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 かつて『I am Sam アイ・アム・サム』『宇宙戦争』などで天才子役として名を馳せたダコタ・ファニングも、はや20代。今では妹のエルに追い越されてしまった感は否めないが、それでもその演技力はまだまだ健在。これは彼女が、『スター・トレック』好きで自閉症のヒロインを演じるハートウォーミングなロードムービーだ。『スター・トレック』誕生50周年を記念した脚本コンテストがあると知ったウェンディは、500ページに及ぶ大作を書き上げ、ハリウッドまで届けに行こうとするが…。

 見どころは、何といってもウェンディの一挙手一投足。『スター・トレック』の知識なら誰にも負けないけれど、他人とのコミュニケーションが苦手で、日常生活も決め事を一つ一つ確認しながらでないとこなせず、すぐにパニックに陥る(故に、手帳が手放せない!)。それをダコタはキュートに、説得力を持って体現。『裸の大将』と違って、ちゃんと毒気があるのもいい。しかも、オークランドに住むウェンディにとってハリウッドまでのバスの旅は、自閉症ゆえに“大冒険”なのだ。

 とはいえ、単にエンターテインメントというだけではない。恐らく、社会に生きづらさを感じている人の多くが、ウェンディに共感を覚えるはず。本作は、多様な価値観や生き方に目を開かせてくれる映画でもあるのだ。★★★☆☆(外山真也)

監督:ベン・リューイン

出演:ダコタ・ファニング、トニ・コレット、アリス・イヴ

9月7日(金)から全国公開

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