決勝で対戦した両校の記念撮影で握手を交わす大阪桐蔭・柿木(前列左から3人目)と金足農・吉田(同4人目)ら=21日、甲子園球場

 第100回全国高校野球選手権大会は、今春の選抜大会を制した大阪桐蔭が、史上初となる2度目の春夏連覇を達成して幕を閉じた。

 夏の甲子園大会が100回の節目を迎え、高校野球がかつてないほど注目された1年間だった。

 例年よりも出場校が7校多く、大会日程が長かったことあって、観客動員は史上初めて100万人を突破。高校野球がいかに根強い人気を誇っているかが、あらためて浮き彫りになった。

 一方で、競技人口の減少にはしっかりと目を向けなければならない。

 日本高野連によると、2018年度の硬式の部員数は、昨年度より8389人少ない15万3184人で、4年連続の減少となった。

 1年生部員は平成以降で最も少ない5万413人。人材の主たる供給源だった中学軟式(男子)の選手数が激減しており、今後も明るい見通しは立てられない。

 「高校野球は見に行きたいが、子どもに高校野球はさせたくない」―。今、こんな状況が起きている。

 根性論に基づいた旧態依然の指導法、拘束時間が長く非効率な練習、保護者の負担が大きいお茶当番。そういった一つ一つの事象が、野球離れの原因となっている。

 新潟県の各野球団体が連携する「新潟県青少年野球団体協議会」では、県高野連をはじめ、中体連、学童野球、リトルシニアの関係者らが話し合いを重ね、野球人口の減少に対する施策などを考えてきた。

 県高野連の富樫信浩会長は「今やらなければ、野球はマイナー以下のスポーツになってしまう」と危機感をにじませる。

 2016年1月には、選手や指導者への心構えを示した「新潟メソッド」を発表。60ページのカラー冊子には、野球がいかに楽しいものかというメッセージが込められている。

 富樫氏は「これを読んで、野球を始めてもらいたいという思いもある。だから、親御さんにも読んでほしい。野球で学べることは、本当にたくさんある。日々の会話とか、指導の中で、メソッドの精神を伝えていってほしい」と語る。

 野球界はこれまで、人気にあぐらをかいてきた。黙っていても身体能力の高い選手が入ってきたし、ハードルを上げることで質を担保してきた側面もある。

 「何百人いた新入部員が、猛練習で夏頃には十数人になった」という類いの話が、武勇伝のように語られることもあった。しかし、そんな時代はもう終わった。

 高い人気を誇ってきた野球界が、普及や振興に取り組むのは初めてのことだ。富樫氏は「野球人口の減少に対する施策といっても、これが答えだというのはない。ただ、最適解はないけれど、動かないと最適解にもたどり着けない」と話す。

 野球に携わる全ての者が正しく現状を理解し、行動しなければ、この難局は乗り越えられない。

竹内 元(たけうち・はじめ)プロフィル

全国紙での勤務を経て、2012年に共同通信入社。大阪運動部や広島支局でプロ野球を取材した後、大相撲やボクシング、一般スポーツなどを担当。17年から高校野球キャップ。100回大会にあたっては、高校野球の未来を考える大型連載を執筆した。東京都出身。

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