記者会見で北海道の地震の被害状況などを説明する菅官房長官=9月6日午前、首相官邸

 9月6日に北海道で発生した地震の影響で、道内全ての約295万戸が停電し、各地の役所や交通機関のインフラ機能がストップした。北海道電力によると、北海道電の管内全域が停電するのは初めて。1995年の阪神大震災の約260万戸を超える規模となった。患者の受け入れを一時停止する病院もあった。世耕弘成経済産業相は北海道電力管内全域の電力の復旧には少なくとも1週間かかるとの見通しを示した。

 政府や北海道電によると、大規模な停電は北海道電の苫東厚真火力発電所(厚真町)の停止により、道全域の電力需給バランスが崩れたため。電力供給の周波数を一定に保つことができず、次々と他の火力を緊急停止させたためだと説明した。

 火力発電所の運転を再開させるためには外部からの電源が必要だ。このため4カ所の水力発電所を運転させて、苫東厚真の再稼働に取り組んでいるとした。北海道電は停電からの復旧の見通しは未定としている。道内と本州を結ぶ海底ケーブルは電源がないと稼働できないため、本州側から電力融通を受けることもできなくなっている。菅義偉官房長官は6日の記者会見で、北海道電の苫東厚真に設備損壊が見つかり、速やかな再稼働が難しい状況だと明らかにした。

 世耕氏は6日朝に東京都内で記者団に、苫東厚真は地震発生時に道内の電力需要量の約半分を担っていたと指摘。「停電が長時間にわたれば(生活や経済に)いろんな影響が出てくる。できるだけ早く復旧させたい」と語った。北海道電には丁寧な情報発信に努めるよう求めた。

 運転停止中だった泊原発(泊村)は外部電源を喪失したが、1~3号機の原子炉に核燃料はなく、非常用電源により使用済み核燃料プールの冷却を続けている。北海道電は「非常用電源は、最低でも10日以上は問題ない」としている。

 札幌市などでは信号が点灯しなくなり、警察官が手信号で交通整理している。非常停止したエレベーターに閉じ込められるケースも相次いだ。

 厚生労働省の6日午前9時現在のまとめでは、道内の災害拠点となる34病院中23カ所が停電。いずれも緊急転院が必要な状況にはなっていないという。

 北海道電の発電設備は水力発電所56カ所、火力発電所12カ所など計71カ所。うち原発は泊原発の1カ所。停止中で再稼働の見通しは立っていない。
 

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