能郷白山の山頂付近にある奥の院で手を合わせる登山者=8月9日

 白山と同様、奈良時代の越前の僧泰澄が開いた能郷白山(のうごうはくさん)(福井県大野市・岐阜県境、1617メートル)が今年、開山1300年を迎えた。福井県では荒島岳と競った末に選外となった幻の日本百名山でもある。記念年に当たり、岐阜県側の麓の本巣市は能郷白山を含む名山巡りを企画。福井、岐阜県外から例年以上の登山客が山頂を目指しているという。11日は山の日―。

 能郷白山開山1300年実行委員会(本巣市)によると、本巣郡誌などに「養老元(717)年に加賀白山を開いた僧泰澄が、翌年3月13日に開いた」とある。麓で毎年4月13日に行われる国指定重要無形民俗文化財「能郷の能・狂言」も、泰澄開山の伝承に基づくという。

 深田久弥は著書「日本百名山」の荒島岳(大野市、1523メートル)の項で、「(岐阜県境では)能郷白山だけが一きわ高く、長大な白山山脈の最後の盛り上(あが)りであり、一部の登山家の間に知られていた。(中略)選ぶとしたら能郷白山か、荒島岳か」と迷ったことを記している。

 福井県側から能郷白山へは、大野市中心部から国道157号を南下し温見峠の登山口から入山する。前半は急登が続くが、後半はなだらかな尾根道。竜が寝ているかのような形状から名付けられた「臥龍(がりゅう)ダケカンバ」や、断層跡などの見どころがある。

 9日に仲間3人と登頂した静岡県の鵜塚久美子さん(68)は「霧が深くて残念でしたが、花がきれいで楽しめた。思いがけず記念の年に登頂できてうれしい」と話していた。

 本巣市側では「本巣七名山巡り」を来年3月1日まで企画。いずれも同市内の、古田織部ゆかりの城跡がある文殊山(もんじゅやま)、標高1234・5メートルで知られる大白木山(おじろぎやま)、大茂山(おおもやま)、倉見山(くらみやま)、岩岳(いわたけ)、雷倉(かみなりくら)と能郷白山に登頂し、山頂標識を入れた「自撮り写真」を集める。三山もしくは七山分の写真で記念品が贈られる。企画した本巣山人(やまびと)連絡協議会事務局の三本木隆さんは「能郷白山を始め七つの山に親しんで」と話している。問い合わせは本巣市観光協会=電話0581(34)3988。

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