全国高校総体ソフトボール男子決勝 大村工―啓新 優勝を決め、歓喜の輪をつくる啓新ナイン=三重県の山崎運動公園くまのスタジアム

 【全国高校総体(インターハイ)ソフトボール男子】

 最後の打者を三ゴロに打ち取ると、マウンドで渾身のガッツポーズをつくるエース大西泰河にナインが次々と集まり、人さし指を高々と突き上げた。ソフトボール男子啓新が「本当の意味でチームになって」(山崎均監督)悲願の日本一をつかんだ瞬間だ。

 優勝を狙って臨んだ春の全国高校選抜大会は、冬に鍛えた力を試そうと個人技に走った末に16強止まりだった。7月にU―19(19歳以下)日本代表として世界ジュニア選手権に出場した大西泰はナインに伝えた。「最初は自分がよければいいと思っていた。でも、チームが一つにならないと勝てない」。

 今大会は一人一人がチームのために、と考えて勝ち上がってきた。打線はつなぐ意識を持ち、守備ではアウトを取る度にマウンドに駆け寄り声を掛け合う。一体感があった。

 決勝の三回。1死満塁から二ゴロの間に生還した本塚勇太主将は「一歩目に集中」と最高のスタートを切った。さらに細川涼磨の三遊間への鋭い当たりが敵失を誘って2点目。執念でもぎった得点を、大西泰は「野手を信じて投げた」と圧巻の12奪三振で守った。

 山崎監督は「勝つなら接戦しかなかった。今できる最高のパフォーマンスをしてくれた」と目頭を熱くした。昨年準優勝の雪辱を果たし、大西泰は「3年間しんどいことしかなかったけど、この監督と仲間と勝ててよかった」。金メダルに負けないくらいの輝く笑顔をみせた。

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