自作した自慢の鉄道模型を紹介する山崎正清さん=福井県敦賀市

 福井県敦賀市で楽器店を営む山崎正清さん(86)が、75年にわたり鉄道模型「Oゲージ」を作り続けている。これまでに製作したのは100両を超え、そのうち半数近くは車体の製作から塗装まで全て手作業。現在は、JR敦賀駅で2000年代初頭まで実働し、鉄道のまちを象徴した転車台の製作を手掛けており、今秋にも完成させたいと意気込んでいる。

 蒸気機関車の迫力ある汽笛の音や姿に魅了され、模型作りを始めた山崎さん。少年時代は高価で数も少なかったため店先に並ぶ模型に手が出ず、不要になったスピーカーの部品でモーターなどを自作。手に入る材料を加工して、模型作りに情熱を傾けてきた。

 Oゲージは実際の45分の1の大きさで、昭和の中頃まで主流だったサイズ。現在は160分の1以下のNゲージが主流で、Oゲージの模型はほとんど売っていないという。「Oゲージのほうが大きくて迫力があるし、自分で作ったものを動かしたいから」と地道に車体から手作りしている。

 模型は、自身の目で見た記憶や雑誌の写真を元に1両あたり約半年をかけて仕上げる。木の板や厚紙で車体を作りスプレー塗料で塗装。小さな車窓にも一枚一枚プラスチック板をはめ込み、手すりは針金を使うなどこだわって仕上げている。

 現在は店舗2階が山崎さんの“車両基地”。小浜線を走っていたオレンジ色の塗装が目を引く気動車「キハ17形」をはじめ、デゴイチの愛称で親しまれる蒸気機関車「D51」などがずらりと並ぶ。今年に入って進めているのが、JR敦賀駅東側に現存していた転車台の製作。県の移設保存決定をきっかけにかつての風景を再現しようと、木材やモーターを組み合わせた可動式の完成を目指し試行錯誤している。

 「新幹線もいいけれど、汽車や旧型車両のほうが味がある」と話す山崎さん。転車台の復元やSLを走らせる計画がある市の金ケ崎周辺整備計画の実現が楽しみで「敦賀は鉄道と港のまち。SLと港のコラボレーションを見てみたい」と期待に胸を躍らせている。
 

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