伊勢湾台風で大きな被害を受けた和泉村の状況を伝える福井新聞紙面

 非常に強い台風21号は9月4日午後に四国から紀伊半島にかなり接近し、上陸する見込み。気象庁は暴風や高波、土砂災害、浸水、河川の増水や氾濫、高潮に警戒するよう呼び掛けている。昭和の3大台風といわれ中部地方を中心に甚大な被害をもたらした1959年(昭和34年)の伊勢湾台風とよく似たコースをたどる恐れがある。伊勢湾台風は福井県でも旧和泉村(現大野市)を中心に九頭竜川流域や若狭湾で大きな被害をもたらした。4日から5日にかけては厳重な注意が必要だ。

 伊勢湾台風は59年9月に発生した15号台風で9月26日和歌山県の潮岬に上陸。紀伊半島を縦断し、和歌山、奈良、三重、岐阜と進み、福井の県境付近をかすめて富山県付近で日本海に抜けた。潮岬上陸時の気圧は929ヘクトパスカルで観測史上2番目に低かった。

 満潮と重なった伊勢湾に高潮被害をもたらすなど強風、高潮、大雨で全国の死者・行方不明者が5000人を超える過去最悪の台風だった。

 福井県では潮岬上陸前から九頭竜川上流で激しい雨となり、和泉村朝日では、洪水が右岸堤を越流して一気に村内を貫流したため、避難途中の住民26人が犠牲となったほか、家屋や田畑も流失するなど大きな被害を被った。大野市も同市唯野~新河原間の堤防から越水し多くの水田を流失・埋没させたほか勝山市、松岡町(現永平寺町)、福井市、三国町(現坂井市)などで九頭竜川の氾濫被害が出た。九頭竜川流域の被害は、流失や損壊した住家が99戸、床上浸水家屋数が1,517戸、床下浸水家屋数が5,031戸、罹災者数が31,616人にのぼった。

 若狭地方山間部では200mmを越す豪雨があり、南川・多田川が氾濫して、小浜市、高浜町など家屋の全壊・半壊等大きな被害となった。福井県内全体で死者・行方不明40人がでる災害だった。

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