福井鉄道の路線バスから荷物を積み替えるヤマト運輸のドライバー=8月8日、福井県池田町稲荷

 交通と物流の事業者が連携し、路線バスで乗客と貨物を一緒に運ぶ「貨客混載(かきゃくこんさい)」が8月8日、福井県池田町を走る路線で始まった。ヤマト運輸(本社東京)が北陸で初めて、福井鉄道(本社福井県越前市)と連携して行う。バスで荷物を運ぶことで配送ドライバーは同町内の滞在時間が約2時間延び、時間指定や再配達の希望に応えやすくなる。バス事業者は、物流業者からの収益を過疎地域を走る路線の維持などに役立てる。

 国土交通省中部運輸局などから貨客混載輸送の紹介があり、ヤマト運輸と福鉄、同町が8日付で協定を締結した。福鉄によると、越前市と池田町を結ぶ路線バスの池田線は人口減のため乗客が減り赤字状態が続いていた。さらに2019年度末の武生高池田分校閉校を控え、通学客の減少が課題となっていた。

 貨客混載は午後2時15分に始発の越前武生駅を出発する便で毎日行う。乗客の負担にならないよう同市芝原3丁目の配送センターで集荷した後、始発のバス停で客が乗車。同町稲荷に停車中、待機していたヤマト運輸のドライバーが荷物を下ろし、配送用トラックに積み替える。

 荷物輸送のためバスの最後列の座席にコンテナを設置した。ミカン箱10個ほどの容量で、クール便も対応可能。11月には乗降口そばに2座席分の荷物スペースを設けた専用バスを導入する。

 ヤマト運輸の同町担当ドライバーはこれまで、配送センターと町を1日3往復していた。昼を貨客混載とし、両市町の往復を朝、夜の2回に減らすことで、移動時間を80分ほど短縮できる。これにより町内でのサービスの充実やドライバーの休憩時間の確保、省エネなどのメリットがあるという。バス輸送の費用は同社が福鉄に支払う。

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