エアコンが壊れたままの室内。生活保護を受給する女性はカーテンを閉めて日差しを遮り、扇風機で過ごしている=8月7日、福井県福井市内

 厚生労働省は、暑さが本格化する前の6月下旬、熱中症対策のため、本年度から生活保護の受給を始めた世帯で要件を満たせばエアコン購入費用と設置費用の一部を支給することを認め、各都道府県などへ通知した。しかし、一昨年から受給している女性は対象に含まれず「もし制度を利用できるならエアコンを買い替えていた。生活保護者の中で差別されるのはおかしいのでは」と疑問を投げかける。

 生活困窮者を支援する反貧困連絡会(福井市)によると、敦賀市で生活保護を受けている無職の高齢女性は先月、熱中症の疑いで医療機関を受診した。部屋にはエアコンがなく、国の支給対象者にもなっていない。このままでは危険との周囲の説得を受け、電気店の好意で安くエアコンを設置、安心して生活できるようになったという。

 「エアコンがあっても電気代が心配で使うのを我慢している」「解体現場を歩き回りクーラーを譲ってもらえないか探している人もいる」-。同連絡会は7日、エアコン購入費支給や電気代補助などを拡大し熱中症対策を強化するよう、西川一誠知事宛てに申し入れた。

 同会メンバーは「生活が厳しい中どうやって購入費を捻出するのか。国の制度は実態に見合っておらず、矛盾がある」と指摘した。

 対応した県地域福祉課は「税金を使い(低所得者に)最低限度の生活を保障する制度。必要なものは生活保護費でまかなうのが原則で、国が示す全国統一の基準に従わざるを得ない」との見解を示しつつ、対策を求める声が他県でも高まった場合「全国知事会などを通じ国へ要望する可能性もある」としている。

 同課によると、生活保護受給者は6月時点で県内に4116人おり、8月8日までに手続き中を含め計7人がエアコン購入費支給制度を利用した。

関連記事