【越山若水】わりあい朝早く目覚めるのに、ぐずぐずと出勤の遅いのが習い性だ。「早起きは三文の徳(得)」である。でも、これでは意味がないと「朝型勤務」を思い立った▼頭にあったのが県の取り組みだ。2015年から毎夏、職員が交代で普段より1時間早く出退勤している。長時間勤務を抑え、仕事と家庭を両立させる狙いだ▼効果の程は始めたばかりでは分からない。けれど、不便さはすぐに実感した。誰かに何かを問い合わせたいとき、相手の出勤をじりじりして待たなければいけない▼そんな弱点を補う方策として、これは意外に良策かもしれない。2020東京五輪・パラリンピック組織委員会が先に、政府へ申し入れたサマータイム(夏時間)の導入である▼朝型勤務との違いは、国全体で時計の針を1時間進めること。実現すれば、午前7時開始としているマラソンは現在の6時に出発できる。今夏の記録的な猛暑を踏まえた対策だ▼2020年の1年限りでもいい、と森喜朗会長は言う。それだといかにも取って付けたような話で、不慣れがゆえの混乱ばかり引き起こしそうだ▼戦後の4年間、わが国はこの制度を採用していた。残業が増えたり寝不足を招いたり、と不評で廃止した。南北に長い日本列島には不向きだとの説もあるから、導入には慎重でありたい。けれど、この酷暑を思えば検討の余地はある。

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