しなの鉄道を走る観光列車「ろくもん」

 2023年春の北陸新幹線敦賀開業後にJR西日本から経営分離される並行在来線(石川県境―敦賀間)の収支改善策として福井県は、JR小浜線に乗り入れて同県内を縦断する観光列車の導入に向け、沿線市町などとつくる対策協議会で検討していく考えを明らかにした。9月5日の県議会一般質問で、理事者が小堀友廣議員(県会自民党)に答えた。

 小堀議員は、長野県の並行在来線しなの鉄道の観光列車「ろくもん」に触れ、「地元の食材を使った会席料理やワインを提供しながら走行し、観光客の人気が高い」と紹介した。「福井県には長野県に負けない地酒や食材がたくさんある。地酒と海の幸をコースにした豪華会席乗車プランはどうか。通勤通学用の普通列車の充実は当然だが、並行在来線会社で観光列車を用意し、JR小浜線に乗り入れて県内を縦断してはどうか」と提案した。

 これに対し豊北欽一総合政策部長は「観光列車は、全国の並行在来線会社8社のうち4社が導入している。このうち、しなの鉄道のろくもんは車窓から眺める高原の豊かな自然、おいしい料理、ブドウ狩りやワイナリー見学などをコースに組み入れ、年間の営業利益が2千万円を上げるなど、収支改善策の一つになっている」と説明した。

 県内縦断の観光列車導入に向けては▽外観や内装にどのような特徴を施した車両を走らせるか▽地元の食材を生かした魅力あるコースや沿線の観光資源、イベントを組み合わせたおもてなしをどうするか▽運行区間、曜日、便数をはじめ、多くの利用者が見込め、採算性が取れる料金設定をどうするか―などの課題があるとした。その上で「全国の先行例を参考に、利用促進策の一つとして対策協議会で検討していく」と述べた。

 ろくもんは14年7月に運行を開始した。豪華寝台列車の「ななつ星in九州」などを手掛けた水戸岡鋭治さんがデザインした。

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