ウィーチャットペイが使えることを示す看板と、店側が使用する端末のアプリ画面=福井県勝山市のスーベニアショップラプトル

 中国で広く使われているQRコードを使ったキャッシュレス決済ツール「ウィーチャットペイ」の導入が、福井県内の観光地で広がっている。2023年の北陸新幹線県内延伸などを見据え、中国人観光客の受け入れ態勢を強化する狙いだ。

 ウィーチャットペイはスマートフォンアプリを使って手軽に決済する機能で、現金を使わないキャッシュレス社会が進んでいる中国での利用者は約6億人に上るという。

 店側はスマホやタブレット端末に専用アプリをインストールするだけで、決済端末の設置は必要ない。初期費用は不要で、決済金額に応じた手数料がかかる。会計の際はアプリを起動し、金額を入力。顧客側のアプリ内にあるQRコードを端末で読み取ると決済が完了する。

 福井県立恐竜博物館前にある土産物店「スーベニアショップラプトル」(勝山市)は7月下旬に導入。運営する勝山市観光まちづくり会社の今井三偉マネージャーによると「路線バスに乗って恐竜博物館を訪れる中国人客は増えている」という。

 ただ、ウィーチャットペイを使いたいという要望があったわけではない。19年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会や20年の東京五輪、23年の北陸新幹線県内延伸などで中国人観光客が増えることを見込み、利便性を高めようと導入を決めた。

 あわら市の芦原温泉旅館でも広がっている。グランディア芳泉は、ホームページを外国語対応にするなどインバウンド(訪日外国人客)受け入れ強化の一環で整備した。まつや千千はキャッシュレス社会の進展を見据え、国内の電子マネーとともに導入。「中国人客に来てもらって困らないようにしたい」としている。

 観光庁の推計では、17年に県内で宿泊した外国人は約6万1千人で、そのうち中国人は約1万人。県は外国人の県内宿泊者数の目標を18年8万5千人、19年10万人としている。勝山市観光まちづくり会社の今井マネージャーは「受け入れ強化策の一つとして、ウィーチャットペイの導入が県内の多くの観光地に広がれば」と話している。

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