【論説】猛暑の夏休み、エアコンの効いた部屋にこもってスマートフォンやパソコンざんまい―といった子どもたちも少なくないのではないか。ただ、ツイッターなど会員制交流サイト(SNS)に絡んで犯罪被害に遭う児童・生徒の数は年々増え続け、ネット依存の問題も深刻化していることには注意が必要だ。

 政府が先日決定した「第4次青少年インターネット環境整備基本計画」には、子どもを守るのは「一義的には保護者」とある。ITの進化についていけないと嘆く親世代が多い一方で、親自身がスマホ漬けといったケースも指摘される。まずは親が意識を高め、子どもとじっくり話し合う機会を持ってほしい。

 ■急増する犯罪被害■

 SNSをきっかけに知り合った相手からわいせつ行為などの被害を受けた18歳未満の子どもが昨年1年間、全国で1813人に上っていることを知ってもらいたい。5年連続で最多を更新し、2008年に比べ千人以上も増えている。

 背景にはスマホの普及がある。内閣府の調査では、高校生が95%、中学生58%、小学生でも29%とスマホを持つ子どもが急増している。調べものができたり、家族や仲間とやりとりしたりと便利なツールとして、今やなくてはならないものになっている。

 半面、悪意ある大人たちが跋扈(ばっこ)していることも意識したい。罪種別の被害者は淫行など青少年保護育成条例違反が702人、裸の画像を送らせる「自画撮り」などの児童ポルノ570人、児童買春447人などで、主に女子中高生が標的になっている。

 ■一家でスマホ熱中■

 自画撮り被害は昨年、県内でも発生し、身近な問題として捉える必要がある。昨年といえば、神奈川県座間市で起きた9人の殺人事件が記憶に新しい。ツイッターに書き込んだ自殺願望の女子高生3人を含む若い女性らが狙われた。家族や周囲は対応できなかったのか、改めて考えさせられる事件だった。

 確かに思春期の中高校生ともなれば、親を煙たがるのは自然なことだろう。だが、そこは声かけでもいいから、親子でつながる努力を求めたい。また、子どもの生活態度などに十分に目配りしてほしい。

 気になるのは、注意を払うべき保護者がスマホなどに夢中になる図だ。国立青少年教育振興機構の調査で「家族が一緒にいてもそれぞれが自分の携帯電話やスマホを操作している」との問いに、「よくある」とした小中学生が2割強もいた。これでは保護者自らが親子の対話のチャンスを逃しているのも同然である。

 ■「子守」代わり■

 子どもが有害サイトなどにアクセスできないようにするフィルタリング設定は5割に満たない。ネット利用に関して「ルールを決めている」との回答は、保護者の83%に対して子どもは65%とギャップが大きい。

 ネット依存も深刻だ。厚生労働省の推計で大人421万人、中高校生52万人で大半はゲーム依存という。世界保健機関が先日、オンラインゲームなどのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」を新たな疾病として認定した。「うちの子に限って」という過信は禁物だ。

 ネットなどで最近、目にとまるのが乳幼児にスマホを使わせる親が増えていること。むずかる子をあやす「子守」としての利用が多いようだ。

 賛成派からは「子どもの可能性を広げる」「多様な文化に触れ合え、情操教育になる」との声が上がる一方、「視力や睡眠、心身の成長に悪影響」「スマホ中毒になる」と批判的な声もある。保護者は賛否両論、さまざまな意見があることを知っておくべきだろう。

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