「大量の宿題とドリル教育の価値」をテーマにおしゃべりを展開した「福井新聞オンライン×ゆるパブコラム・オフ会」=7月、鯖江市内

 ■伸ばすより均質性

 話を進めるうちに、宿題をちゃんとさせることが子どもたちの統率を取ることに役立っているとの観点から、福井県の小学校教育が子どもたちの個性を伸ばすより均質性を高めることを重視しているのではないかという考えに達した。要するに、天才を生むより、落ちこぼれを作らないような仕組みになっているという話しだ。

 均質性を求めることは卒業式にも表れていると県外出身の参加者。「卒業証書の受け取り方がみんな同じでびっくりした」と横浜市出身の30代女性。学校行事で目にした一コマが印象に残ったという。若新さんが、福井県内では卒業式が行われる2週間ほど前から、寒い体育館で予行練習を入念にし、式中に歌う曲も合唱コンクール並みに練習することを紹介すると、「東京では、ここで起立・着席するという練習はしたけれど、みんなでビシッとそろえることまではしない。そんなにそろっていたら逆に気持ち悪い」(東京出身30代男性)、「そんなに練習したら本番が全然感慨深くなくなってしまう」(神戸出身20代男性)と驚きの声が上がった。県内の30代中学校教員は「教育委員会や保護者、来賓が大勢出席する中で、卒業式は学校がちゃんと生徒を管理できていることを示すお披露目の場だ」と説明した。

 宿題を多く課していることが均質性を高める効果があるかどうかは別にして、その意義を感じる声はあった。「大きな企業では、上意下達でルールにのっとって、やっていく人間が基盤を作っている。(そういう人材を輩出できるのが)福井の教育のクオリティー」(福井市出身40代男性)。「福井では最低限のルールはみんな守っていて、極端に変なやつがいないという安心感はある。東京だと、変に絡むといじめられるんじゃないかという、ガチでやばいやつがいる」(東京出身30代男性)。チームプレーができて、指示通り最低限の任務を遂行する能力が培われることは、学校生活や将来の勤務先でも役立つということに疑いの余地はないとの意見だ。

 ただ、社会の変化に伴い求められる人材も変わっていく中で、これまでと同じ教育の在り方でいいのか疑問の声が上がった。中学校教員の男性は「学校の先生をしている教員たちは子どもの頃に、大量の宿題やドリル教育の中で成功体験を得られた人たちで、それを良かれと思って今の子どもたちに同じ教育を続けている」と指摘。旧福井大付属中出身の40代男性は「僕らが生徒の頃は、学校で与えられた課題をこなしていれば、人生うまくいっていた。ただ、これからの子どもたちは将来、学力だけじゃなくて、プラスアルファを求められる」とし、学校教育も変わるべきだと訴えた。

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【ゆるパブコラム】福井の若者や学生、公務員、起業家、経営者、研究者などがゆるくつながり活動する一般社団法人ゆるパブリック(略称:ゆるパブ、2015年福井に設立)が、さまざまな視点から福井のまちの「パブリック」に迫ります。ゆるパブメンバーを中心に執筆中。

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