福井市の見直し事業を〝復活〟させた「できるフェス」のプールコーナーで遊ぶ子どもたち=8月12日、福井県福井市中央公園

 今年2月の記録的な大雪の影響による財政難で福井県福井市が中止や縮減を余儀なくされた事業を、市民の力を集めて“復活”させるイベント「できるフェス」は8月11、12の両日、市中央公園で開かれた。中止が取りざたされた学校プール開放に代わって家庭用のプールを並べて遊べるエリアをつくるなど、県内有志の実行委員会ができる範囲の代替事業を手作りで提供し、会場には親子連れたちの笑顔があふれた。

 県内在住・出身のデザイナーや会社員、公務員ら約30人の実行委が企画した。福井市が中止・縮減する方針を決めた約150事業から、自分たちのアイデアで補える取り組みを抽出。趣旨に賛同した団体の参加も含め、公園内に13のコーナーを用意した。

 12日は、プールシェアコーナーに、実行委で集めた大小さまざまな家庭用プール約30個が並べられた。水着の子どもたちは、スタッフと水を掛け合ったり、水鉄砲を撃ち合ったりと大はしゃぎ。シャボン玉の演出にも歓声が上がった。小学生の母親は「学校のプールが中止になったから、手軽に水遊びをさせられる場はうれしい」と目を細めていた。

 図書館や学校の書籍購入費の削減に対しては、持参した本を会場の一冊と交換できるコーナーを開設。絵本や雑誌など約50冊が並び、来場者が興味深げに品定めしていた。敬老祝い金進呈事業では、その場で撮影した写真にメッセージを添えて祖父母に贈るサービスが人気を集めた。11日には文化関連の事業縮減に対応した野外映画上映とジャズコンサートが催された。

 家族3人で各コーナーを巡った福井市の30代男性は「財政難であっても、市民の力だけで楽しい場はつくれることを実感した。自分でも何ができるか考えるいい機会になった」と話していた。

 実行委代表で国際協力機構(JICA)職員の高野翔さん(35)=同市出身=は「自分たちの内側にある創造力をエンジンにして手を取り合えればいろんなことができることを、参加した皆さんと一緒に実感できた。一人一人の『できる』が水紋のように広がり、彩り豊かな福井の未来につながってほしい」と、期待を込めていた。

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