お盆は家族連れで墓参りし先祖をしのぶ=2017年8月、福井市

 お盆をふるさとで迎えようという帰省ラッシュが8月11日から本格化する。お盆はもともと先祖の霊を家に迎えて供養しようという仏教の教えから始まった年中行事。でも地域によってお盆の墓参りは8月でなく7月のところもある。福井市は8月だが隣県の石川県金沢市は7月のお盆だ。正月と違って祝日がないため、いつお盆休みをとるか毎年迷う。まとまって休む会社もある一方で、役所などはお盆と無関係に業務を行う。「旧盆」「新盆」という言葉の意味も今ひとつわからない。同じ仏教でも宗派によって解釈は違う。そんなわからないことの多いお盆だがことしも道路は大渋滞となり、電車や飛行機も満員となる。今も昔も国民的大イベントのお盆ってなんだろう。

 お盆は本来「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と呼ばれる仏教ゆかりの行事。餓鬼道という地獄に落ちた釈迦の弟子が母親のため食事を供え、供養したという仏教説話が元になっている。日本でも飛鳥時代から始まったとされる。明治時代初めまでは旧暦の7月15日を中心に行われてきた。旧暦で15日は満月の日で先祖をしのぶにはふさわしい夜空だった。

 1873年に明治政府が月の満ち欠けを元にした旧暦を廃止し、現在の太陽の動きをもとにした新暦(グレコリオ暦)を採用したことでお盆の日付が地方によって違ってきたた。旧暦のお盆の7月15日は満月だったのに新暦の7月も8月も月の満ち欠けとは無関係になった。

 明治政府が置かれた東京などでは新しい暦に合わせて7月15日に行われるところが多かった。しかし新暦では旧暦よりほぼ一か月気候が早くなってしまいお盆の季節感に合わないため真夏の8月に行う地域が増えてきた。福井県もほぼ8月だ。京都でも7月に行ってきた霊を送り出すための五山送り火を8月16日に行うようになった。一方で石川県でも多くは8月なのに金沢市は7月に墓参りする。

 7月のお盆を「新盆(しんぼん)」、8月のお盆を「旧盆(きゅうぼん)」と呼ぶこともある。しかしもともと7月の日付に行われていたものが新しく8月に変えたわけで「旧」はふさわしくない。「旧暦」に合わせたから「旧盆」という説もあるが季節を合わせただけで「暦」を合わせたわけではない。むしろ旧暦の7月15日を現在の暦に合わせると毎年日にちが変わり、毎年の予定が立たなくなってしまう。新しく亡くなった人が初めて迎えるお盆は新盆(にいぼん)と読む。

 JRや高速道路、航空会社など8月9日ごろから19日までをお盆期間と位置づけ臨時ダイヤを組むなど対応に当たっている。JR西日本によると北陸線の帰省ピークは11日。Uターンは分散傾向で13日から15日という。北陸自動車道は11日から交通量が増え、14日には敦賀ジャンクションで最大15キロの渋滞が出るとの予想を出している。

なぜお盆はまとまって休む?

(Dのコラム全文は福井新聞D刊に掲載しています)

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