小浜藩主酒井忠勝が江戸幕府3代将軍徳川家光から拝領した駕籠=福井県小浜市の福井県立若狭歴史博物館

 福井県は7月31日、同県小浜市伏原の発心寺(ほっしんじ)が所蔵する「駕籠(かご)」が、小浜藩酒井家の初代藩主酒井忠勝が江戸幕府3代将軍徳川家光から拝領したものと判明したと発表した。

 駕籠は男性用として最上級の仕上げで、国内で初めて担ぎ棒も含めた完全な形で残っていた。現存している「将軍の駕籠」は徳川家康が使った3台のみで、極めて貴重な発見に専門家は「近世交通史の重要な資料」「家光と酒井忠勝の親密ぶりを示す」などと話している。

 駕籠は発心寺が昨年12月、県立若狭歴史博物館(小浜市)へ寄託した。同館は市指定文化財となっている酒井家文庫の史料に、忠勝が家光から駕籠を与えられたとの記述があることから、発心寺の駕籠がその実物とみて詳しく調べていた。

 駕籠は長さ118センチ、幅86センチ、高さ102センチの木製の本体と、長さ497センチの担ぎ棒からなる。国内で確認されている男性用の駕籠の中で最大で、8人ほどで担いでいたとみられる。薄く削ったヒノキを縦横に編んで本体全体に張り付ける「総網代(そうあじろ)」や透明の漆を塗ってつやを出す「溜め塗り」、担ぎ棒を黒色に塗っているなど将軍用の仕様となっていることから、家光から与えられた駕籠と結論付けた。

 1634(寛永11)年、江戸幕府の老中だった忠勝は家光の上洛に同行し、京都で若狭国約11万石を与えられた。駕籠は、家光とともに江戸に帰る途中で、若狭に入るための休暇を願い出た際に贈られたという。

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