木曜劇場『グッド・ドクター』、9月13日放送の第10話(最終回)より (C)フジテレビ

 自閉症スペクトラム障がいでサヴァン症候群の主人公が、小児外科医を目指し奮闘する姿を描いた山崎賢人主演のドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)。放送開始以来、2桁視聴率が続き(8話を除く/ビデオリサーチ調べ、関東地区)、また、週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』によるドラマ満足度調査「オリコンドラマバリュー」でも、100Pt満点中平均87.8Pt(8話時点)と高い水準をキープしている。最終回を前に、脚本家の徳永友一氏に改めて本作に込めた想い、またヒットの背景について尋ねた。

【グラフ】『グッド・ドクター』のドラマ満足度の推移

◆「小児外科医が1人でも増えてほしい」キャスト・スタッフのピュアな願い

 徳永氏は『フジテレビ ヤングシナリオ大賞』を機に、05年に『電車男』の第6話で脚本家デビュー。以降、『海の上の診療所』(13年)、『水球ヤンキース』(14年)、『探偵の探偵』(15年)、『僕たちがやりました』(17年)、『海月姫』(18年)など、フジテレビを中心にさまざまなヒット作を輩出。今回は前出の『海の上の~』『水球~』でもタッグを組んだ、同局プロデューサー藤野良太氏から依頼を受けた。

『グッド・ドクター』は2013年に韓国で放送、2017年にアメリカでも連続ドラマ化された同名作が原作。今回、日本でドラマ化する上では「ピュアさ」に磨きをかけ、また、フジテレビがこれまで放送してきた医療ドラマの特徴である「リアリティ」にも重点を置いたという。

「脚本を作っていくなかで、リアリティのなかから物語を作っていこうというのが、打ち合わせでは合言葉のようになっていました。自閉症スペクトラム障がいについてしっかりと描き、自閉症スペクトラム障がいの方やそのご家族が観た時に違和感を与えることがないよう、制作陣全員で共有して作っていきました。僕自身は医療関連の本を約30冊読んだほか、実際に先生方に取材。実際に患者にどう説明するか、どんな対応をするか、その時の実際の言葉からもセリフを拾いました。

 小児科医療を取材していくなかで知ったのは、日本には小児外科医が少ないという現実です。山崎くんも話していましたが、『このドラマを通じて小児外科医が1人でも増えてほしい』というピュアな願いを、キャスト・スタッフ一同が持ちながら作りました。何年か先にそれが叶い、何千人もの子どもの命が救えることになるのなら、それ以上の幸せはないと思います」(徳永友一氏/以下同)

◆山崎にラブレターを書くような気持ちで脚本を手がけていた!?

 主人公・湊を演じる山崎の演技に対しては、視聴者から「主演の山崎さんは、今まで演じてきた役の中で一番魅力的に見えた」、「山崎さんの演技にとても感動した」「山崎さんが難役を自然にこなしている。ずっと彼のドラマを観てきたが、今回は特に素晴らしい」(「ドラマバリュー」調査時に視聴者から寄せられたコメントより)などと、高い評価を集めた。

「山崎さんは湊のお芝居に真摯に取り組まれており、とても素晴らしい表現をしてくださるので、僕も放送を観て、次にそれをフィードバックしてと、半ばラブレターを書いているような気持ちで(笑)脚本を書いていたように思います」

(文:衣輪晋一/メディア研究家)

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