エアコンが壊れたままの室内。生活保護を受給する女性はカーテンを閉めて日差しを遮り、扇風機で過ごしている=8月7日、福井県福井市内

 今夏、記録的な猛暑となる中、生活保護を受けている人など低所得者が熱中症の危険にさらされている。福井県内でもエアコンが買えなかったり、電気代が払えず使用を控えたりしているケースがある。国は生活保護受給者に対しエアコンの購入費支給を認めたものの対象が限定的で、支援団体は「命に関わる問題。対象を拡大するなど早急に対策を」などと訴えている。

 福井県のまとめによると、5月1日以降に熱中症の疑いで救急搬送された人は8月7日までに488人に上り、昨年同期の2倍。中には部屋にエアコンがなかったり、設置していても稼働させていなかったりする人がいるという。

 福井市の賃貸マンションで1人暮らしする50代のアルバイト女性は昨年、自費で約10年前に取り付けたエアコンが故障した。腎臓の病気を患いフルタイムで働くことが難しくなったため、月10万円ほどの生活保護費を一昨年から受給しているが、保護費は食事や電気代に消え、エアコンは壊れたままだ。

 「修理しようとしたけれど買った方が安上がりだと分かった。貯蓄だけでは足りず、借金すると収入とみなされ(生活保護の)支給額が減ってしまう。にっちもさっちもいかない」と嘆く。

 女性はこの夏、頭痛と吐き気に襲われ、何度も熱中症になりかけた。夜も気温が下がらず、扇風機では寝苦しいため睡眠不足が続く。今春就職した娘は昨夏、暑さに耐えられず、友人宅や親戚に身を寄せて過ごしていたという。

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