【論説】「福井らしさ」って何だと思いますか?

 こう聞かれて即答できる人は、それほど多くないだろう。食べ物がおいしい、信仰心が厚い、人柄なら実直、きまじめ…といったところだろうか。

 漠然としたイメージの「福井らしさ」の「見える化」を目指し、福井商工会議所は県内の観光地や特産品、イベントなどの福井らしさを測る図表を作った。図表に照らし合わせて特性を細かく点検することで、優位点や弱点を明らかにし、今後の戦略に生かしてもらう取り組みだ。

 会議所は今後、行政や企業に図表の活用を働きかけていく。どこまで浸透するかは未知数だが、福井の魅力を再確認するきっかけになればと思う。

 「プライド・ホイール」と名付けたこの図表は、中心から3段階の円形で構成されている。まず福井らしさを象徴する大きな三つのキーワードとして、県民の気質を表す「直(ひたむき)」、モノやコトの特質である「真(ほんもの)」、暮らしぶりの「幸(しあわせ)」を挙げ、円の中心に配置した。

 これら大分類の外側に、中分類として「真(ほんもの)」なら「とびきり」「まっとう」「すのまま」のように、三つずつの言葉で特性を細分化。さらに最も外側には、各カテゴリーに基づき、より細かい指標を据えた。例えば「まっとう」は「出所の明らかさ」「物語性」「歴史性」「伝統的」といった六つの項目に分別するなど、全部で60の指標が並んでいる。

 さまざまな観光地や商品などについて、これらの指標一つ一つを当てはめ、福井らしさを10段階で判定する。すると優位な項目は突出し、逆に弱点の部分はへこんだ表が出来上がり、評価の特徴を視覚化できる。結果を踏まえ、長所はさらに伸ばしたりPRに生かしたりでき、短所は改善が可能になる、というわけだ。

 日本文学研究者のロバート キャンベルさんは、県外の人に福井に来てもらうには、プライド・ホイールの三つの大分類のうち、「真(ほんもの)」を磨くことが特に重要と説く。多彩なモノづくり、豊かな食、人とのふれあい、温かいおもてなしなど都会にはまねのできない本物の魅力があるからだ。

 今秋の福井しあわせ元気国体・大会、4年半後の北陸新幹線県内延伸が迫り、県外客や外国人に福井をPRする絶好のチャンスを迎える。プライド・ホイールは県外客に福井の魅力を発信するとともに、県民が地元の宝を再認識するツールとしても役立ちそう。効果的に活用し、「福井県民はPRが苦手」という「福井らしさ」は、ぜひとも払拭(ふっしょく)したいところだ。

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