「命のバトンをつなぐ場所にしたい」と話す渡辺七花さん=福井県福井市の譲渡型保護猫カフェ「しあわせにゃん家」

 捨てられるなどして殺処分が迫った猫を保護し、人と触れ合う中で里親を探す「譲渡型保護猫カフェ」が福井県福井市に今夏オープンした。犬猫の殺処分や、ペットショップ向けの大量繁殖場「子犬工場(パピーミル)」問題に心を痛めていたオーナーは「保護猫に最後まで愛情を注いでくれる里親をみつける命のバトンをつなぐ場所にしたい」と話している。

 今年7月にオープンした「しあわせにゃん家(ち)」(同市)。店内約27平方メートルにカウンターやいすがあり、十数匹の保護猫たちはのんびりと寝転がったり、歩いたりして過ごす。人慣れしていない猫はケージの中にいる。

 オーナーの渡辺七花さん(39)はエステティシャンとして働く傍ら、5年前に犬猫殺処分の現状を知り「いつか殺処分される命を引き受ける場所をつくりたい」との思いを抱いてきた。猫カフェにすることで「お客さんと触れ合う中で人に慣れる」と利点を挙げる。「里親が見つかれば次の猫を保護し譲渡先を探す。結果的に(店内で飼育可能な)20匹以上の命を救うことになる」と考えたという。

 2級愛玩動物飼養管理士の資格を取得し、エステ店と併設した猫カフェ用の店舗をつくった。

 オープンまでの約1カ月を「人間不信で猫の威嚇がひどかった」と振り返る。指のにおいをかがせるなどして徐々に人の手が怖くないものと教えてきた。開店後はお客さんが来ることで人慣れが進み「お客さんと一緒に育てている感じ」という。

 猫と触れ合うための来店も「利用料が医療費やえさ代などとして猫への支援になる」と歓迎する。店内の募金箱に寄付してくれたり、エサなどを提供してくれる人もいるという。

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