東京都新宿区の東京医科大=8月2日午後

 東京医科大(東京都新宿区)が女子受験者の得点を減点していた疑惑が浮上した8月2日、背景として女性は結婚や出産を機に離職するケースが多いとされたことに対し、女性医師支援に取り組む福井県内の関係者からは「復職支援にこそ力を入れるべきで本末転倒」と驚きや怒りの声が上がった。

 福井県が県医師会館(福井市)に開設している「ふくい女性医師支援センター」のコーディネーターの一人で県済生会病院(同市)の細川久美子・産婦人科部長は「事実ならあってはならないこと」と断言。「医療は日々進歩しておりいったん職場を離れると復職が難しい面はあるが、男性も病気などで離れる場合があるし、結婚や出産を選ばない女性もいる。女性という理由だけで(医師への)入り口を制限するのはおかしい」と指摘する。

 東京医科大は女子合格者を全体の3割前後に抑えていたが、福井大医学部医学科の2018年度入学者111人のうち女性が50人と45%を占める。受験者に対する入学者の割合は男性より女性が高い傾向が近年続いており、医学部の入試担当者は「女性を理由に減点するなんてあり得ない」と言い切る。

 厚生労働省の調査によると、福井県内の医療機関で働く医師は16年末時点で1922人。このうち女性は348人で、約20年で倍増した。県地域医療課の医師確保担当者は「出産や育児を経験することで患者や家族の気持ちにより寄り添える利点もある。出産、育児を理由に差をつけるのはおかしい」とあきれる。

 受験生を送り出す側の県内高校のある校長は「時代遅れで想像を絶する世界。理解できない」と話した。

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