毎年の健康診断の採血検査で、中性脂肪の数値が高めに出ます。今年は「176mg/dl」で「要再検査」となりました。肥満体形ではなく、睡眠は規則正しく、食事もバランスがとれていると思います。中性脂肪が多いと、動脈硬化が進み、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが増えるということで心配です。関係あるのか分かりませんが、総ビリルビンの数値も高めです。どういった体の状態が考えられるのか教えてください。(福井県福井市、30代女性)

【お答えします】勝田裕子 福井県立病院内分泌・代謝内科医長

 ■食生活、遺伝、病気の影響など 原因さまざま

 早朝空腹時の採血で、中性脂肪が150mg/dl以上を高中性脂肪血症と定義しています。血液中の中性脂肪の増加は、動脈硬化を進める一因になるため、中性脂肪の測定は動脈硬化性疾患(狭心症、心筋梗塞、脳卒中など)の発症、進展のリスクを評価する目安となります。

 高中性脂肪血症の原因は、食生活から遺伝性のものまで多岐にわたります。頻度の高いものは、糖分や脂肪の過剰摂取、飲酒、運動不足などの生活習慣の乱れ、肥満、メタボリック症候群、糖尿病などです。質問者の方は、肥満もなく、食生活も健全で検診での血糖値異常もないようですので、先のような原因はないとみられます。

 これ以外の原因として、遺伝の影響や体質、別の病気との関連が知られています。遺伝の影響や体質によるものを原発性、別の病気と関連するものを2次性(続発性)高中性脂肪血症といいます。

 2次性高中性脂肪血症をきたす病気は、甲状腺機能低下症、クッシング症候群といった内分泌疾患、ネフローゼ、腎不全、肝疾患、全身性エリテマトーデス、骨髄腫、薬剤性(ステロイドホルモン、女性ホルモンなど)があります。2次性の場合は、原因となる病気の治療や薬剤中止によって中性脂肪値が改善します。

 ■原発性疑う場合、 詳しい血液検査が重要

 2次性が否定されると、原発性の可能性があります。原発性は遺伝的な要因により、中性脂肪の分解・合成異常が起こります。家族内に高脂血症の人がいると可能性が高くなります。遺伝素因に加えて、過食やアルコール多飲、肥満、糖尿病によって中性脂肪が上昇しやすいため、生活習慣の改善が一層重要です。原発性を疑った場合は、さらに詳しい血液検査が必要になりますので、医療機関を受診してください。

 高中性脂肪血症が続く場合は、ABI、負荷心電図、頚動脈エコーなどによる動脈硬化の評価が望ましいです。総ビリルビン高値に関しては、ビリルビンには直接ビリルビン、間接ビリルビンの2種類があり、増加している種類により原因疾患が変わってきます。中性脂肪高値との関連は不明ですが、医療機関での精密検査をお勧めします。

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