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 欠点だらけだけど、どこか憎めない。それは映画の主人公としては、確かに魅力的(寅さんが、そう!)。でも、周りに実際にいたら迷惑だし、ウザい。そんな、フランスになら大勢いそう(偏見?)な女性のリアルを描く“冒険映画”で、“自分探し”の内省的な物語でないところがいい! 昨年のカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞とよく訳されるが、正しくは新人監督を対象とした作品賞)受賞作だ。

 31歳のポーラは、10年間付き合った写真家の恋人に部屋を追い出され、ある日突然、無職、宿無し、無一文の身に。仕方なく、学生だと偽って住み込みで複数のバイトを始めるが…。新星レティシア・ドッシュが演じる、いい年をして行き当たりばったりで計画性ゼロのポーラには、即興芝居のような生々しさがある。そんな彼女が、人間の共演者たちだけではなく、猫やドアといったさまざまなものと“ぶつかる”ことで、化学反応やアクションが生まれる。

 これが長編デビューとなる女性監督レオノール・セライユは、元々は脚本家志望だったそうだが、セリフや会話に頼ることなく、ポーラの行動と個性を推進力に物語を動かしていく。だから、冒険映画。そして最後は、最も美しく、叙情性すらたたえた最高のラストカットで、この映画を締めくくるのだ。★★★★☆(外山真也)

監督・脚本:レオノール・セライユ

出演:レティシア・ドッシュ、グレゴワール・モンサンジョン、スレイマン・セイ・ンディアイ

8月25日(土)から全国順次公開

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