美方―若狭 9回裏若狭1死一、三塁、若泉幹太のスクイズで小林久也(左下)が生還、サヨナラ勝ちする=9月3日、福井県営球場

 【北信越地区高校野球福井県大会準々決勝 若狭3ー2美方】

 初球だった。同点の九回1死一、三塁、若狭の荒木康監督が出したサインはセーフティースクイズ。好投するエース川嶋成のためにも「ここで絶対に決める」。打者の若泉幹太はスッとバットを横にし、一塁寄りにボールを転がした。三塁走者の小林久也がサヨナラのホームに滑り込み、荒木監督、ナインが両手を突き上げた。

 古豪のお家芸とも言える小技でのサヨナラ劇。流れを呼び込んだのはエース川嶋の投球だ。制球がさえ、6安打2失点で完投。「スライダーが良かった」。今大会3戦目の先発。五、七回に1点ずつ失った後も冷静に投げ抜いた。

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 九回は全て投ゴロで三者凡退に打ち取った。今夏の福井大会準優勝メンバーで「もともとは三塁手」。好フィールディングで流れをつくった。その裏に1死二塁で中前打を放って好機を広げ、若泉のサヨナラバント安打で公式戦初完投勝利を飾った。

 8月の敦賀市長旗争奪大会で敗れた美方に雪辱し、春秋の県大会では2000年春以来の4強入り。「苦しい試合をものにして勢いがつく」と荒木監督。1997年秋以来21年ぶりとなる北信越大会出場にあと1勝だ。川嶋は「完投して自信がついた。次も勝って北信越出場を決めたい」と言い切った。

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