北朝鮮による日本人拉致問題解決について決意を示す安倍晋三首相=8月27日午後1時15分ごろ、福井県福井市のザ・グランユアーズフクイ

 自民党総裁選への出馬を表明した安倍晋三首相が8月27日、福井県入りし、福井市で開かれた県連の党員研修会で講演した。北朝鮮による日本人拉致問題について「いまだ解決できていないのは痛恨の極み。安倍政権のうちにこの問題を解決し、(拉致被害者の家族が)自らの手でお子さんを抱きしめる日がやってくるまで全力を尽くす」との決意を示した。さらに「私自身が向き合いながら解決しなくてはならないと思っている」と述べ、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との直接対話に意欲をにじませた。

 安倍首相は、26日に総裁選出馬を表明したばかり。講演では、県内の党員・党友ら約700人に向かい、第2次安倍政権発足後の実績を紹介したほか、中小企業の人手不足対策、都市と地方の格差是正などの政策を訴えた。外交面ではトランプ米大統領と築いた信頼関係が生き、米朝首脳会談で金正恩委員長に拉致問題が提起されたことを強調した。将来の日朝首脳会談にも言及し、引き続きかじ取り役を担う決意をにじませた。

 憲法改正に向けた意欲も示した。党の改憲4項目のうち憲法9条への自衛隊明記について「憲法学者のうち、(自衛隊が)違憲ではないという人は2割しかいない。違憲論争に終止符を打ちたい」と意気込んだ。最後に「来年は皇位の継承などがあり、日本は歴史の大きな転換点を迎える。今こそ、ともに日本の明日を切り開いていこうではないか」と支持を呼び掛けた。

 研修会に先立ち、福井市山室町の染色加工・織物製造の「ミツヤ」を訪問。航空機のエンジン部品に採用されている炭素繊維シートの製造現場などを視察した。西川一誠知事と面談し、北陸新幹線の早期全線整備や原発の必要性への国民理解促進、参院選の合区解消などについて要望を受けた。

関連記事