連日の猛暑、好天。強い日差しを浴び、黄金に色づく稲穂=6日、福井市河水町

 8月7日は「立秋」。立秋は「暦の上では秋」と表現されることも多いが、実際の気候は毎年猛暑まっただ中。福井県内でも今年は最高気温が史上最高の39度を記録するなど異常な暑さで立秋が近づいても最高気温が35度を超える猛暑日が続いた。7日も30度超える夏日の予報。週間予報では35度を超える日もある。しばらく涼しくなる期待は薄い。そもそも「暦の上で秋」という表現は適切ではない。立秋を過ぎると「残暑」と表現するのも実態に合わなくなってきた。なぜ「立秋」過ぎても暑いのか。

 「立秋」は「二十四節気」という季節を表す指標の一つ。江戸時代まで日本で使われてきた「太陰太陽暦」(旧暦)では月の満ち欠けを元にして月が全く見えない新月から始まり、次の新月まで29・5日間を一か月とした。月の動きを元にした暦は季節と少しずつずれてくる。古代中国で太陽の動きを元に1年を24等分する二十四節気が定められ、一定の間隔で訪れる節気に合わせて閏月(うるうづき)を入れて季節のずれを調整してきた。

 二十四節気は旧暦の月を決める元ととなるもので旧暦の暦では年ごとに日にちが違った。

 「暦の上」という表現は旧暦に基づいて言われることが多い。しかしことしの立秋8月7日は6月26日。2017年は6月16日。2016年は7月5日と毎年違う。旧暦では6月はそもそも夏で、「暦の上では秋」という間違っている。

 これに対して太陽の動きを元にした現在の暦では「立秋」は8月7日か8月8日と一定している。

 二十四節気は太陽の動きを元にして1年を24に等分して季節を表している。地球が太陽の周りを回る(公転)とき空の上の見かけ上の太陽の位置は少しずつ動き1年かけて元の場所に戻る。地球の地軸が傾いているため太陽の高さも変化し、日照時間の違いで季節が生まれる。

 二十四節気には太陽が最も北側にあり高度が低い「冬至」を基点に太陽が真東から上がり真西に沈む「春分」、最も高度が高い「夏至」、再び真東に戻る「秋分」をはじめ「啓蟄」、「霜降」「大寒」「大暑」などおなじみの言葉が並ぶ。

 「夏至」と「秋分」のちょうど中間が「立秋」でこの日から秋だ。

 毎年5月6日ごろの「立夏」は天気もよく暑くなり始めるころで季節感とも一致することが多いが、立秋はいつもまだ暑い。これは現代だけでなく平安時代の人たちも同じような感覚を抱いていたようだ。三六歌仙の一人藤原敏行は「秋立つ日」、立秋に「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる」とよんだ。立秋になっても目に見えた変化はないが、風が強まってきたという意味だ。立秋は旧暦の平安時代でも暑かったらしい。

 「立秋」前日の8月6日は福井市で33・8度を記録した。福井の隣県の岐阜県下呂市で観測史上最高の41・0度となった。連日の後天で福井市河水町の田んぼで早生(わせ)のハナエチゼンが黄金色の穂を垂らし、熱気を帯びた風に揺れている。

 

 なぜ立秋でも涼しくないのか。

 全文は福井新聞D刊で

(Dのコラム全文は福井新聞D刊に掲載しています)

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