【論説】国民民主党が、玉木雄一郎共同代表を新代表に選出した。玉木氏が直視すべきは、わずか1・5%(8月25~26日の共同通信全国電話世論調査)に沈む政党支持率である。低迷脱却には、自公政権と比較し選択肢となり得る政策の提示が何よりも必要だ。地に足の着いた党内論議に取り組んでもらいたい。

 国民民主は民主党、民進党の流れの上にある政党で、二つの「負の遺産」を抱えている。一つは民主党政権時の失敗の記憶。そして昨年の衆院選時、小池百合子東京都知事による希望の党に合流、事実上の解体に陥った混乱だ。それが今も、61人の衆参両院議員を抱える政党としては深刻な支持率低迷につながっている。

 5月の結党時、基本政策を掲げたが、周知されているだろうか。代表選で敗れた津村啓介氏は、党の現状を「皆が堂々と口をそろえられる政策が何もない」と語った。まずは何を目指す政党なのか、明確にしないといけない。

 特に、経済財政運営をどう考えるのか、明らかにすることを求めたい。安倍政権が失点を重ねながら一定の支持があるのは、雇用・所得環境の改善が大きいからだ。基本政策に言う「豊かで安全で持続可能な未来」をどう築くか具体案を示し、国民がアベノミクスと比較検討できるようにすることが肝心である。

 代表選で玉木氏がアベノミクスに対抗する目玉政策として訴えたのが「コドモノミクス」だった。第3子を出産した家庭に1千万円を配るという。1人目、2人目の子育て支援策のありようが見えないままでは唐突感が否めない。玉木氏は生活に最低限必要な現金を国民に配るベーシックインカム導入も主張する。財源など制度の詳細を示すべきだ。

 国会対応に関しては、国民民主が先の国会で見せた特色は「対決より解決」を掲げたことだった。「課題を着実に解決する中道改革政党」をうたう党として理念は理解できる。だが成果は乏しかった。働き方改革関連法案などで付帯決議を設けることはできたが、問題のある法案の成立を結果的に後押しした側面は否定できない。野党の足並みの乱れの要因ともなった。国会対応の地力を付ける努力が必要だ。

 来年夏の参院選へは、巨大与党と対峙(たいじ)する野党共闘態勢づくりが急務。ただ、国民民主は消費増税に賛成で、凍結・反対を主張する他党と立場が異なり、安全保障政策や原発政策にも違いがある。政権選択ではない参院選だからといって曖昧にできない課題である。昨年の衆院選時、議員の離合集散が、国民に政策置き去りの選挙目当てと映ったことを忘れてはいけない。

 党内外で熟議を行い、説得力ある政策を確立し、他党との接点を見いだす努力を重ねることが、政党としての力量向上になるのではないか。そうした姿勢を、国民は見ているだろう。回り道のようでも、支持率低迷脱却に向けた道はそれしかない。

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