家族や同じ病気の患者、周囲の人の存在が大きな支え。自分は一人じゃない」と前を向く。

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