子どもから「口が臭い」「うんこのような臭いがする」と言われることがあり心配になっています。自分では分からないし、気にならないのですが…。歯磨きは朝と就寝前にしています。口臭の予防法と対策について教えてください。また、どんな臭いがするかで原因が分かるのでしょうか。(福井県敦賀市、40代女性)

 【お答えします】山田和人 福井赤十字病院歯科・歯科口腔外科部長

 ■「他臭」には原因あり

 口臭について悩まれているようですね。まず口臭には大きく分けて、自臭と他臭があります。自臭とは自分自身が臭いがすると感じるもので、他臭は自分では感じないが他人が感じるもののことを言います。自臭の中には自分は臭いを感じるものの、他人は全く臭いを感じないものもあり、精神的な要因を多く含みます。あなたの場合は、ご自身は臭いを感じないものの、子どもさんが臭いを感じているとのことで他臭に当たり、明らかな臭いの原因があるものと考えます。

 本来、口腔(こうくう)内は体温で温かく、水分で満たされ、多くの食物が入ってくる場所であり、多くの細菌がすみ着いています。一般的には800種類以上の細菌がいるといわれています。十分に歯磨きをしても細菌は残っており、15分に1回分裂を繰り返し、1時間で16倍に、5時間で100万倍に増殖します。このため寝る前にどんなに歯磨きをしても、朝起きた時には多少臭いがあり、これを生理臭といいます。この臭いはうがいなどで洗い流されるもので、気にする人はあまりいません。

 ■「嫌気性菌」が増殖か

 「便のような臭い」との指摘を受けておられます。腸の中のように酸素が少ない状態での細菌による分解によって便臭が生じるため、嫌気性菌(酸素が少ない状態で増殖する細菌)が原因ではないかと考えます。

 口臭の原因はいろいろありますが、胃や食道に原因があるものはごく一部で、大部分は口腔内に原因があります。口腔内は体表に近く、比較的酸素が多い場所です。このため嫌気性菌は口腔の表層にはあまりすみ着きません。嫌気性菌がすみ着く場所としては深い歯周ポケット内や根尖病巣内が疑われます。

 また口腔表面は、細菌を少なくする作用を持つ成分、口腔粘膜を潤す成分を含む唾液で覆われることによって、細菌の侵入を防ぎます。唾液の量が少なくなってしまう口腔乾燥は、細菌の量を増やし、臭いの成分が濃縮することでより口臭を増強します。

 一度、かかりつけ歯科医院を受診し、病巣の有無の確認をすることをお勧めします。

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