【越山若水】「鯖(さば)の斑(まだら)に若狭の秋を思ひけり 赤尾冨美子」。北方系のマサバは秋になると、脂がのって味が良くなる。それが証拠に「秋鯖は嫁に食わすな」ともいわれる▼鮮度が落ちやすいため、小浜のサバは塩サバにして京都へ運ばれた。そのルートは特に鯖街道と名付けられ、京の台所でなじみのタンパク源として重宝された▼県内でも丸ごと串に刺した焼き鯖を食べる機会は多い。焼き鯖ずしや鯖のへしこなどもよく食卓に上る。またそれらが福井の代表的な土産として人気を呼んでいる▼さて全国区の話題であるが、近ごろサバの缶詰が話題になっている。青魚にはドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)が多く含まれ、認知症や動脈硬化の予防に効果がある▼これが健康志向の中高年のハートをキャッチ、サバ缶の販売が絶好調らしい。業界統計によると、2016年の缶詰生産量は王者・ツナ缶を抜いてトップに躍り出たという▼缶詰とあって下処理や臭み取りが不要で、骨や皮も丸ごと食べられる。雑誌ではサバ缶料理の大特集。スーパーの売り場でもまさに主役級の取り扱い▼きょうから9月、秋鯖がおいしい季節を迎える。全国のサバ缶ブームも興味深いが、小浜市が鯖復活プロジェクトの一環として取り組む「よっぱらいサバ」も注目株だ。やはり地元推奨の新名産に秋波を送りたい。

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