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 幸福の国ブータンに暮らし、千年以上の歴史を持つ寺院を代々受け継いてきた家族の姿を追ったドキュメンタリー。お兄ちゃんのゲンボは16歳。お寺を継がせるためにゲンボを僧院学校に行かせようとする父親に、反抗心を抱きながらも何も言えない真面目な男の子。優しい兄のことが大好きな妹のタシは15歳。彼女は家族曰く「男の子の魂を持って生まれてきた女の子」。サッカーのブータン代表になることを夢見て毎日サッカーをする日々。妹のことを誰よりも理解して、いつも笑顔で見守るお兄ちゃんには僧院学校になんて行って欲しくありません。

 海外のサッカーを夢中になって観ていたり、スマートフォンをいじってフェイスブックをチェックするゲンボの姿は、日本の若者たちと何も変わりません。違うのは、彼らには守らなければいけない「伝統」があるということ。欧米と違い、日本でも歌舞伎やお寺など、親の家を継ぐ家庭はあるので、とても身近な存在に感じます。

 近代化が進んだことによって、たった一つの道しかなかった若者たちに開けたのは幾多の将来の道。彼らの親は一体どんな選択を子ども達にさせるのか。私の息子もいま大学受験真っ只中ですが、どこの国も親の悩みは一緒なんだなって思いました。さて、ブータンの兄妹の未来はどこへつながっていくのでしょう。★★★★★(森田真帆)

監督:アルム・パッタライ、ドロッチャ・ズルボー

8月18日(土)から全国順次公開

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