多様なアンモナイト化石が並ぶ企画展=福井県大野市和泉郷土資料館

 福井県大野市和泉地区で発掘された約1億6千万年前(ジュラ紀)のアンモナイト化石を紹介する企画展が大野市和泉郷土資料館で開かれている。県内初の「サブディスコスフィンクテス」など同市長野の地層「手取層群長野頁岩層」で発掘された10点を初公開。市教委の酒井佑輔学芸員は「これまで長野は『幻の産地』と言われてきたが、実際に産地として確認できた。多様性も高く、全国に誇れる産地」と話す。

 大野市内にはアンモナイトが発掘される地域が5カ所ほどあり、国内有数の産地として知られる。

 長野で初めて発掘されたのは1888年。日本の古生物学の礎を築いた故松島鉦四郎氏が学生時代に採集し、1904年に新種「ペリスフィンクテス・マツシマイ」と名付けられた。だが長野以外の詳しい産出地は記載がなく、研究も進展しなかったため幻の産地とされてきた。

 今回の化石は2012、13年、九頭竜ダム近くの国道158号にスノーシェッドを設置する工事で排出された岩石から発見された。前学芸員が調査に当たり、15年には県立恐竜博物館などが130の標本を同定。松島氏が発掘したペリスフィンクテスの仲間やサブディスコスフィンクテス、オケトセラスなど8属10種を確認した。

 「アンモナイトは進化が早く、地層の時代を特定する基準になる。多様性があればより細かい年代が決められる」と酒井学芸員。今回確認された地層はジュラ紀後期のオックスフォーディアン(約1億6千万年前)とみられるという。化石は当時の環境や生き物の生態を知る手がかりにもなるとし「長く研究されている大野でも、まだまだ新しい発見がある。いろいろな視点で化石探しを楽しんでほしい」と話している。

 企画展「ジュラシック・アンモナイト―オックスフォーディアンの海」では富山県で見つかった同年代の化石を含む35点を展示している。11月4日まで。

関連記事